落書き日記のススメ

毎日、日記をつけるのもいいけど 簡単な絵を描き続けるのもいいですよ。絵のある生活(落書き)のすすめ。

僕が行こう!…

2012-08-24 01:06:02 | Weblog
(つづき)

天狗が使いであるカラスたちに 何かを指示すると、カラスたちはガァカァと鳴きながら一斉に飛び立ち、やがて闇夜にとけこみ見えなくなった。


カラスを見届けたあと、年寄り猫が周りの猫たちに向かい話し始めた。

「大天狗様が仰ったように 誰かに代表して東京に向かってもらわねばならない…誰か志願する者はおるだろうか?」

だが周りの猫たちはだまったまま、下を俯くものもいる。


…僕は声をあげた。

「東京新橋ならば ある程度 土地鑑がある僕が行こう!

クロ!トラ!

それまで娘を頼む!」

周りの猫たちがどよめき、座敷わらしたちの表情が幾らか明るくなる…

うちの飼い猫であるクロとトラが前に出てきて応えた。

「ご主人様!わかりました。
無事に戻られるまで お嬢様は私たちがお守りいたします!」

娘は自分の事を話しているのが わかるのか 手をあげて“了解しました”というようなポーズをとった。

その様子を笑いながら見ていた天狗が翼を広げた。

「決まったようじゃな…」

そういうと大きな翼を使い急上昇したかと思うと、カラスの時と同様に闇夜にとけて見えなくなった。

(つづく)