先日の地方新聞に下記の記事が載ったようです。
http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=183636&comment_sub_id=0&category_id=112&ref=rank
関東へ、ヤイロチョウのような珍鳥が飛来し 餌付けされたら、行くでしょうね!
野鳥撮影、過熱ご注意 餌づけは繁殖などに影響しNG
昨今のカメラブームを受け、中高年層を中心に、公園などに飛来する野鳥を撮影する人たちが増えている。希少な渡り鳥の情報を得ると、遠方から駆けつけ、撮影の輪が百人単位に膨らむケースも。中にはシャッターチャンスを確実にものにしようと餌づけするケースがあり、愛護団体は「渡る時期が遅れ、繁殖に影響することもある」と過熱ぶりを危ぶむ。
「来た、来た、来た」。集まった二十人が急いで、撮影位置に戻る。五月二十三日朝、名古屋市西区の庄内緑地。十五メートルほど先の小さな切り株に、望遠レンズが一斉に向けられる。
狙いは五月上旬から公園に姿を見せている「カラアカハラ」。切り株には、餌となるミミズなどが置かれる。愛知県弥富野鳥園によれば、ツグミに似た体長二十センチほどの鳥は中国南部で冬を越し、夏にロシア極東に渡り繁殖する。通常、日本海側を北上するため、太平洋側で見られるのは非常に珍しいという。
最近はインターネット上で、写真や場所を公開する人が多く、情報の共有化が進む。公園事務所によれば、関東から来る人もいて、一時は五十人に達した。今冬、これまた希少な「ベニヒワ」が飛来したときには、百人が殺到したという。野鳥を追って十年という愛知県豊田市の男性(58)は「いついなくなるか分からず、空振りに終わることもあるが、その『一期一会』が魅力」と話す。
撮影のための餌づけについて、カメラマンたちは「そうしないと撮れないから仕方ない」と率直に話す。
こうした行為について、日本野鳥の会愛知県支部役員の新実(にいのみ)豊さん(58)は「撮影のために餌づけすると、栄養が偏ったり、繁殖に影響が出たりすることがある」と指摘する。実際に昨年初め、知多半島に飛来した渡り鳥が撮影のために餌づけされ、死んでしまったケースがあったという。
カラアカハラは二週間以上、滞在した。弥富野鳥園の匹田竜太郎主任(41)は「普通ならもっと早く移動しているはず。本来のコースでないところに、足止めしてしまうのはいいことでない」と話す。
写真撮影の趣味が高じて野鳥を追い掛けるようになり、生態に詳しくない人もいる。日本野鳥の会は「むやみに巣に近づかない」「餌づけやストロボを使った撮影は避ける」などの撮影マナーを呼び掛けるが、結局は個人のモラルに委ねられる。新実さんは「カードゲームのように、写真の種類を増やすことに熱中しているのかもしれないが、野鳥は生き物。知識を身につけ、節度のある撮影をしてほしい」と訴える。
(社会部・栗田晃)