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Apple、3年ぶり新型iPad miniを23日発売 AI対応

2024-10-16 09:23:40 | AI・IT・サイバーセキュリティ・メタバース・NFT・ゲーム、


アップルは生成AIサービスに対応したiPad miniを23日に発売する(アップル提供)

 

 

【シリコンバレー=中藤玲】

アップルは15日、タブレット端末「iPad mini」の次期モデルを23日に発売すると発表した。

自社の生成AI(人工知能)サービス「アップルインテリジェンス」に対応する。iPad miniの新発売は約3年ぶりで、日本の価格は7万8800円からに設定した。

 

画面サイズは現行モデルと同じ8.3インチとした。最低容量は128ギガバイト(GB、ギガは10億)で従来の2倍だが、米国での発売価格は499ドルで据え置いた。

日本の価格は現行モデルを5月に7万8800円から8万4800円に引き上げていたが、新モデルは値上げ前の水準に戻した。15日から予約を受け付けている。

 

2023年に発売した「iPhone15」の上位機種、15 Proと15 Pro Maxで使っている半導体「A17Pro」を新たに搭載した。

回路線幅が3ナノ(ナノは10億分の1)メートルで、電池の持ちが長くデータの処理速度が速い。

 

 

 

A17Proを搭載したことで、6月に発表したアップルインテリジェンスに対応する。

端末の言語を英語(米国)に設定した場合は、10月内にも基本ソフト「iPadOS」を18.1にアップデートすることで使えるようになる。

 

例えば作文ツールでは、iPadで書いたメールなどの文章をAIが校正や要約する。

写真アプリでは背景にある不要な対象物を特定して削除できる。このほか専用の入力ペン「アップルペンシル」で描いたラフなスケッチを、本格的な画像に作り替えるなどの機能が予定されている。

 

アップルは5月に最上位機種「iPad Pro」の新製品を発売し、24年4〜6月期のiPadの売上高は、前年同期比24%増の71億6200万ドル(約1兆700億円)と伸びた。

全体売上高の8%を占める。画面が小さく一定のファンを持つiPad miniもアップルインテリジェンスを使えるようにして、需要増を狙う。

 

9月に発売した「iPhone16」シリーズも全面的にアップルインテリジェンスに対応し、生成AIを軸とした製品展開を進めている。

一方で英語以外の主な言語対応は25年になるなど、地域や機能によって提供を開始する時期にはばらつきがある。

 

 

 
 
 
 
 
日経記事2024.10.16より引用
 
 
 

エリザベス・ベントリー:赤いスパイクイーンー2  米共産党のオルグ

2024-10-16 07:54:22 | 世界史を変えた女スパイたち

エリザベス・ベントリー(1908~1963)

 

 

エリザベス・ベントリー:赤いスパイクイーンー1  生い立ち
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/55a73d48c35a5244541b8bbb66719cb7

からの続き

 

 

 

米共産党のオルグ

反戦反ファシズム米国連盟は共産党傘下であったが、左翼臭は意図的に薄められ、進歩派思想団体として幅広い層からの指示を狙った。

ベントリーの参加したコロンビア大学支部は学生の参加は少なく、左翼教授や卒業生がメンバーの中心であった。

 

「私は、この組織への参加を決めた。 この時から生きる情熱が再び沸いたように思う。 萎えた意志も絶望感も嘘のように消えた。 反ファシズム運動に参加することで、これまで抱えていた悩みがたちまち消えた」(ベントリー)

 

ベントリーのオルグ(勧誘活動)を担当したリーは、相当なやり手だったようだ。 ベントリーは進歩主義組織への加入で精神の高揚を感じ、薄汚い組織本部での事務作業に精を出した。 

仕事に慣れてきたベントリーに、リーは反戦反ファシズム米国連盟は米共産党を頂点とする共産主義組織であること、米共産党はコミンテルンの指導を受けていることなどを明かした。

ベントリーはここでようやく連盟がリベラルのお化粧をした極左組織であることを知った。

 

リーは、ベントリーに共産党入党を勧めた。 リー自身も共産党員であり、連盟コロンビア大学の支部の仲間も党員であると教えた。

 

「皆他者の幸せと社会の幸福(進歩)を願って活動している。 あなたも党員になりなさい」

 

と迫るリーであったが、ベントリーは躊躇した。彼女は共産主義思想を学んだことがなかった。 ハート(こころ)は仲間と共にあったが、頭がついていかないのである。 そんな彼女を見たリーは、突然ベントリーに冷たくなった。

