前回ご紹介した「お腰掛」は、大型で木製の鳥居を模したものでしたが実は、石製の小振りのお腰掛も存在しています。
【穂坂自然公園入口脇にあるお腰掛】穂坂町宮久保
実は、ここのお腰掛は、神社の境内の中ではありません。
昇仙峡グリーンライン穂坂自然公園入口の看板脇の藪の中にあります。路肩に車を置き近づいてみます。
ここのお腰掛は、石をブロック状に加工して井桁に組んでいます。
実測し忘れてしまいましたが、一辺が80㎝四方 高さが50㎝ほどと記憶しています。
中央には石棒が置かれています。
こちらのブログ記事によれば、やはり「山の神」を祀っている様です。ちぎれた紙垂が残っているので、今でも大切にされているものと思われます。
冒頭にも書きましたがにここは、神社の境内ではありません。
ただ、この場所からほど近い場所に“倭文(しずり)神社(降宮明神)”と、言う古社があります。(後日改めて紹介予定)直線距離で200mも離れていないのでかつてここが境内であった事は十分予想できます。
【本宮倭文神社のお腰掛】穂坂町柳平
先ほどの倭文神社から昇仙峡グリーンラインを北東に1.5㌔ほど行った場所に、倭文神社の本宮があります。
本宮倭文神社本殿の真横 藪の中にお腰掛があります。
こちらは、正確に言うと井桁状には組まれていません。
土台となる石柱に横石が載せてあるだけです。ですが、設置してある場所からお腰掛で間違えないものと思われます。大きさは、先ほどの穂坂自然公園入口にあったものとほぼ同サイズと記憶しています。状況から推測するに現在は、ここでは祭祀を行っていない様です。
本殿の横にあるお腰掛のある場所へは、垣根を超えないと直接行けないので、たぶん別に参拝路があると思い辺りをつけたところ何となくそれらしき登坂路がありました。(この直上にお腰掛があります。)
【大六天社のお腰掛跡】穂坂町三之蔵
次にご紹介するのは、かつてあったとされるお腰掛跡です。
大六天社の木製明神鳥居 朽ち加減が何とも言えない鳥居です。
やはり拝殿の裏手から連なる丘の上に、広場があり四ヶ所礎石だけが残されています。
かつて、ここにお腰掛があった事を物語る礎石と奉納鉄剣
ここの祭祀は、面足尊・惶根尊ですが、そもそもこの両神は、氏神というよりも産土神として地霊を鎮めこの土地の守り神 の意味合いが大きい事からお腰掛の信仰と相通じる部分がありなかなか興味深いです。
さて、前回と今回ご紹介したお腰掛のある神社は、山梨県韮崎市穂坂町と言う特定の地域だけでした。
しかし、実はお隣の北杜市明野町、甲斐市にも同様のお腰掛がある事を後日知りました。
part3は、他地域に見られるお腰掛の紹介をする予定です。
【マップ】
穂坂自然公園入口にあるお腰掛
本宮倭文神社
大六天社
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