TDKが開発したEVの無線給電向けの積層セラミックコンデンサー
TDKは電気自動車(EV)のワイヤレス給電向け積層セラミックコンデンサー(MLCC)を開発した。
電流の制御に使われ、従来の約1.2倍となる1250ボルトの高電圧にも耐えられるようにした。EVの充電時間の短縮につなげられるとみており、12月から本荘工場西サイト(秋田県由利本荘市)で量産を始める。
ワイヤレス給電向けにMLCCは1台あたりで数百個の搭載を見込む。他にも産業用ロボットなどの需要も見込み、月産100万個を製造する。
ワイヤレス給電は地上に設置した送電設備からEV側の受電設備にケーブルを使うことなく電力を送ることができる。
今回開発したMLCCは電気をためたり、放出したりする際に回路内の電圧を一定に保つ。送電と受電のそれぞれの設備に組み込まれる。
温度の変化によって送受信の性能が変化するが、今回の製品はセ氏マイナス55度から125度まで安定して稼働することを確認した。
EVの普及には充電器網の整備が課題となっている。ワイヤレス給電はケーブルなどが不要で設置スペースを省略できる。
ワイヤレス給電の普及を目指す協議会が6月に設立された。関西電力やダイヘンを中心にホンダやマツダなどの自動車大手が参加する。TDKは今後導入が進むとみて、関連部品の量産に踏み切った。
日経記事2024.10.22より引用