200年住宅の背景として、わが国は経済的に世界最高のレベルにあるものの、急速に進む少子高齢化、今後の低成長経済、切迫度を強めている地球環境保全の流れの中では、つくっては壊す「フロー型」の経済構造から、良いものをつくり、良く手入れをしてより長く使う「フロー型」への転換が求められていることがあります。しかし、現実にはわが国の「滅失住宅の平均築後年数」は約30年程度であり、アメリカの約55年、イギリスの約77年に比べ極めて短期で建て替えられています。その結果、大量の産業廃棄物・二酸化炭素を発生させるばかりでなく、経済的なゆとりを欠く一つの要因ともなっています。土地神話崩壊後の成熟社会にふさわしい、豊かな住生活実現のために求められているのが、超長期にわたり循環使用できる質の高い住宅ということができます。
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