ロームはAIサーバー向け電源にGaNを使ったパワー半導体の供給を始めた
ロームは次世代素材の窒化ガリウム(GaN)製パワー半導体で、データセンター向けに供給を始める。
第1弾として村田製作所グループが手掛ける人工知能(AI)サーバー向け電源として採用が決まった。生成AIの普及でAIサーバー需要は膨らんでおり、電力損失が少ないGaNの利点を生かして販路を広げる。
出力5.5キロワットのAIサーバー向け電源ユニットに搭載される。GaNを使ったパワー半導体はこれまでスマートフォンの充電器などで使われてきたが、出力を高めて用途を広げる。AIサーバー向けの生産は台湾積体電路製造(TSMC)に委託する。
GaN製パワー半導体は窒素とガリウムの化合物が材料で、周波数を高めることで電気を細かく制御でき、従来のシリコン製と比べて電力ロスを6割減らせるのが特長だ。
パワー半導体の一種である炭化ケイ素(SiC)は高電圧や大電力が求められる電車や電気自動車(EV)、GaNは高頻度で電流のオンオフが求められるデータセンターや通信基地局で強みを発揮しやすい。