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【祭礼】“御饌催促の儀”と“坪之宮奉幣”(府中大國魂神社 くらやみ祭り)

2017-05-06 | 神社・仏閣
府中大國魂神社で毎年開催されているくらやみ祭りに於いて、その中の重要な神事として執り行われている“御饌催促の儀”と“坪之宮奉幣”に初めて立ち会わせて頂きました。
【御饌催促の儀】
「細谷御膳御支度(ほそやごぜんごしたく)」と、所管の浦野氏が唱えると(トップ写真)

「御膳出来申(ごぜんできもうす)」と、膳部細谷氏がそれに答えます。
※膳部(ぜんぶ・かしわでべ)古代において朝廷の食膳(しょくぜん)を調えることを職とした専門集団の称。膳夫(かしわで)とも。

昔は、この督促の儀礼を七十五度繰り返して行われていたそうですが、現在は30分間で唱えられるだけ繰り返すように略式となっています。
大國魂神社の説明には「細谷・浦野両氏により神前に供え、神饌の調理催促する儀式」と、あるだけで両氏が大國魂神社とどの様な繋がりがあるのかは今後の研究課題です。普通に考えれば国衙があった府中ですから両氏とも役人で御膳を司る料理人を任されていた人物だったことは十分予想出来ます。
また自分が興味深いのは、七十五と言う数字です。
長野の諏訪大社前宮で執り行われる御頭祭では供える鹿・猪の数はかつて75頭だったそうですし、守矢神長家には一子相伝として「年内神事七十五度の秘法」と、言うものがかつてあったそうです。
また、岡山の吉備津神社には、やはり七十五膳据神事という献饌(けんせん)行事があります。
それぞれ七十五に纏わる共通点があり、それぞれ尤もらしい諸説はあるようですが真実は今でも判らずじまいのようです。

【坪之宮奉幣】
こちらは、府中本町駅より5~6分ほど行った場所にある大國魂神社の境外末社“坪の宮”で、やはりくらやみ祭の神輿渡御の日夜8時半頃に密かに執り行われている神事です。
ここで執り行われているは国造代奉弊式で、武蔵国初代国造である兄多気比命(えたもひのみこと)の御霊を祀り以来代々の国造が奉仕している伝統のある神事でもあります。


神事が始まる前のひっそりとした境内

8時半過ぎ 宮司が神馬に騎乗し御一行の到着です。

おごそかに神事は始まりました。祝詞をあげ奉幣と書かれたおかもちから取り出した奉幣を奉納し10分ほどで終了です。
再び宮司は、神馬に騎乗しお旅所に戻ります。

【マップ】

【青葉の仮屋】

六基の神輿が収まったお旅所でチラ見してしまいました。文献などでその名は知ってはいましたが通常は白黒の幕に囲われているため中を見ることは出来ません。
(※こちらのページに製作中の青葉の仮屋が思いっきり掲載されていました^^;)
春日大社の若宮では、若宮御旅所棟縄祭に於いて松で覆った御仮屋(ちなみに松はこの大国魂神社では忌み嫌われており府中市では松飾りをしません)を建てるのですがこの辺りも興味深い共通点ですが、いずれしっくり言及するつもりです。(宿題ばっかりですね^^;)

5/8  浦野、細谷両氏が逆とのご指摘があったので一部本文修正しました。

関連記事:【祭礼】くらやみ祭 野口仮屋の儀~流鏑馬神事@府中市 大國魂神社


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Re:Unknown (ruribo0209)
2017-05-09 00:46:35
地元民さま

ご指摘ありがとうございます。
早速本文修正させて頂きました。

大国魂神社は、調べると調べるだけ謎が多いとても興味深い一社です。
前回投稿させて頂いた汁守神社と飯守神社との関連など興味はつきません。
また色々とご指導下さい。
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Unknown (地元民)
2017-05-08 23:02:49
最初の写真が浦野氏、座っているのが細谷氏です。
なお、御仮屋の屋根は、本来、萱です。現在は、ケヤキで代用しております。
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