印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る

英語版のYouTube動画を公開しました!!

八王子 印鑑 楽善堂

創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。

英文字の印鑑

2012年10月26日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

早いもので、週末、さらに月末に近づいて来ました。
過日、こんなお客様がご来店なさいました。「カナダに娘がホームステイしていて、ホストファミリーに印鑑をギフトで贈りたいのですが。」

八王子にも外国から移り住んで日本で働いている方は大勢いらっしゃいます。時おり、銀行口座を開設するのに必要、と言ってお名前の印鑑をご注文になります。この場合は、英字である必要は無く、近い発音のカタカナで作製することがほとんどです。文字数も少なくてすみます。姓か、下のお名前で文字数が少ない方でお受けしています。

今回のお客様のように、使う方が本国暮らしの外国人の方の場合には、カタカナは通じません。英字(アルファベット)でないと理解していただけません。3本のご注文のなかで、7文字が2本、1本は9文字でした。漢字の9文字ではないので1文字を縦長に入れれば何とかなるかな、と思って仕事を受けさせていただきました。小判型(楕円形)の印鑑にするか、丸型の印鑑を使用して、ハイフン入りで2行にするか、考えました。

文字入れをしてみたら、小判型の印鑑を横にして(通常は縦長に使用)9文字をいれることができました。今後の注文時にサンプルがあったほうがいいかと思い、試作品を彫りました。試作品は6文字なので筆記体が可能でしたが、9文字のお客さまはブロック体で収めました。

お値段は、つげ材(木製)の場合で、6文字まで2500円、7文字以上3000円です。別途で印鑑ケースは100円から950円くらいまでがオススメです。


▲刻字は「Chieko」です。文字が細いので外枠はやや太めに作りました。
下の絵は柳と川の流れです。印箋(印を捺す専門用紙)にある絵です。


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印稿、ビフォアとアフター

2012年03月03日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今日は3月3日で“ひなまつり”です。娘たちが小さかった頃は、建国記念日の2月11日にお雛様を出して3月3日まで飾ったものでした。中学生の頃から飾らなくなってしまいました。桃の節句とも言いますから、昔の暦では桜が散った後の暖かな陽気にひな祭りだったと思われます。

通信販売のお客様で、印稿(仕上がりのラフデザイン)をご希望の方がありました。メールの添付でお送りして、少々の線質の変更ご希望がありました。篆書(てんしょ)の文字に対して目が肥えていらっしゃる方かと思います。2回目の印稿でOKが出て彫刻しました。1回目にお出ししたのは下記の印稿です。文字は縦書きに「篠崎」さんです。




この印稿で「篠」字の竹冠の横画、平ら過ぎるのでもう少し曲線にして欲しい、というのがお客さまのご希望でした。竹冠は、コップを伏せたような形の中央に縦画を書く竹冠もありますが、この作品の場合、画数が多いので横画を皿を伏せたような線質にしました。竹冠より下の部分を狭くして、横画の上反り曲線を強く表現しました。下の部分を狭くしたので、「篠」の右下の「木」の形を変えました。それが下記の作品です。




このように印稿はまだ彫っていない状態なので、ご希望によって変えてから彫刻することが可能です。仕上がりまでお急ぎでないなら、印鑑ご注文時に、“印稿希望”とご指示をいただければこのような流れでお受けしております。

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印鑑の複製

2011年08月30日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

このところ、印鑑複製のお客様が続けてご来店なさいました。横浜、千葉県、埼玉県から見えました。ホ-ムページで検索して当店、楽善堂を見つけてくれたとのことでした。以前のブログにも書きましたが、紙に捺(お)した印影(これが印鑑の本来の意味です)は、IDカードのように本人を証明するものです。

