2008年4月2日
Royal Festival HallにてMitsuko Uchida(内田光子)の演奏会。Schubert Sonata in C minor D958、Gyorgy KrutagのJatekokより、SchumannのEtudes symphoniques Op13。
音色が豊かで美しい。Steinwayの音にはこの数ヶ月かなり慣れ親しんできたはずだったが、そのレンジが遥かに広い。そして脳裏に色彩が投影される。Schubertは若草色。普段、Schubertの遺作ソナタ3作は枯葉色なのだけれど。また、所々「ハッ」とするような演奏があり、頭が演奏を記憶しているうちに楽譜を確認したい、と思う。Krutagはメタリックシルバー。Schumannはもう花火のように多彩だ。
アンコールはMozartのソナタとSchubertの4つの即興曲から。まるで演奏会が3部構成かのような素晴らしい演奏。Mozartは好んで聴く作曲家ではないのだが、思わずまた涙があふれそうになる。昔、日曜日の度に焼いていたホットケーキを想い出した。
そこでMozartのソナタ集を購入。しっかりサインと握手をしていただいた。
拍手はきちんと出来たのに、席から立ち上がった後、動けなくなってしまった。脳の神経末端から神経伝達物質が放出されたまま、再取り込みされない状態(?)。こんな演奏会初めてである。