おしゃべりピアノの今日の一言♪

考えたこと感じたことを 気ままに徒然に〜

2つのコンサート♪

2010年03月17日 | Weblog
ようやく春の訪れかと思えば、またまた冬に逆戻りのようなお天気…みなさま、お元気ですか?

日本人でさえ、この異常気象のようなお天気の変化についていけないほどなので、この時期、来日される演奏家の方々は、きっと、大変なことでしょう~


先日と、1日挟んでこの前の日曜日と続けて演奏会に出かけてきましたが、お二人とも、お気の毒なことに、体調を崩されていました………が、2つの演奏会、それぞれに私にとっては、貴重な経験となりました。

まず、昨日の演奏会

アルド・チッコリーニといえば、ヨーロッパではパリ国立音楽院の教授を長年務めていたこともあり、ピアニスト&教育家として名高いのですが、日本では残念ながら、それほど有名というわけではありません。が、評論家、音大教授陣など音楽専門分野を研究されている方であれば、みな巨匠と崇拝するほどの熱狂的なファン層が厚いのも、この演奏家の特徴かもしれません…
ともかく、一度、この人の演奏会にでかけると、あまりの凄さに、ただただ言葉を失うのみ…何か、感動を言葉に表そうとしても…出る言葉がちっぽけな気がして、やっぱり言葉を失う…それほど、凄いのだ

初めて私が、氏の演奏を聴いたとき、すでに70歳を超えていたように思うが、1日2回の演奏会、しかも全て、モーツァルトのソナタばかり…
普通は、モーツァルトばかり聴いていたら、他のも聴きたくなる(←私の場合、特に!)のだが、彼の演奏といったら、聴けば聴くほど、もっと聴きたくなるのだ…それも、特に個性的であったり、何かインパクトのある演奏というようにも思えない、ごく自然な流れにあるだけのように聴こえるのに、それがとても美しくて、思わず酔いしれてしまう…そんな演奏だったような気がする。
ついで、上野の文化会館での演奏会だったか…歩くのもやっと、というほど大変なお姿なのに(この時は、もう日本公演は最後かと思っていましたが)ピアノの前に座ると、それはそれは…別人かと思われるほど、生き生きと素晴らしいしかも、アンコールにファリャの火祭り(アレンジされて更に難しくなっているもの)やショパン、リスト、ありとあらゆる作品が飛び出す、飛び出す……4,5曲ではない。10曲は超えていたような気がする

そして、昨日は、ベートーヴェンの協奏曲、第3番と第4番。これを逃したら、一生後悔すると思い、何はさておき、ともかく駆けつけた  そして……
チッコリーニの音が鳴り始めると……あぁ~これだこの音だ実は、第3番は、私は、出だしがいまいち好きになれなかったのだが、これが、そんなことを全て忘れさせるほど、美しい……
メロディが主張しすぎることなく、落ち着いたセピア色のような音色で、しかもベートーヴェン独特の崇高な重々しさがある…カデンツでは、音が水面を気持ちよく転がっていくような爽快感がありつつも、決してきらびやかさを誇示するでもなく、いつも何か、心地よく語りかけてくる…
第4番は、もともと好きな曲なので、期待度は天空に達するほどで…
そして………あぁ~これなら、毎日、毎晩、聴いてもいい
感想は……拙い文章で、大変恐縮ですが…(私は小学生レベルか…

「きっと天国のベートーヴェンでさえ、自分がベートーヴェンであることを忘れて、拍手を送り続けたことでしょう

理路整然とした美しさ、ピアノを人が弾いている、そんな光景を通り越して、作品が直接観客に訴える…そこには、何のてらいも何の欲もなく、ただ楽譜を純粋に理解して音に表す…その完璧な透明感は、それこそがベートーヴェンなんだなぁ~と妙に納得できるほど、心に染み渡る……………
本当は、感想を書くのもおこがましいのだが、こうして本物の音楽に出会ったとき、やはり楽譜を読み解くことの大切さを改めて実感する……

チッコリーニは、1925年生まれ。次回の公演は、また2年後か…するともう87歳かな…次回は、できるだけ皆さん。行ってくださいほんとに、凄いです………


そして…長くなりすぎたので、少し短くまとめたいと思いますが…

14日、日曜日は、わが教室の生徒さんもたくさんお世話になっているエフゲニー・Z先生のコンサートが行われた。こちらからは、合計12名。胸をワクワク、ドキドキ…数ヶ月ぶりにお会いする先生は、どうかな?お元気かな~?ロシア人ということを忘れて(まぁ、先生は日本語が大変お上手なので、そのせいもありますが)私も含めて、みなさん、もう身内のような気持ちで…会場に向かいました

プログラムはオールショパン。満員のお客様の中、前半、ノクターン、ソナタの第2番、休憩をはさんで、ポロネーズ第1番、バラード第2番、ソナタの第3番という内容だった。
Z先生の音楽は、また、何か蜃気楼をみているような危うげなところが魅力的。ノクターンの中でも、あまり知られていない数曲を、じっくりと独自の解釈で弾いていく…それは、また観客にアピールするという性質のものからはかけ離れ、ただ自分の信じる音楽のみ極める、その結果を舞台で演奏する…そこには、他を寄せ付けない頑ななまでの自意識が存在するようにさえ思える…
ソナタは、起伏にとんだ面白い箇所もたくさんあったが、なんといってもバラード第2番。この最初の1ページは、何度聴いてもいい…Z先生、バラード全4曲が入っているCDはお奨めです
でも、個人的にはやっぱり、先生のスクリャビンが聴きたい…いつか、「F.Z スクリャビンとともに…♪」なんていうコンサート、あったらなぁ~

などなど……久しぶりに長文のブログでした読んでいただいたみなさん、お疲れさまでした…
では、ようやく、このへんで…