心房細動の可能性を検出できる上腕式血圧計
オムロンヘルスケアは28日、不整脈の一種である心房細動の発症の可能性について、血圧計で調べる技術を開発したと発表した。
人工知能(AI)技術を活用し、血管の内側に不規則な圧力がかかる心房細動の症状を血圧測定時に検知する。これまでは心電図検査が必要だった。家庭用血圧計で心不全や脳梗塞などの発症リスクを確認できるようになる。
この技術を搭載した血圧計は中国と欧州ですでに販売している。10月には米国当局からも安全性と有効性についての認可を得た。日本でも2025年度中に厚生労働省から認可を取得し、26年以降に販売する計画だ。
同社が50年間にわたって蓄積してきた血圧計の測定データをAIで解析し、心房細動の症状の特徴を識別できるようになった。これまでは血管の内側に不規則に圧力がかかるパターンが無数にあり、発症の可能性を識別することが難しかった。
心房細動は高血圧の人の発症リスクが高く、心不全や脳梗塞を引き起こす原因にもなる。ただ自覚症状がないこともあり早期発見が難しかったという。家庭の血圧計で常時、変調の兆しを確認できるようになる。