2023年10月7日、パレスチナ人が幽閉されているガザ地区から突如抵抗勢力のハマスがイスラエルを奇襲、市街地に突入して市民ら多数を殺害、一部を誘拐して連れ去り、世界に衝撃を与えました。イスラエル政府と国防軍(IDF)は直ちに反撃を開始し、ハマスが2-5,000発のロケット弾を発射したのに対して、既に6,000発の爆弾をガザ地区内に落としているという事です。また10月9日にはガザ地区の完全封鎖と水などの生活必需品搬入禁止が発表され、100万人以上のガザ地区住民に南に移動する様通告が出されています。
Ⅰ. ウクライナ戦争との明らかな違い
今回の突然起きた中東紛争が、1年以上続くウクライナ戦争と明らかに違う所は、ウクライナ戦争が正規軍同士の戦争であるのに対して、ハマス・イスラエル軍共に一般市民の殺戮を迷わず行っている事です。紛争の当事者は「民間人と戦闘員」「民間施設と軍事目標」を明確に区別しなければならない、と戦時国際法には定められています。これを守らない場合は「戦争犯罪」として断罪されます。たとえ国家の非正規軍であるハマスが戦争犯罪を犯したとしても、イスラエル政府と正規軍であるIDFは戦時国際法を遵守して粛々と対テロ組織戦争であるCOIN (counterinsurgency)を進めねばなりません。
ヒズボラが正規軍かどうかは微妙ですが、シリアやレバノン、イラン、エジプトの軍は正規軍として扱われるべきで、ハマスとの戦争が即アラブ諸国の正規軍との戦争と同じであると法的に規定するのは誤りと考えます。世界の多くの識者は、イスラエルが北部ガザのパレスチナ難民を南に移動させて、ガザ地区北部を爆撃する目的はガザの占領(土地収奪)にあるだろうと考えています。
エジプトはイスラエルにハマスの攻撃を知らせていたというニュース
II. 現在イスラエルの根本思想
ホモデウスの概念を解説した「ノガッチ」さんの図から アルゴリズムを超越したヒトとしてホモデウスが君臨する 2020年世界経済フォーラムにおける氏の講演
では、何故理性的であるはず?のイスラエルが躊躇なく戦争犯罪を犯して躊躇うところがないのか、当然多くの人が不思議に思う所ですが、現在のネタニヤフ政権とそれを支える右翼新入植者は、米国政府の中心であるネオコン思想と同一であり、大きくはグローバリズムとつながっています。イスラエルの社会学者であるユヴァル・ノア・ハラリは「サピエンス全史」、「ホモ・デウス」といった世界的著作で有名ですが、彼はグローバリスト御用達として彼の思想がグローバリズムの思想的バックボーンになっていると考えられます。著書「ホモ・デウス」では、AIの発達により、ヒトの価値はAIで代用できない価値を生み出す1%の「超人」とどうでも良い99%の「無用者被支配階級」に分かれてゆくと主張しています。それらについて週刊東洋経済で特集された内容を以前「データ階層社会」としてブログにまとめました。有体に言えば、近代社会は全てのヒトは平等で社会的に同じ権利を持ち、同じ価値で判断されるというのが大前提であったはずですが、AIの発達した「ポストモダン」の社会においてはヒトの価値は平等ではない、とされ既にイスラエルではユダヤ人と非ユダヤ人では優先度が異なるという法律さえできているのです。「超人」はニーチェですが、「動物化」はフランスのアレクサンドル・コジェブが提唱した概念だそうです。
我々が戦っているのは「動物人間」だからそれにふさわしい扱いをすると公言するイスラエル国防相
イスラエルのヨアヴ・ギャラント国防大臣は「ガザ地区の完全な包囲」を宣言した。電気も食料も燃料もなくなり、すべてが閉鎖されます。「私たちは動物人間と戦っているので、それに応じて行動します。」と宣言しており、イスラエルが政府としてパレスチナ人はヒトではないので人権や平等の概念に当てはまらないと公にしています。しかし流石にこの「異常さ」は、ネオコン・グローバリストは「当然」と考えても、99%を占める世界の「まとも」な人達には受け入れがたく、大きな反発が起きています。いくらメディアがイスラエルとパレスチナの犠牲者について異なる呼び方で差別化を統一しても(図)、受け入れられるものではありません。米民主党の暴力装置として機能したBLMも「パレスチナ支持」を打ち出したほどです。ヒトとして扱われない事に憤る運動がBLMなのですから当然の帰結です。
メディアはイスラエル人犠牲者は「殺害された」、パレスチナ人は「死んだ」と表現を統一 BLMはパレスチナ側と連帯
III. グローバリストの政策は「超人」「動物」思想だ