ご注文を受けるに当たっては、ご本人の証明になるものをご提示いただいています。簡単に言うと、佐藤さんが“佐藤”の印鑑を作るのは問題ないけれども、山田さんが“佐藤”さんの印鑑を作るのは基本的には不可です。既製の印鑑を買いに見えたお客様はお頼まれ物、または書類の便宜上、ご本人の了解をもらって業者さんが買い求めに見える、などというケースもあります。こんな場合は問題ありません。

やはり同型印、複製の場合にはご本人の確認をさせていただいています。場合によっては家族同士で他人の印鑑の複製の可能性もあるので、ご本人が捺した書類に複製する印が捺してあることも確認します。

印鑑リフォームのページにあるように、95%の複製、同型印でご注文を受けています。100%の複製は難しいのもがあります。仕上げの作業で2つの印影を比べながらオリジナルに極力近づける作業を念入りに行なっていきます。同型印が犯罪の加担をするのでなく、困ったお客様の手助けになるなら、という思いで昨年からホームページに掲載しました。

印鑑リフォーム同型印のページ http://inkan-reform.com/service/same.html

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隷書の法人印鑑

2011年07月29日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

感覚的に“まだ7月なの?”と思います。今月は長いなあと感じています。通常は8月上旬の「八王子まつり」が、名称と規模を変えて2週間早く行なわれたからだと思われます。

先日彫刻、納品させていただいた会社の印鑑、同じ社名で3種類ありました。お客様からのご希望で、実印、銀行印、認印というご指示でした。実印、銀行印、認印というと、通常は個人の使用目的の印鑑ですが、法人(会社)で使うものもあります。会社の実印は市役所でなく、法務局に届出をします。八王子は法務局が南大沢に移転したので、市街地に会社を構える人には出掛けるのにやや不便になりました。

会社で使う印鑑を3種とご注文をいただいた場合、やはり職人としてはそれぞれに印に持ち味、特徴を持たせて違いがはっきりわかるようにして差し上げたい、と思いました。直径の寸法は、18ミリ、16.5ミリ、15ミリと違いますが、2つ、3つの印影(紙に捺した状態)を比べれば大きさの違いはわかりますが、1つの印影だけではどの印鑑か判別しにくいものです。

そこで、実印、銀行印、認印、と変わるに従って、書体を読みやすい書体に変えていくことにしました。普段は会社の実印(登記印)の1本だけの注文が多いので、篆書(てんしょ)、または吉相体で彫りますが、今回は、隷書、行書を入れました。外回りに彫る会社の名前は、篆書が多いです。隷書を認印で使いました。筆意表現が、篆書よりもはっきりと表現しやすい書体です。

注文でいただく印鑑の仕事、お客様から指示があればその通りに従えばいいことですが、とくにご指示が無い場合、お客様のお話をよくいただいてから、店側でよい提案をさせていただく、こんな接客が大切かと思っています。


▲上の印は内丸、代表取締役印が隷書です。下の印は外丸の株式会社が隷書になっています。
下の印の内丸は行書です。読みやすさが前面に出た作風です。
(会社のお名前部分は修正液で消してあります)


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横浜市から象嵌のお客様

2011年02月04日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今日は、暦の上では立春です。いつものように寒い朝でしたが日中は暖かくなるそうです。

先週、横浜市から車を飛ばしてご来店のお客様がいらっしゃいました。2年前に私のブログで紹介した、象嵌(ぞうがん)細工の印材をご覧になりたいとのことでした。象嵌とは、象(かたち)を嵌(はめこむ)というもので、印材に、宝船や山水の風景などの図柄を薄い金銀などを嵌(は)めこんだものです。主に、象牙の印材に細工をしますが、象嵌の象には象牙の意味はありません。別の素材に嵌めこんでも“象嵌”です。

山崎民生(みんせい)さんという、象嵌の職人さんがいました。かなり前に仕事は引退したと聞いていましたが、つい先日問屋の社長に聞いたら、もう他界なさったとのことでした。ご健在の時にお住まいの墨田区の向島まで出向き、無垢の象牙印材を持参して、細工をお願いをしました。気持ち的に半分は、私のコレクションで持っておりました。

