Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

ピカソ展 "Challenging the past"@ロンドン ナショナルギャラリー

2009-03-23 00:34:16 | ロンドン

ロンドンのナショナルギャラリーで6月7日までピカソ展が開催されている。

http://www.nationalgallery.org.uk/exhibitions/picasso/default.htm

今年の初めにParisでピカソ展を見損なったので、これは見逃してはならない、と出掛ける。

チケットは時間制で、午後4時頃到着したときには既に「本日分売り切れ」とあった。もともと、通し券(30ポンドで期間中何度でも入場できる)を購入するつもりでいたので、尋ねてみると、それならばOKということで購入。普通のチケットが12ポンドなので、3回通えば元が取れることになる。

さて、内容であるが、展示は6つの部屋から成っていて、

1. Self Portrait

2. Models and Muses: Nudes

3. Characters and Types

4. Models and Muses: The Pensive Sitter

5. Still Life

6. Variations

今日の一枚は、これ。

http://images.google.co.jp/imgres?imgurl=http://www.bbc.co.uk/london/content/images/2009/01/23/portrait_olga_270x360.jpg&imgrefurl=http://www.bbc.co.uk/london/content/image_galleries/picasso_national_gallery_gallery.shtml%3F3&usg=__oYweEZaaUS_WeTlhXtuj8zyDi8Y=&h=360&w=270&sz=25&hl=ja&start=2&um=1&tbnid=vLJTWl-OPJeN8M:&tbnh=121&tbnw=91&prev=/images%3Fq%3DPicasso%2BPortrait%2Bof%2BOlga%2B1923%26hl%3Dja%26lr%3D%26sa%3DN%26um%3D1

ピカソの最初の妻、オルガの肖像。ピカソの死まで彼の手元にあったらしい。

4の部屋に入ると正面に飾られていて、あまりの美しさに、まるで毒気に当てられたかの如く目が離せなかった。特に顔の左側、目の下の辺りのハイライトの部分。とりわけ細密に描かれているのではなく、化粧崩れしているようなタッチなのだけれど、その色の美しさや、絵画独特の、見せる部分とそれ以外の対比、人間の眼の錯覚の利用など、どれほど眺めても飽きることがなかった。

これを観て、アルルカンの絵を思い出した(調べてみると、両方とも1923年に描かれていた)。中学の教科書にアルルカンが載っていて、これを模写した記憶がある。家庭科室横の廊下に飾られたあの絵、今見てみたい(相当自信過剰?)。それにしても、日本の教育も捨てたものではない。思わず子供の頃の美術や音楽の先生を思い出して感謝してしまった。まあ、こちらに生まれていたら、ナショナルギャラリーや、ピカソ美術館、オルセー、ルーブルで本物を見ながら模写できたのだろうけれど!

Variationsの部屋のManetの作品を参考にしたものは、幾ら天才ピカソといってもねぇ、というのは素人感想か。とにかく今日は、他の全作品とオルガ一枚、どちらを選ぶ?ときかれても、「オルガ!」と答えたいほどにこの作品にはまった。

通し券、次回はどの絵に魅かれるだろう?やっぱりオルガ?


アルバン・ベルク&マーラー@ロイヤルフェスティバルホール

2009-03-23 00:30:00 | コンサート

2009年3月22日。ロンドン、ロイヤルフェスティバルホール。

Esa-Pekka Salonen: Conductor

Mitsuko Uchida: Piano

Christian Tetzlaff: Violin

Berg: Piano Sonata. Op.1

Berg: Kammerkonzert

Mahler: Symphony No.9

Esa-Pekka Salonen指揮のCity of Dreams Vienna 1900-1935と題したシリーズ物の1つ。

アルバン・ベルクのKammerkonzertは初めて聴いたけれど、曲も、またパフォーマンスも、とても面白かった。

ピアノ1、ヴァイオリン1、管楽器群で演奏されるこの曲に、ヴァイオリン用と思われる譜面台が2つ用意されていた。この曲もサロネンが指揮をしたけれど、別に居なくてもいいのかなぁ、なんて思っていたのだけれど、Violinの譜めくりに必要だったことが判明(勿論冗談)。

最初Tatzlaffは指揮者に近い譜面台の横に立って演奏をしていた。途中、彼は突然もう一つの譜面台へ移動、ヴァイオリンソナタのような演奏形態になった。

この間にサロネンが、指揮台の近くの譜面台にのっていたViolin用の譜面をめくって、後に戻ってくるTetzlaffのために準備をするのであった。

内田のパフォーマンスもすごい。かなり前衛用なのである。左手が後ろへ飛んだり、右足が左足の前の方へキックされたり。管楽器ももう少しこの内田のノリについていってあげないと。。。

彼女は12歳でウィーンに移り住んで青春時代をそこで過ごしているだけあって、このシリーズにはうってつけのピアニストなのだろう。彼女にとっては、パリではなく、ウィーンが「移動祝祭日」なのだろうか?ちなみに、この演奏会シリーズのプログラムは、3.5ポンドだが、20世紀初頭のウィーン芸術(含む、学問)についての解説が見事である。

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後半はマーラー。ベートーベンのように交響曲を9曲作曲したところで寿命が尽きることを嫌って、大地の歌に「第9番」とつけず、この曲に「第9番」をつけたことは有名。で、結局第10番を作曲し終える前に亡くなってしまう。いっそうのこと、この曲にも番号を振らなければ良かったのに。。。人生を回想するかのような曲である(実際に自作曲、その他の引用が多いので、余計にそんな風に聴こえる)。

チャイコフスキーの第六番と同様、第三楽章が派手に終わるので、ここでブラボー屋さんから拍手が飛び出す。ちょっと待って、この曲は「死に絶えるように」終わる曲だから。。。