2008年4月3日
昨日の演奏会時に、知人からMidori(五嶋みどり)の演奏会が今日あることを伺い、早速Netで予約。日本だったら前日にチケットなんて取れないに違いない。ところが会場に到着すると、彼女のほぼ正面の素晴らしい席。
演目はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。あまりに有名すぎて、普段ならばそれだけで避けてしまうけれど。
果たして。。。
もう、ヴァイオリンを売ってしまおうかと、そのお金で聴けるだけ彼女の演奏を聴いたほうが良いのではないかと本気で思った。そのくらい演奏家として圧倒的。ヴァイオリンの演奏とは思えない。体と楽器が一体化してまるでピアニストが自在に(ずっしりと安定した)ピアノを操るが如く。弦と弓との会合が非常に安定していて、濃密で、何というか。。。完熟マンゴーのようなぴったり感。
一度でも彼女の演奏をご覧になった方はお分かりと思うが、「演歌」歌手を思い出さずにはいられない動きが印象的・・・不思議な光景ですらある。生み出される音楽は、紛れもない西洋音楽なのだが。
更に、今日不思議だったのはイギリスの聴衆。演奏が始まる前、控え室の方から練習の音が聞こえると、誰かが「ブラボー」と小声で叫び、私も含め、かなりの人が声を立てて笑った。しかしながら、十分ブラボーな演奏だったのに、実際の演奏が終わっても、皆おとなしく拍手をするのみ。これも英国人のサーカズム?といまだに考えている。