サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第25回ロシア語特別講座報告

2014年08月08日 | ロシア語特別講座
7月27日(日)午前10時から愛知民主会館で第25回ロシア語特別講座が開催されました。

いつものようにまず初級から上級まで3グループに分かれてテキスト朗読の練習です。

こちらは今年の特別講師イーゴリ・ダツェンコ先生が指導する初級のテキストを読むクラス。


ブレンコーワ先生指導の中級クラスです。中級とは言え、難しい言葉があって何度も繰り返し練習をしていました。
この”с изразцовой печью" が特に難しかったようです。


上級テキストのクラスはみなさんさすがに上級者レベルで すらすらと読めていました。テキストはロシアの
お土産の話で 固有名詞がたくさんありました。


いよいよ本番!参加者全員の前で一人ずつ朗読です。緊張して声が小さくなってしまう人、早口になって
間違ってしまう人、、といろいろありましたが、、みなさんとてもお上手でしたので審査にも時間が
かかりました。

最後に各レベルの最優秀者に症状が送られました。
この素敵な賞状はブレンコーワ先生と難波先生の労作です。


初級の最優秀賞は 岐阜から参加された長瀬宏子さんに。ダツェンコ先生から症状を受け取る長瀬さん。


中級の最優秀賞は 難波先生のゼミナールで勉強中の近藤靖宏さんに送られました。

上級の最優秀賞は渡邊実希さんに。渡邊さんはクールスクの大学に留学中とのことでした。


特別賞は丹生潔さんと久恒輝明さんに。写真は症状を受け取る丹生さん。



今年の賞品はこんなかわいいロシアの本とエルミタージュのDVDでした。


昼食休憩を挟んで ダツェンコ先生の講演がありました。テーマは「ロシア語の方言」。
広大な国土の割に 方言がほとんどないと言われているロシアなのですが、ダツェンコさんの講演はまず
東スラブ語のグループの属するロシア語、ベラルーシ語、ウクライナ語は元々共通の古代ロシア語から
派生した方言のようなものであったというお話から始まりました。
ロシア語は数百年にわたって様々な地方出身の作家や学者やインテリが作り上げたものなので 各地の方言も
その構成要素となりました。またロシアのヨーロッパ地域から東部に移住が始まると ある地方出身者が
多い町には彼らが持ち込んだ方言がそのまま使われるようになりました。反対にあちこちからの移住者が
集まってできた町では新しい方言が生まれていきました。元々のその地に住んでいた民族の言葉の影響も
ありました。ダツェンコさんはいろいろな方言の実例を挙げながら面白くお話してくださいました。

この講演の後は再び3グループに分かれて授業を受けます。
初級者レベルのクラスはブレンコーワ先生と 時間を表す表現の勉強です。
対格に生格、順序数詞、、時間の表現には数字が避けられません。たかが数詞、されど数詞、、
苦戦している方が多かったようです。





中級者対象のクラスは難波先生の文法講座。ロシア語の難関の一つが 「移動の動詞」ですが
今年はその移動の動詞に接頭辞がついたものの使い方がテーマです。


ダツェンコ先生の上級者対象のクラスです。テキストはゴーゴリの「外套」から。まず主人公アカーキー・
アカーキエヴィッチの性格がどのように表現されているかを勉強しました。
そしてそこから人間の性格を現す様々な表現を学び、例文を作ったり話し合ったり。


4時に勉強のプログラムは終わって お菓子を食べながらの懇親会になりました。
午前中の参加者が14名、午後からの参加者が3名で合計17名が参加されました。半数弱が愛知県連の
ロシア語講座の講習生でした。参加者のみなさんから 今後のこの講座の企画についていろいろな
ご意見をいただきました。開催の時期や宣伝の方法など 今後の参考にさせていただきたいと思います。
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第25回ロシア語特別講座開催のお知らせ

2014年06月20日 | ロシア語特別講座
名古屋の夏を彩る素敵な企画「ロシア語特別講座」が今年も開催されます!
朝から晩までみっちりロシア語に取組み、実力アップを目指しましょう!