ブログを見てくれた横浜のお客様が、これをご覧になり、お気に入ってくれてご注文になりました。コレクションを手放すのは寂しい気持ちも少々ありましたが、大切に保管しておいてよかったな、と思いました。


▲象嵌細工の象牙印材です。左から、山水風景、宝船、恵比寿様です。


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お手頃な落款印

2010年10月15日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
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こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

今年の秋は涼しくなるのが遅く、昨日あたりでもまだ上着が不要、ワイシャツのみで店に居りました。

樹脂で印面を作ってある落款印のご紹介です。本格的な落款印は石材で作りお値段はおよそ10ミリの正方形で6000円、つげ材でも4000円はかかります。“樹脂”というとイメージが出てこないかもしれませんが、半透明のゴム印と思っていただければ近いものがあります。

下記にあるように多種の大きさ、書体、作風をご提供できます。お値段も手頃で一辺が16ミリの正方形なら、2200円で作成できます。先日、お一人のお客様で12本、この落款印をご注文の方がいらっしゃいました。書道塾の生徒さんが作品に捺すものとのことでした。

落款印の落款の語源は落成款識(らくせいかんし)です。何かの作品が落成(完成する)した時に捺すわけです。まさに書道や絵画の作品に捺すのは、正道(せいどう)の使い方です。でもあまり堅く考えずに、葉書や便箋の文末にさり気なく正方形の小さな印を捺す、こんなお洒落を楽しむ、という感覚でいいと思います。


▲上記の番号で005、006は竹印の形を真似たものです。005は白文(文字が白抜き)の作風になります。「サイズ見本」の大きな枠内で
右上、「竹翠」と右から左に彫ってある印です。白文は落款印の場合のみで、実印や銀行印には使わない作風です。


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You Tubeに印鑑彫刻の動画をアップ

2010年09月01日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
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こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

早いもので今日から9月です。私たちの仕事ではこれからの4ヶ月間が普段よりも忙しい時期になります。喪中はがきの印刷や年賀状はがきの印刷、年賀状にも押せる住所のゴム印などの注文があるからです。昨日は早々に名刺やはがきの紙屋さんが、喪中はがき印刷受注用の店頭用ポスターを持ってきました。

You Tubeに私の印鑑彫刻の動画をアップしました。次女が大学で写真研究会に入っていて(まだ1年生ですが)、店に来てもらって、私の印鑑彫刻を後ろからデジカメで撮ってもらいました。印鑑を作る時は、字入れ⇒荒彫り⇒仕上げ という工程がありますが、今回のYou Tubeは荒彫りの作業を撮影したものです。




印鑑彫刻 楽善堂


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印鑑の文字、篆書のひらがな

2010年07月02日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

昨日、7月1日と今日の2日は天気はなんとか持ちそうです。外へ出歩くにしても雨が降っていると何かと不自由なものです。

前回のブログで「ゝ」の記号について書きました。今回はひらがなの篆書(てんしょ)について私見を書いてみます。普段仕事で使う『篆刻字林』にひらがなやカタカナ、さらに国字と言われる「辻」や「峠」といった文字は出ていません。国字の場合は、部首ごとにうまく組み合わせれば、漢字と同じような篆書が出来上がります。

ひらがなは、飽くまで“篆書風な、ひらがな”という作風にして同じ印に存在ずる漢字とバランスを取るしかありません。基本的に篆書の線質は水平、垂直です。横画は楷書のように右肩上がりにならずに、水平です。詳しく言うと、小篆調の線ならやや上反りの線で、大きな橋を横から見たような線質です。下に例で出した一番左の「あ」の第一画の横画も、水平の線質になっています。第二画の縦画は、MS明朝の「あ」(一番右)のようにすぐに右に曲がることなく、かなり下まで垂直の線質で来てそれから右に折れています。

