goo blog サービス終了のお知らせ 

ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談、研究しています

喜多由布子『知床の少女』2007・講談社-北のじーじとばーばの知恵に学ぶ

2025年04月19日 | 北海道を読む

 2020年4月のブログです

     *

 喜多由布子さんの小説『知床の少女』(2007・講談社)をしばらくぶりに読みました。

 いい小説です。

 涙もろいじーじは、終わりのほうは、涙じわーんで読んでしまいました。

 高校受験に失敗をして、浪人中の女の子が主人公。

 家庭不和もあって、精神的に余裕がなくなっています。

 そんな女の子に、札幌に住むじーじが遊びに来ることをすすめます(いいじーじですね)。

 そして、じーじのはからいで知床で水産工場を営む、さくらばあ、というばーばのところに。

 そこで、働く人たちとの生活の中で、女の子は本当にだいじなことはなにかを学んでいきます。

 飾りはないけど、質素で純朴な人たち。

 厳しいけれど、こころ温かい人々とのやりとりの中で、女の子は都会では見失われている大切なものに気づいていきます。

 梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』の北海道版みたいな素敵な小説です。

 明るいだけでなく、哀しみもあるところが北海道らしいのかもしれません。

 喜多さんの文章はシンプルだけど、力強く、そして、美しい日本語で読みやすく、あっという間に読んでしまいました。

 いい小説が読めて、今、しあわせな瞬間を味わっています。

 明日からまた頑張ろうという勇気をもらえたような気がします。          (2020.4 記)


コメント    この記事についてブログを書く
« 山秋真『ためされた地方自治... | トップ | キタキツネくんを眺めながら... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

北海道を読む」カテゴリの最新記事