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【鳥居考察】八幡鳥居(前期型)と春日鳥居

2017-04-26 | 鳥居見聞録
前述で、世田谷八幡宮の八幡鳥居が果たして(前期型)であるかどうかを直接訪れて検証をした結果は…。
写真の様に紛れもなく”八幡鳥居(前期型)”である事が判明した。
今一度八幡鳥居(前期型)の定義としてしいて上げるならば…。

(1)笠木、島木ともに水平であること。
(2)額束、楔があること。
(3)笠木、島木の襷墨が斜めに切り落とされていること。
※写真だけだと扁額で額束が見えないのだがこちらの写真にあきらかに額束がある事が確認できた。

以上から世田谷八幡宮の一の鳥居は、取り敢えず八幡鳥居の前期型を忠実に再現している貴重な一基と言える。

また、定義に忠実な様式を持つ春日鳥居は目黒区三田に鎮座する春日神社に一基ある事を以前書いた記事中(参考リンク参照)で紹介したが、新たに京都の西京区桂春日町で発見した。
春日神社@京都府京都市西京区桂春日町 (写真はGoogle Mapsより転載)
【マップ】


【考察】
直線的なパーツで構成されている神明鳥居と曲線(反り増し)を持つ明神鳥居。
黒木鳥居が鳥居の基本形であるならば、その系譜から明神鳥居が派生したと考え、その橋渡し的な役目を担うのが八幡鳥居(前期型)と春日鳥居であると、鳥居研究の第一人者 根岸博士は推測した。
だが、全国を探せど実例が見つからず次第に彼は、本当に実在していたのか懐疑的になる。
結局彼の出した答えは、現在模索中で決定的な結論が出て来ない限り今のところ保留とする。と、お茶を濁す始末
しかし何としてでも鳥居の系譜にこだわる彼は、襷隅が斜めで、笠木に反りが生じているものを“後期八幡型”と区分しその代表的な実例が石清水八幡宮のものと結論付ける。
しかしながら、以前紹介した鳥居研究の最新刊“鳥居”谷田博幸著(2014-2)によれば
(1)八幡・春日鳥居は、あくまでも宮大工の雛形本から、独り歩きしたものであって実在しない。
(2)神明から明神系へと繋ぐ橋渡し的な存在であるというのは根岸の捏造思い込みである。
(3)鳥居は、進化の系譜などはなくスタートから神明・明神であった。
と、一等両断している。

近年少なくとも架空の鳥居であった春日鳥居を雛形本に忠実な姿へと建て直す事例もある事から改めて八幡・春日鳥居として区分したい。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
よくわかりました! (きーやん)
2018-02-10 15:09:02
こんにちは。
鳥居の説明を見ても、八幡鳥居と春日鳥居の違いがよくわかりませんでしたが、写真でここまではっきり見ることができると、非常に良くわかりました。ありがとうございました。私も探して見たいと思います。
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re:よくわかりました! (ruribo)
2018-02-12 11:03:34
きーやんさま

コメントありがとうございます。
神社を訪れた時、何気に見る鳥居ですが注意深く色々なパーツを観察していると、新しい発見があったりします。

是非何か新しい発見をされましたらご連絡下さいね。
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春日鳥居 (きーやん)
2018-04-21 01:15:49
こんばんは(^^)

いつも楽しく記事を拝見しています。
大田区の大森にある春日神社の鳥居が、春日鳥居に非常に近いのかなと思うのですが、如何なんでしょう?昨日まで東京出張してたのに、時間がなくて残念ながら自分で見届けることが出来ませんでした(^^;
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Unknown (きーやん)
2018-04-21 10:47:40
こんにちは(^^)
大森の春日神社の鳥居の件、別の記事で書かれていましたね(^^;失礼しました。

やっぱり春日鳥居に分類されるんですね。
今回は行けませんでしたが、また機会を作って行きたいと思います。
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