2024年12月9日、ロシアはシリア大統領のバッシャール・アサド氏の亡命を受け入れたことを認め、実質的にアサド政権は崩壊し、シリアの実権は反政府勢力のシリア解放機構ジャウラニ指導者の指揮下に入った様です。予想外の速い展開に専門家と称する人達含めて世界中の誰もついてゆけない状況だったのではないかと思います。
米国が懸賞金付きテロリストと指定した男が新国家代表になってしまった。
今までの経過や今後の展開について、種々の考察がなされていますが、余りに多くの勢力とそれぞれの利害が絡み合っているので予測不可能にも思います。そこでわかる範囲でこれらのプレーヤーについてまとめてみます。
関与したプレーヤーと内容・利害 |
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アサド政権側 |
反政府勢力側 |
〇アサド大統領 2024年11月頃から政権基盤が揺らいでいた事を認識、家族にロシアへの亡命を進めていた。 政府軍を率いる弟のマーヒル・アサド少将は、第4機甲師団などを支配地域から抵抗させることなく撤収。大統領と共に亡命。
〇ロシア 地中海への拠点となるヘメイミム空軍基地、ラタキア海軍基地を保有。アサド政権を支援してきたが、今後はその存続をめぐって新政権と交渉する予定。 敢えて強力な攻撃を今回行わなかった背景には米国などとの協定があった可能性も。
〇イラン イスラエル、米国と本格的戦争に入りたくない状況があり、シリア国内の革命防衛隊は既に撤収したと見られる。
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〇シリア解放機構 アル・カイダ、アル・ヌスラ戦線が前身。3万人の兵を有する今回の政変の主役。イスラム原理主義のスンニ派。
〇シリア国民軍(トルコが支援、スンニ派)
〇クルド人勢力である(SDF)もシリア北東部を支配しており、5-6万人の戦闘員がいる。
〇イスラエル 今回の政変で最も得をしたと言われる。イランからヒズボラへの支援を切り、シリア国内のヒズボラの存在をなくすことに成功。ゴラン高原の安全確保、勢力拡大?
〇トルコ イスラエルとガザ情勢では対峙していた様で、石油輸出などでは連携していた。今回の政変で大量のシリア難民とクルド人勢力との対立を何とかしたい。
〇米国 イスラエルと何等かの連携があった。イラン封じ込めを含めてイスラエル支持の次期トランプ政権も何等かのディールで関与か。おそらくロシアともウクライナ情勢の決着を含めてディールがあったと思われる。 |
背景
そもそもの背景は、2011年のアラブの春の際のシリア内戦ぼっ発で、2009年アサド政権がカタールからトルコへ抜けるパイプライン設置を拒否し、イランからレバノンへのイスラムパイプラインを認めたことからCIAは反政府勢力(アルカイダとかISなど)を支援してアサド政権転覆を画策したことに始まります。表面的にテロ組織ISなどを掃討するふりをしていた米国は、2015年ロシアがアサド政権支援に本格介入して空軍基地をアサド国際空港に隣接して建設するなどし、ISは一掃されてしまっていた。
トランプ次期政権を含めて各国の様々な思惑が入り乱れる。
多くの予想では、今後10年シリアは各勢力が入り乱れて荒れ続けると言われています。
クルド人勢力は建国を目指すでしょう。ロシアに亡命したアサドはロシアで眼科クリニックを開いて家族と平和に暮らす事を望んでいると言われます。元々そちらの人生を選んでいた人ですから。
13年の間に50万人の死者と、600万人の海外難民、700万人の国内避難者を出して「それ」なのか?
あんたらの拝むアッラーは何やってる?
アッラーはゴッドと同じ普通名詞でユダヤのヤハウェと同じ神ですよね。そんなに慈愛あまねき神なら、よう、こんな事を放置するもんだ。だから唯一神教きらいなんですよ。
アサドは元眼科医で英国でヒポクラテス宣言した人でしょう。偶然にトップになるまでは。そして初期は割と民主化にも手を出していた。少なくとも親父よりマシな政治をしており、シリアって観光旅行に行けました。独裁でも安定して治安も良かった。
それがアラブの春からでしょう、ああなったのは。
結局アラブの春はアラブの冬だったか。