それがベントリーには辛かった。 せっかくできた仲間から離れたくなかった。 彼女は入党を決断した。

「社会主義のために立ち上がれない弱虫」と非難していたリーが嘘のように優しい女に戻った。

 

入党後、しばらくして職がみつかった。 ニューヨーク市家庭緊急支援局に採用されたのである。 彼女の所属組織も支援局支部に替わった。 共産党員として徹底した教育を受けたのはこの支部であった。

共産党は自らの頭で考える党員を嫌った。 「党員は一人では何もできない小さな存在。 だからこそ党の指示に徹底して従え」。  これが指導方針であった。
支援局支部の緊急の活動目標は、支援局労働組合の結成であった。 ベントリーは、オルグのためビラ印刷を任され、謄写版(ガリ版印刷)の前で汗を流した。

 

党員仲間の信頼を得た彼女は、党加入申請者二人のインタビューを任されたことがあった。 その一人は日本でのキリスト教伝道から帰ったばかりの若者であった。彼は既成キリスト教会への不満を語った。 協会は貧者救済の理想を捨て、富める者の玩具になったと嘆いてみせた。


「共産主義について調べましたが、これこそ新しいキリスト教です。 本来の宗教(the Christianity of the furure)です。 だからこそ共産党に入党して人々のために尽くしたいのです。 命を落とすかも知れませんが、それはそれで構いません。 信念のために生きたいと言う僕の気持ちを、あなたが否定することはないと思っています」  

彼女は彼の入党を推薦した。 ハーバート・フーバー大統領はその著書『裏切られた自由』の冒頭で、連邦政府に潜入したおびただしい数の隠れ共産主義者をリストアップした。 そのうえで、「共産主義は悪しき宗教である」と喝破した。

 

入党後しばらくして、彼女はコロンビア大学教職課程に戻った。連盟の活動は大学支部に再加入して継続した。 1937年春、ベントリーはジョゼフ・エクハルト(Joseph Eckhart )なる人物から電話を受けた。 一度だけ大学支部の幹部からビジネスマンとして紹介されたことがあった男だった。 彼は彼女を食事に誘った。

 

ニューヨーク市内の『ロンシャン』(注:当時マンハッタンにあったレストランチェーン)でエクハルトは重大な秘密を明かした。  「コミンテルンのメンバーであり、ビジネスマンは表向きの顔である。 実際は航空機用部品の買い付けが任務で、購入した部品は内戦下にあるスペイン共和国軍にメキシコ経由で送っている」。  

連盟支部を通じてベントリーの身辺を十分に調査し、彼女には秘密を明かしても大丈夫であると自信があったに違いない。

 

1938年に入ると、共産党員の幹部クラスに大きな変化があった。 ソビエトやヨーロッパ諸国からやってきた党員(工作員)が、本国への帰国命令があるのを極端に怯えるようになった。 この時期にソビエトではスターリンによる粛清が大規模に始まっていたのである。

スターリンは、とりわけ西洋諸国で外交活動やスパイ工作に当たっているものを警戒した。 任期終了を理由に呼び戻されると行方不明になったり,公開裁判にかけられて処刑されるものが増えた。

 

エクハルトも呼び戻された。 彼はそこから二度ばかりベントリーに絵葉書を送って来た。 スペイン共和国軍支援工作の仕事を続けていたようだったが、しばらくして消息が途絶えた。

 

 

 

エリザベス・ベントリー:赤いスパイクイーンー3 工作員の愛人にhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/870500333779a38b8413afe412175729

に続く

 

 


EV半導体、新素材で量産へ 住友化学など大型GaN基板

2024-10-16 05:24:45 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業

日本企業が新素材を使った電気自動車(EV)用半導体の量産に乗り出している。

電力制御に使われるパワー半導体で窒化ガリウム(GaN)を素材に使うと、EVの走行距離が長くなる。EV向けにGaN半導体が採用されるよう、住友化学などは半導体基板(ウエハー)の大型化・低コスト化にアクセルを踏んでいる。

 

 

パワー半導体のなかで、従来のシリコン製と比べ電力の損失が少なく電気の利用効率が高いものが次世代品とされる。

GaNのほか、炭化ケイ素(SiC)などが使われる。GaNとSiCはEV向けで競合する。車載充電器やインバーターで利用が見込まれ、大電流・高電圧への対応が求められる。

 

GaNは電力損失が少ない。EVの充電時間はシリコン製が90分だとするとSiCは20分、GaNは将来5分でできる試算もある。

だがEV向けでは現在、コストの低さなどからSiCは採用事例があり先行する。

 

