第二次大戦末期のナチスドイツにおける空軍試作機Horten Ho229 全翼機を作りました。いくつかの制作会社からプラモデルは発売されていますが、たまたま昔購入できたのがこれで、ずっと埋もれていました。
グライダー設計や操縦に興味のあったホルテン兄弟がアレクサンダー・リピッシュ博士の指導の下に1936年から38年に全翼機の開発を続け、ゲーリング元帥の推薦と資金的協力で飛行効率の良い全翼機の実用化に至ったのがHorten 229で、ゴータ社で生産予定だったようです。生産型は鋼管フレーム構造にベニア材と炭素塗料を多用し、ステルス制も兼ね備え、時速900kmに至る優れた性能を予定されました。全翼機の飛行効率の良さはその後米国ノースロップB−2爆撃機で実用化されています。魚のエイの様な形である全翼機は急旋回などには向かないものの、最も簡易な物はハンググライダーで使われている様に構造も単純で飛行効率が良いため、各国で研究されていました。ホルテン社は現在も自家用に全翼機を製作して実用化しています。
ドイツの全翼機表紙に使用されたレシプロエンジン搭載のHorten Vb 殆どUFOと言えそうな試作型Horten XIIIの飛行姿
現代のHorten社が市販する全翼機 (同社ホームページから)
モデルはあまりメジャーでない英国のPioneer2というメーカーですが、金型はトルコで生産されているようで、精巧な作りとは言えないものの、まあ問題ない状態でした。元々試作機であり、塗装は計画と想像上の物から示されているだけですが、米軍に接収された実機がスミソニアン博物館にあり、それらを元に各社模型を製作しているようです。上面はRLM02とダークグリーンの迷彩、下面はライトブルーです。スプリング式の射出座席だった由ですが、シートベルトは自作です。凸モールドなのでBの鉛筆で接合線をなぞって強調しています。ミュンヘンで購入した「ドイツの全翼機」(写真)によると、ホルテン兄弟の全翼機は19機が製作され、生産型とされたIX型は7機が製作され、version6の一機目はユンカースJumoジェットエンジンを2機搭載して何度か試験飛行をし、時速800kmを超える好記録を出したものの、エンジンの発火によって墜落し消失したということです。Version6の生産型は30mm機関砲2門、900kgの爆弾搭載が可能で、航続距離1,300km、上昇限度16,000mに及び、時速977kmでした。もう1-2年早く大量生産され、メッサーシュミット262と共に実戦に参加していたら戦況を大きく変えた可能性もありました。昔作った実用化されたロケット戦闘機Me163と並べてみました。Me163は生きて帰れる気がしないので、乗るならホルテンの方が良さそうに思います。
Horten IX 生産型が完成した場合の予想図 独特なフォルムだが早そうではある。
翼面が広いが、飛行効率は良さそう。現在の物は試作型XIIIに似た後退翼になり、最新型の旅客機の様に翼端が立てられており、より翼の効率が上がっているという。Me163よりも2周り位大きい。
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