起筆の表現を見ても、右の二つは露峰(ろほう)ですが、左端の篆書は蔵峰(ぞうほう)のため、筆の穂先が露(あらわ)に出ていません。

人の顔と同じように、文字にはそれぞれに表情があり面白いものです。印を作る職人として“美人の顔、美形の印”を作りたいと思っています。


▲書体は、右からMS明朝、HGP教科書体(楷書の一種)、篆書です。
篆書は、『常用漢字印章字林』巻末から抜粋しました。



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くりかえし符号 2 「ゝ」

2010年06月30日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

早いもので、今日、6月30日で今年も前半が終わり、後半の1年に動いていきます。
28日の月曜日から雨模様で朝の運動は、ジョギングでなく傘をさしての散歩です。

前回のブログで「々」の文字について書きました。「々」は漢字専用の繰返しの記号ですが、他に、ひらがなを繰り返す場合の「ゝ」とカタカナを繰り返す場合の「ヽ」があります。2つの記号とも、『JIS漢字字典』財団法人 日本規格協会刊行によれば「仮名または漢字に準ずるもの」の分類の中で「繰返し記号」と出ています。

例として、夏目漱石の小説の「こころ」が「こゝろ」と表記されたり、日常の文章で「そのまま」を「そのまゝ」と書いたりします。個人のお名前で印鑑の注文としていただいた場合、かなり前に「すゞ子」さんという仕事がありました。「すず子」さんの2文字目の「ず」が「ゞ」になっています。この字(記号)も篆書の辞書にはなく、「篆書の作風的な」字にするしかありません。今回は、ブログ用に下記のような印を作ってみました。

手書きで文字を書いていく場合には、「々」も「ゝ」も同じ文字を書く面倒さを減らすので、便利な記号ですが、ひとたび、キーボード入力ということになると、IMEパッドの手書き入力で文字を捜すので、返って手間がかかってしまうという、おかしなことになります。


▲篆書(てんしょ)の印、「すゞ子」さん、です。


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くりかえし符号 1

2010年06月25日 | 印鑑の文字
印鑑 八王子 楽善堂
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────

こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

このところ、朝の五時過ぎくらいに目が覚めることが多く今日も5:10過ぎに起きてリビングに行きました。中三の息子も試験勉強をするつもりらしく起きてきました。なぜかテレビのスイッチをオン、まだワールドカップサッカーの対デンマーク戦を中継していました。最後の10分くらいを見ていたら3点目のシュートを見ることができました。

「々」の文字について少し書いてみます。これは正式には文字ではなく「記号」です。『JIS漢字字典』財団法人 日本規格協会刊行によれば「仮名または漢字に準ずるもの」の分類の中で「繰返し記号」と出ています。今月の上旬に読売新聞のコラム「なぜなぜ日本語」にも「々」が取り上げられて「々」は「くりかえし符号、重ね字、踊り字(おどりじ)などと呼んで下さい」と説明されていました。「々」そのものには音読み、訓読みはありません。

印を作る職人として、「々」の記号を篆書でどう表現するか、これは書体によって違ってきます。一番多く使われている苗字は「佐々木」さんです。2番目にくるものは「々」ですね。
篆書(てんしょ)だと、繰返しの符号は漢数字の「二」の線の間が短くなったものを使います。
これで上にある文字と同じという意味になります。その他の書体の場合なら「々」をその書体に近い作風に書いていきます。「々」は『篆刻字林』に出ていません。前出の『JIS漢字字典』にあるので、おそらく日本で作られた字だと思われます。

篆書は文字を縦長に入れることで文字に躍動感が出せるので、佐々木さんの場合、「々」が短いぶんだけ「佐」と「木」が伸びやかに入れられるということになります。


▲これで「佐々木」さんです。
篆書の「々」は間の狭い横線二本です。


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