グローバリスト、ネオコンの政策は世界が1%の富と権力を持つ「超人」と99%の「無用者階級(subhuman)」からなるという前提で進められる。超人同士は同じ権利で平等だが、99%は動物であり、動物同士は平等であっても価値としてはどうでも良い扱いにされる。コロナ、ワクチン、ウクライナ戦争、パレスチナ平定、全て同じ視点であると考えると納得がゆくように思います。つまりコロナやワクチンで無用者階級が何人死のうが「マター」ではない(問題ない)し、ウクライナ戦争で鉄砲玉のウクライナの若者がどれだけ万歳突撃で死亡しても、グローバリスト・ネオコンの目標である「ロシア人・プーチン体制撲滅」のためならば問題ない、となるのです。日本人にはいまだに「グローバリズム信奉者」がいるのが不思議ですが、いくらグローバリズムに忖度しても「日本人など99%の無用者階級にしか扱われないという事を自覚していない阿呆」としか言いようがありません。体制順応していれば事なきを得るだろうという考え方をハーバード大学アミー・エドモンドソン教授の「Implicit Voice Theory(沈黙の発言理論)」として紹介しましたが、本来の日本人は「和して同ぜず」を本旨とする多様性の民族であり、方言という「言葉の壁」(日本語も)を作って自分が一番と思いながらも互いを尊重して二千年を生き延びてきた民族です。この激動の時代に日本人は「糞の様なグローバリズム思想」に忖度などせず、再び賢さを発揮して生き延びるべきと考えます。
追記: (2023年10月19日)イスラエルは情報戦でも敗れた
10月17日Middle East EYE誌の翻訳記事 写真はAP
ガザのアル・アフリ・アラブ病院が10月17日に爆破され、500名以上の患者や避難民が殺されたと伝えられている。現地の西側の記者もイスラエルによる攻撃だった可能性を指摘しているが、ガザを狂った様に爆撃していながら、今になってイスラエルはパレスチナ側の誤爆だと主張しました。ウクライナ戦争ではロシアは民間施設を攻撃する場合も、西側の宣伝材料にならないよう民間人の被害を最小限にしていますが、パレスチナ人を「動物」扱いしてきた時点でイスラエルの負けなのです。ネオコン、グローバリストの余りの傲慢さには吐き気を催すほどですが、これからいくら取り繕っても(実際にイスラエルの攻撃だったかはもう別問題として)今回の戦争はイスラエルが負けなのです。それを支援したバイデン政権も同様に次の選挙では勝てないでしょう。バイデン支持はイスラエル支持と見なされますから。
しかしナチズムにカースト社会は戦争屋パンデミックには弱いウイークポイントもある。
>君子が、幼弱 卑賎 を虐待しないのは、天を畏敬するからである。
天の威光を畏みつつ ここに福をば保ちゆく {詩経 周頌 我将}
とあるように、天を畏敬しなければ なにごとも保つことができぬのだ。
と。
日本が、イスラエル~グローバリズムと縁を切りにくいのは、一つは日本がほぼ「米英の植民地」であるのもあるけど。
もう一つは「通俗道徳~自己責任論」で、弱いものいじめが常態化して、それを「通俗に道徳」と思っているところがあるから・・なんせ学校でも「いじめ」が放置され続け30年以上自殺者が出ても、普通に通わせ続けてきた・・・
日本も天が見放しているのでしょう。弱いものいじめを教育レベルから続けて、天を畏敬しない傲慢なアホを、見放しているのでしょう。
吾愛するポーランド軍将校団は、その三分の一が消滅したそうだ。これで中世欧州で名を馳せたポーランド騎兵軍団は、一万名の戦死者とその三倍の生涯不具者を出して、壊滅したのだ。ワルシャワでは昔の日本の演歌の文句「だかあら言ったじゃないの」が大流行。嗚呼、社会主義ポーランドの素晴らしかったこと...
ロバートケネディJrが、明確にイスラエル支持を宣言した。何だ、やっぱりコイツもか。
アメリカで政界入りするためには、シオニズムに忠誠を誓わなくてはいけない。結果、ワシントンは、狂信的なシオニスト達(少なくともそのフリをする)の巣窟となっている。
しかしながら、国民の意識とワシントンの意識の乖離が顕著になってきている。世論調査で約半数がパレスチナ支持だそうだが、実態はそれよりはるかに多いはずだ。なぜなら、アメリカでは反シオニズムを一言でも口にすると、故意に反ユダヤと曲解され、政治姿勢ではなく、人種問題として叩かれるからだ。このシステムを徹底することにより、シオニズムに対する言論を徹底的に弾圧してきた。
ただし、微かな希望もある。それは、若者の間にパレスチナに対する素朴な共感、シオニズムの狂気に対する疑問が生まれつつあることだ。
ケネディはバカだ。バイデンVSトランプなんて、これ以上ない悪い冗談にもう投票する気力さえない有権者のハートをワシヅカミできるはずだったのに。
シオニストの反ワクチンバージョンだったってオチ。