八王子 印鑑 楽善堂
創業1899年:明治32年。東京:八王子 文字工房楽善堂では良いものを長く、一生お使いいただくのにピッタリの感触をご確認いただきたく、実際に印鑑材料をさわってみて、指との相性を見ていただく事をおすすめしております。
──── 八王子で印鑑を作り続けて110年 ────
こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
先日、印材(印鑑の材料)から特注で作成するご注文がありました。通常は印材は在庫で多くの種類を持っていて、お客様のお好みで選んでいただいてから彫刻します。在庫にない場合は、既製の印材なら問屋から取り寄せますが、はじめから価格表にない規格の印材は一点物で作成します。
今回の仕事はまさにその“一点もの”で、つげ材、直径12ミリで、キャップ付き中央部が細くくびれている形状の印材でした。業界では「天丸(てんまる)の鞘(さや)付き」と言いますが、通常は会社の実印、銀行印などに多く使われます。直径は15ミリ、16.5ミリ、18ミリなら既製でありますが、12ミリ直径はありません。ご注文のお客様は仕事場で「天丸印材」を使って知っていて、この形状の印材をご自分の銀行印にしたいと思われたようです。
このお客様に業界用語を説明した後に、たまたま問屋が来たので、「12ミリ丸で天丸さや付きは作れますか?」と聞いたら、横で聞いていたお客様は笑い出してしまいました。ご自分が作りたい印材をすぐに私が問屋に聞いたからでしょうか。印材発注後、3日で一点もの印材はできて来ました。ご自分の希望の印材が仕上がり、お客様は大喜びでした。
▲右端からつげ天丸さや付の印材で
直径18ミリ、15ミリ、12ミリ、左端は
シャチハタ、ネーム9です。
さや(キャップ)の長さは3本とも
同じですが、12ミリだと随分
丈が長く見えます。
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