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「EV向けを取れるかどうかが、GaNが普及するポイントとなる」(三菱ケミカルの藤戸健史GaN事業開発部長)。そのためには、大口径の基板を開発することが必要だ。

 

GaN半導体は、基板の上でGaNの結晶を成長させて造る。基板サイズが大きくなれば基板1枚からたくさんの半導体を造ることができ、生産コストを下げられる。

大型のGaN基板開発に、日本企業は取り組んでいる。住友化学は直径50ミリメートル、100ミリメートルの量産体制を整えた。

 

車向けで最低でも必要とされる大きさ150ミリメートルのサンプル評価を年内にも始め、28年度中の量産を目指す。

住友化学は結晶を速く、分厚く成長させる技術を保有している。レーザーダイオード向けなどで培った量産技術を強みにして「パワー半導体向けで150ミリ、200ミリ基板の開発に注力している」(先端無機製品事業部サイオクス特命の斉藤俊也氏)。

 


三菱ケミカル、製造コストを10分の1に

三菱ケミカルグループは100ミリ基板のサンプル評価を始めた。25年中に150ミリも始める予定だ。大型の設備で一度に大量に造ることで生産性を高める。

製造コストは従来手法と比べて最大10分の1程度に削減できると見込む。パワー半導体向けで30年度に100億円程度の売上高を目指している。

 

GaN半導体は電流の流れる方向から大きく2種類に分かれる。現在実用化が進むのは、シリコン基板などの上にGaNの結晶を形成して電気が横に流れる「横型」だ。

だがこの構造は、EVで求められる大電流・高電圧対応が難しいとされる。

 

基板の素材もGaNにして、その上にGaNを積んで垂直に電気が流れる「縦型」もある。

縦型は高電圧に対応できるが、基板の大型化が難しいとされ、高コストも課題となっている。

 

日本企業は縦型の半導体向けで開発を先行させ、主導権を握ろうとしている。豊田合成は種結晶から基板、デバイスまで一貫した開発を進める。

GaN結晶を成長させるために、その基となる種結晶を使う。同社は愛知県の拠点に育成炉を増設し、25年3月までに種結晶の生産能力を現在の最大10倍に高める。

 

 

三菱ケミGなどと種結晶から基板に至るまでの量産で連携する。

豊田合成でGaN事業を担う守山実希氏は「素材開発で課題が見つかってもデバイス側で補うなど、一貫体制により開発効率を高められる」と話す。

 

独自の手法で基板の大型化に取り組むのは信越化学工業だ。GaNではなく窒化アルミニウムなどを使った基板を手掛け、その上にGaN結晶を作る。

9月までに300ミリの開発に成功した。横型を想定しているが、縦型向けに200ミリの基板の製造技術も開発中だ。

 

GaN半導体の普及には基板の大口径化と同時に、研磨など基板加工の技術も重要になる。

GaNは硬い素材のため、研磨にはSiCより3〜4倍の時間がかかるとされる。プロセス全体でコスト低減が求められる。

 

 

 

GaNデバイス、世界3400億円市場に

GaNの物質特性が価格の高さを補うとの見方がある。

同じ特性の半導体を造ろうとしたとき、「GaNはSiCの3分の1程度の面積で造れるため、基板レベルで3倍の価格差があってもいいという顧客の声もある」(藤戸氏)。少ない面積で性能を発揮できる強みを訴求していく考えだ。

 

GaNは青色発光ダイオード(LED)などに使われてきた。その後、パワー半導体では横型を中心にスマホ用充電器などに搭載されている。

英調査会社オムディアによるとGaNデバイス市場は30年に世界で23億ドル(約3400億円)超と、23年比で11倍以上に伸びる見通しだ。

 

日本以外の競合も開発を進めており、GaN基板でも中国メーカーが台頭してきている。新興メーカーを大手が買収する動きも加速している。

企業連携も世界で進み、信越化学工業はOKIと協業している。

 

日本勢が世界で存在感を高めるには、量が期待できるEV向けを開拓できるかにかかっている。

EV向けパワー半導体の中でGaNが選ばれ、日本勢が基板やデバイス面で主導権を握る。そのためには、大口径化や高品質さで世界で先行を続けて、自動車や電池メーカーにいかにはやく提案できるかが求められる。

(岡田江美、藤生貴子、向野崚)

 

 

 
 
 
 
 

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日経記事024.10.16より引用