第二次大戦中の定番ともいえる米軍の戦闘機2種を作りました。どちらも昔作ったことがある機体でしたが、再度作るにあたって1/72であまり良いプラモがなかった事もあって躊躇していました。またシルバー塗装がメインであることもどう納得行くように作るか迷う所でもありました。
現在もエアショーなどで活躍するP-51 Mustang
P-51 D マスタングは、名機であることを誰も否定しないほどの名機で、当初英国空軍からカーチスP40を製造するよう依頼されたNorth American Aviationが新しい機体製作を102日で仕上げてロールアウトして初号機が完成しました。アリソンエンジンからインタークーラー・スーパーチャージャーの付いたロールスロイス・マーリンエンジンに換装してテストすると航続距離を犠牲にせず、高度4,600m以上の高高度での飛行性能が改善され、ドイツ機と互角以上に戦える戦闘機としてP-51B/Cマスタングとして量産されました。P-51Dは水滴型風防にパッカード・マーリンV1650エンジンと6丁の12.7mmブローニング機銃を装備して最高速度710km、巡航速度583km、航続距離2660km(外部タンク使用)、上昇限度12,800mと申し分ない性能を発揮し、第二次大戦中各型合わせて4,950機の敵を撃墜したと記録されました。生産台数は15,000以上、各国空軍で1984年まで使用された他、現在でもエアレースなどで活躍する機体がたくさんあります。
パイロットはHasegawaの海軍搭乗員から流用、アンテナ線は伸ばしライナー(コックピット内)と0.2mm真鍮線使用。
モデルは安定のHasegawa製ですが、タミヤの大型スケールからのサイズダウンされたシリーズなど多くのメーカーからP-51は発売されているので、どれが良いとも言えないです。Hasegawa製は内部の造りも割とあっさりしていて、パイロットは付いていないので、例によって他から改造して入れました。実機のシルバーはジュラルミン地が割と強い印象なので、ベースに白を吹いてからシルバーリーフスプレー缶で塗装して、乾いてからティッシュで表面を磨いて平にしてみました。ティッシュで磨く前と後では写真の様に照り具合が変わります。あえてInvasion stripeのない第4戦闘航空軍334戦闘飛行隊所属機を選びました。
白地にシルバーリーフ缶のスプレーをして、乾燥してからティシュで磨くと翼上面の様にジュラルミンぽく光る(下面は磨く前)。
P-38は1930年代、P-35や36などが主体であった米軍戦闘機に対して、高高度戦略爆撃機の迎撃に使用できる最高速度640km20mm機関砲装備の戦闘機の要求に対してロッキード社が1937年に1150馬力アリソンV1720を2基装備した双発双胴の戦闘機として開発されました。高速で重武装ながら旋回性能が悪く、片方のエンジンが止まるとスピンしてしまうなど、日本軍から「ペロリと食えるぺろ38」などと揶揄される機体でしたが、エンジン出力を上げてタービンエンジン、インタークーラーの改造、パイロットの完熟訓練などで十分な戦果を挙げるようになりました。L型は最大速度667km、増槽付きで航続距離4,180km、20mm機関砲1,12.7mm機銃4の他、ロケット弾12発、爆弾1,000kgまで装着可能でした。L型はシリーズ最多の3,923機製造されました。
L型はエンジン吸気口が顎の様に飛び出しているのが特徴
モデルは以前ハセガワ製があり、自分も作ったことがありましたが、現在は入手困難で、1/72以外はタミヤなどからも出ていますが1/72は中国製のHobby Bossが最も出回っています。胴体と翼が上下2部品構成で、箱絵からも余り出来上がりが期待できない感じですが、プロペラは説明書にないものの両側外側へ回る様に設計されていて、秋葉原の中古プラモ店でSuperscale製の古いデカールを購入して1944年St.Quentinにおける367戦闘航空軍所属クラーク・リビングストン中尉のMoonlight Cocktail号にしてみた所、実機に近い細かいデカールも多く付いていて割と良い感じに仕上がったと思います。シルバーはテカリを抑えたいぶし銀的な色になる様に、黒をベースに吹いてから通常のシルバー缶スプレーで塗装しています。2機並べた時にシルバーの違いが少しわかるかと思います。
細かい穴とかもできるだけ開けて実機に近くしてみました。機銃は中央に20mm上に12.7mm4丁。全体のフォルムはまあまあか。
細かいデカールのお蔭で感じが良くなった。P51とシルバーの色合いが少し違う。
山本元帥を仕留めたライトニング!