(つづき)
天狗が使いであるカラスたちに 何かを指示すると、カラスたちはガァカァと鳴きながら一斉に飛び立ち、やがて闇夜にとけこみ見えなくなった。
カラスを見届けたあと、年寄り猫が周りの猫たちに向かい話し始めた。
「大天狗様が仰ったように 誰かに代表して東京に向かってもらわねばならない…誰か志願する者はおるだろうか?」
だが周りの猫たちはだまったまま、下を俯くものもいる。
…僕は声をあげた。
「東京新橋ならば ある程度 土地鑑がある僕が行こう!
クロ!トラ!
それまで娘を頼む!」
周りの猫たちがどよめき、座敷わらしたちの表情が幾らか明るくなる…
うちの飼い猫であるクロとトラが前に出てきて応えた。
「ご主人様!わかりました。
無事に戻られるまで お嬢様は私たちがお守りいたします!」
娘は自分の事を話しているのが わかるのか 手をあげて“了解しました”というようなポーズをとった。
その様子を笑いながら見ていた天狗が翼を広げた。
「決まったようじゃな…」
そういうと大きな翼を使い急上昇したかと思うと、カラスの時と同様に闇夜にとけて見えなくなった。
(つづく)
天狗が使いであるカラスたちに 何かを指示すると、カラスたちはガァカァと鳴きながら一斉に飛び立ち、やがて闇夜にとけこみ見えなくなった。
カラスを見届けたあと、年寄り猫が周りの猫たちに向かい話し始めた。
「大天狗様が仰ったように 誰かに代表して東京に向かってもらわねばならない…誰か志願する者はおるだろうか?」
だが周りの猫たちはだまったまま、下を俯くものもいる。
…僕は声をあげた。
「東京新橋ならば ある程度 土地鑑がある僕が行こう!
クロ!トラ!
それまで娘を頼む!」
周りの猫たちがどよめき、座敷わらしたちの表情が幾らか明るくなる…
うちの飼い猫であるクロとトラが前に出てきて応えた。
「ご主人様!わかりました。
無事に戻られるまで お嬢様は私たちがお守りいたします!」
娘は自分の事を話しているのが わかるのか 手をあげて“了解しました”というようなポーズをとった。
その様子を笑いながら見ていた天狗が翼を広げた。
「決まったようじゃな…」
そういうと大きな翼を使い急上昇したかと思うと、カラスの時と同様に闇夜にとけて見えなくなった。
(つづく)