今年の特別講師はイーゴリ・ダツェンコ先生です。
ウクライナのポルタワに生まれ、言語学を専攻、キエフ言語大学を卒業後
ウィーン大学で研究をしておられましたが、縁あって名古屋に来られ、
現在はロシア語と英語の教師をしておられます。
日本ユーラシア協会の会員で ロシア語と日本語を駆使して会の活動に
協力してくださっていますが、今までに2回ロシア語サロンでもお話を
うかがっています。お話のテーマの面白さとわかりやすいロシア語には
定評があります。まさに この講座の先生にぴったりな方です。

午前中は 参加者各自が自分のレベルに合ったテキストを選んで練習し 参加者全員の
前でひとりずつ朗読する朗読大会です。
本番までに1時間、それぞれ先生の指導を受けながら練習します。慣れた方でも
自分では気が付かない発音の間違いや癖があるものです。丁寧な指導がとても
好評です。

午後のプログラムは30分間のロシア語の講演から始まります。逐語通訳付きのこの講演の
テーマは「ロシア語の方言」です。

その後は三つのグループに分かれて授業を受けます。
初級はブレンコーワ先生のやさしいロシア語だけを使った授業です。今年のテーマは
「時間」。ベテランのブレンコーワ先生による楽しい授業です。初心者の方も
気軽にチャレンジしてみてください。

中級者レベルの授業は難波先生による文法復習講座です。今年のテーマは「接頭辞のついた
運動の動詞」。この講座も 「長年勉強していても いまひとつはっきりしたなかったことが
やっとわかった。」「初めて文法に自信が持てた」などとうれしい感想をいただいております。

上級者の方はぜひ ダツェンコ先生のクラスへ。
今年のテーマは「人間の性格を表す表現」です。参考テキストはゴーゴリの名作「外套」です。
こちらはしっかり予習することが必要ですが よりロシア語らしいロシア語の表現を学ぶ
またとない機会となることでしょう。

みなさまのご参加をお待ちしております。

スケジュールは以下の通りです。

  
1.日 時  7月27日(日) 受付開始午前9時30分、講座開始10時
        2.会 場  愛知民主会館2Fホール(名古屋市東区葵一丁目22-26 電話052-932-7211)
        3.参加費  一般:2,500円、 会員:2,000円、 ロシア語講座第176期受講生:2,000円
        4.日 程   9:30~10:00  受付
                10:00~10:10 開会あいさつ、スケジュール説明
                10:10~11:10 朗読練習・指導(初級:市川先生、中級:ブレンコーワ先生、上級:山崎先生)
                11:10~12:30 朗読大会、講評、優秀賞(級別)・特別賞授与               
                12:30~13:30 昼食休憩
                13:30~14:30 特別講演  「ロシア語の方言」 イーゴリ・ダツェンコ先生
                14:30~14:40 小休憩
                14:40~16:10 特別授業(初級者対象)  アリビーナ・ブレンコーワ先生
                       特別授業(中級者対象)  難波忠清先生、
                       特別授業 (上級者対象) イーゴリ・ダツェンコ先生  
                       (テキストあり。予習が必要です。)     
                16:10~17:00 閉会あいさつ 、懇親会

   
 ☆ 申込は日本ユーラシア協会愛知県連合会(℡052-932-7211 mail :kokoshka2011@gmail.com
 ☆ 申込み期限:7月24日(木)
 ☆ 朗読用テキストは申し込み時にお渡ししますので、自宅でも練習してください。
 ☆ 朗読用テキストを録音したCDを300円で販売します。
☆ テキスト・CDは郵送も受け付けますが、郵送の場合は、7月17日(月)までにお申し込みください。
 ☆ 参加費は申し込み時にご入金下さい。
 ☆ 講座終了後、会場で懇親会(お茶とお菓子)を予定しています。会費:300円

☆ 午後のみ参加(講演と授業のみ)も受け付けます。 
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第24回ロシア語特別講座報告 その2

2013年08月02日 | ロシア語特別講座
特別講座はまだまだ続きます。さらに6名の方が午後からのプログラムに参加されました。

13時半からは今回の講師エヴゲーニー・トリャスティン先生の講演です。彼はカザフスタン生まれで2歳からはサハリンで育ちました。サハリン国立大学東洋学部をご卒業後、2006年に名古屋大学に留学、一年は研究生、修士課程に2年、博士課程に3年在籍されて その後名古屋で起業、現在は日本の健康食品を輸出する会社の社長さんです。



今日の講演のテーマは「ロシア民族について」という壮大なものですが、時間がかぎられていることもあり、その中からスラヴ人の起源、多民族国家ロシアの言語と宗教に視点を絞ってお話してくださいました。6世紀ごろまで スラヴ人についての資料がほとんどないそうで もともとどのあたりに住んでいたのかについても諸説あるとのこと。ロシアには人口の70%強を占めるロシア人から600人くらいしかいない少数民族まで100以上の民族が住んでいます。言語はなんと150もあるとか!
パソコンにプロジェクターをつないで、地図や画像を見たり、いくつかの言葉を実際に聞かせていただいたりしながらお話を聞きました。


