今回は、甲斐市竜王に鎮座“三社神社”とその石鳥居の紹介です。
三社神社は、釜無川沿いに続く景勝地“信玄堤”の近くに鎮座しています。.
信玄堤(写真クリックで拡大)
三社神社石鳥居(甲斐市指定有形文化財)
全体的にどっしりとして、太い柱と肉厚な台輪を併せ持つ明神台輪鳥居です。
比較的薄めの島木に乗る笠木の反りの角度と、貫の長さと柱の転びもちょうど均整が取れた素晴らしい鳥居です。
額束の裏に、承応元年(1652)と刻字されていますがこれは補修した年代であって、建立はそれ以前の桃山時代のものと推測されています。
貫が他と比べ比較的新しいのでここを承応元年に、補修されたのでしょうか?
台石に柱がどのように乗せられているのか気になるところです。
桃山時代よりこの地にずっと建ち続けているのです。
三社神社拝殿 七つの千木が見えますが屋根と並行した笠木のようなものを跨ぐように付いており珍しい造りです。
本殿 銅板葺の三間社流造です。それぞれ三社を祀っています。
祭祀:木花開耶姫命、大物主命、大国主命
由緒:第五十三代淳和天皇天長二年秋(平安朝初期)国内未曾有の大水禍を蒙り狭野一朝にして荒蕪地と化し、人畜の死傷算なく、又悪疫流行す。時の国司文屋秋津朝廷に其の惨状を奏上、勅旨に依り天地神明に誓ひ水災防止のため、国内代表社として、浅間神社、美和神社、玉諸神社の神官に命じ神璽を行幸して水防祈願を此の地に於て行ひ、以来年中行事として水防祭を執行す。依って里人相計りて三社神社の御祭神を勧請せしめ創立す。四月十五日の一宮浅間神社三社神社間三十キロの大御幸祭は県下一の大祭なり。(山梨神社庁より)
ここでは、毎年4月15日に「おみゆきさん」と呼ばれる神輿の担ぎ手が紅、おしろいに長じゅばん、花笠、たすきがけ、白い足袋という女性の格好で神輿を担ぐ興味深い大祭が催されています。
由緒にもあるように、元々は度重なる水害により一ノ宮 浅間神社(笛吹市)、二ノ宮 美和神社(笛吹市)、三ノ宮 玉諸神社(甲府市)へ、朝廷が水防祈願祭を行わせたのが始まりだと言われています。
近年になって大御幸祭を復活し三神社による堤での神輿渡御、竜王地内での竜王神輿の渡御、三社神社においての神事、堤における川除祭が行われているそうです。(参考:富士の国やまなし「おみゆきさん」)
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