高級マッサージ店にあるような施術台。
うつ伏せになった時に、両腕がバンザイ状態でも腕が置いておけるような施術台。
顔の部分に〇は無かったけど。
下半身はへの字に曲がっていて両足が開くようになっています。
イメージ的にはスポーツバイクにまたがるよな体勢で手術に挑みました。
そもそも入院自体初めて、手術も初めて。
何から何までも初めての経験。
全てを一人で手続きしなければならないので分からない事だらけでした。
入院前に高額医療限度額の申請をしておきました。
高額医療限度額申請
これを提出していると、収入にもよりますが、百万の医療費でも数万円で済みます。
こんな事務的な手続きを仕事の合間に調べたり、申請したりしてこの日を向かえました。
入院は手術予定日の前日。
病室に案内され、入院生活のルールを教わりました。
初めての病院食。他の人は術後なので決まった食事ですが、私は明日なので普通食。
美味しくいただきました。
手術前にいろいろやる事があります。
まずは、肛門付近のうぶ毛を剃る事。
専用のバリカンがあるのですね。 看護師さんに剃ってもらいました。
後から自分で触ると、妙にツルツルしていました。
いよいよ手術の当日です。
予定では14時ということですが、9時には手術着に着替えるように言われました。
スパ施設のワンピース版のような物です。
そして、やけにきついソックスがあります。
これは、術後麻酔で足が動かせないのでエコノミー症候群による血栓の予防だそうです。
食事は昨晩から食べて無く、排便も済ませています。
時間が近づいてきました。
初めての手術です、ドキドキと不安が大きくなります。
『はーい沼澤さん、浣腸やりますよ』って言ってきたので、立ち上がり部屋を出ようとすると。
『ここで横になってください』と。
・・・・てっきりどこか処置室に行ってやるものだと思っていました。
ここでやるのね。
慣れたものです。私のパンツを下ろすと何やら肛門に差し込み、液体のようなものを注入して行きました。
終わったとたん。
『はい!トイレに行ってきてください、すぐ出ますから』
いやいや慌てました。ベッドからトイレまでは8Mくらい。もしそこが空いていなかったら、さらに3mくらい離れています。
病んでいる肛門に思いっきり力を込めてトイレに向かいました。
すぐに出ました。。
あとは手術室に入るのを待つだけ。
『はい沼澤さん、オペ室に行きますよ』
『緊張してますね。リラックスしてください』
もう表情で悟られました。 そうは言ってもね。怖いですよやっぱり。
オペ室に入ると冒頭のベッドがあり、うつ伏せになるよう言われました。
麻酔は下半身麻酔です。
背中からまっすぐ針が入ります。かなり深く、ブスって体内からの音が感じられるくらい深く入っていきました。
そうこうしているうちに足の感覚がなくなってきて、手際よく足が広げられ、テープで肛門周りを広くしています。
カチャカチャと金属音が響き、私の肛門を切り刻んでいる音がします。
その音はリズミカルに聞こえ、切ったり縫ったりする一連の作業がスムーズに進んでいるんだと感じました。
ボクらの仕事だってそうだもの、エアコンの配管テープ巻くときもリズミカルにやるときれいに巻ける。
きっと上手にやってくれているんだよね。 まな板の鯉状態のボクはそう信じて先生に一任しました。
手術が終わり病室に運ばれてきました。下半身の感覚が全くない。 正座すると膝よりしたが痺れますね。あれが腰から全体が痺れた感じ、自分の身体じゃない感じなのです。 触っても何も感じない。
ここで大切な事を言い渡されました。
『頭を上にしてはいけない!』という事。
これは下半身麻酔をするときに腰に打つ麻酔が髄液の膜を破るそうで、それが流出するのを防ぐためだそうです。
要するに、身体を水平にしておかなければいけないのです。頭を持ち上げると圧力で髄液が漏れるという事です。
もし漏れると、あとでめまいが数日間起きるそうです。
その日はまっすぐに何もせず寝ました。
でも。。。 オシッコが。。
尿瓶を用意してくれたのですが、その使い方が分からず看護師さんに聞いたら、それならおむつをしましょう!
という事で、下半身が動かないカエルが仰向けになっている状態のボクの足や腰をうまく持ち上げて、おむつを付けてもらいました。
尿の量が多いかも知れないという事で、給水パッドをぐるりと、私の排水口に巻き付け、そしておむつという感じです。
下半身の痺れは3時間くらいでとれてきました。足の指先が動く事にほっとしました。
膝も少し曲げてみました。すると。ズキンっとする痛みが背中を走りました。
そしてやけにお尻の穴が(肛門)が熱い感じがするのです。
ライターの炎であぶられているような熱いような痛さです。
すかさずナースコールを。
看護師さんも分かっているようで、痛み止めの薬を点滴から流してくれて、やがて睡魔も訪れ、私の初めての手術の日は終わりました。
手術までは以上ですが実は術後のケアが痔の手術では大事なのです。
そのことについては次号で書いていきます。