今回は去年までと違い、その場で逐次通訳をする形での講演でした。

14時40分からは再び初級、中級、上級の3グループに分かれて90分間の授業を受けます。

上級のクラスは4名の方が参加されました。最初にコーカサスに住む民族についての短い映画を見てから、今日の講演のテーマに沿ってロシアの諸民族について話ました。

中級のクラスは難波先生の文法復習講座。今年のテーマは「移動の動詞」です。先生の丁寧な説明の後、練習問題をたくさん解きました。



初級はブレンコーワ先生のロシア語だけによる授業です。

先生の後ろにずらりと並んだおいしそうなロシア料理。今日はロシアでレストランに行って食べ物を注文する、、という想定での勉強なんです。お料理や食べ物の名前を習った後、「メニューを持ってきてください」「君は何を食べるの?」「コーヒーにお砂糖は入れますか?」「飲み物はなんにする?」など 実用的な表現を使って 質問したり答えたりの練習です。
こんなテキストを使って。


これがすらすら言えたらロシアのレストランでちゃんと食事ができそうですね!

最初はロシア語だけの授業に緊張していらした方も先生の笑顔に励まされ、だんだんリラックスして 楽しそうに注文したり 質問したりしておられました。


16時10分にすべてのプログラムが終わり、お菓子とお茶でささやかに懇親会をしました。参加者のみなさんにコメントをお願いしたところ、「いい企画なので 年2回開催してほしい」「なぜいつも日曜日なのか?知り合いになった人たちと打ち上げがしたくても翌日が月曜日では、、」「朝からロシア語ばかりで疲れました」「上級のテキストを前もって配ってほしかった」などいろいろなご意見をいただきました。

今回は大阪からお友達と誘い合わせてきてくださった方々がありました。このところ毎年参加してくださっている岐阜の方がお声をかけてくださったとのことです。この方たちは「大阪からロシアを広める会」の会員で主として大阪でユニークな活動をされています。「この講座は和気あいあいなところがいい」と褒めていただいた他、「関西ロシア語コンクールにぜひ名古屋からも参加してください」と呼びかけもありました。遠くからのご参加ありがとうございました。

今年もみなさまのご協力で無事にこの講座を終えることができました。どうもありがとうございました。




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第24回 ロシア語特別講座報告 その1

2013年08月02日 | ロシア語特別講座
7月28日(日)10時から 愛知民主会館でロシア語特別講座が開催されました。

午前中のプログラムへの参加者は13名でした。
まず最初は初級、中級、上級の3グループに分かれて それぞれのテキストの朗読の練習です。

初級グループは市川先生と今回の特別講師エヴゲーニー・トリャスティン先生のご指導で まず文法の説明、それから発音とイントネーションの徹底チェックです。力点の間違い、рと лの区別ができてない、イントネーションがあいまいで質問が質問のように聞こえない、、など弱点は各人それぞれです。


中級の指導はブレンコーワ先生。今年のテキストはロシアのお茶会がテーマです。サモワールを囲んでお茶菓子を食べながらお茶を飲むのは家族の幸せ、お客も大歓迎。でもこのサモワールがロシアに伝わったのはそれほど昔でもなく、ロシアのサモワール製作が始まったのは18世紀になってからのことだったのです。



上級のテキストを選ばれたのはお一人だけでした。山崎タチアナ先生の個人指導です!テキストは偉大な学者で「生きたロシア語詳解辞典」を編纂したダーリについて。


そして一時間の練習の後、いよいよ本番!人前でロシア語の朗読、いささか緊張されていますね。でも最初は「見学だけです」とおっしゃっていた方はみんなといっしょに練習の後、朗読大会に参加してくださったのでした。堂々と読んでおられました。


今回は中級のテキストを読んだ方が多く、みなさんお上手だったので 審査に少し時間がかかりました。
最優秀者の発表です。上級はお一人だけだったので宮川洋一さん、中級は大阪からご夫婦で参加された清水達矢さん、初級は白井晴視さんが選ばれました。

審査委員長トリャスティン先生から症状を受け取る白井さん。なんと80歳だそうです!


この他 特別賞に林菜々子さんと樋口一晴さんが選ばれ その努力を讃えて賞状と賞品が贈られました。

特別賞をもらってニッコリの林さんです。彼女はまだ高校2年生!去年の10月からロシア語の勉強を始め、現在は中級クラスで頑張って勉強しています。

(ご本人の許可を得て写真を掲載)

高校生から80歳まで、、文字通り老若男女がなごやかに楽しく勉強できるのが この名古屋の特別講座のいいところです。

                                             ーー 続くー







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第24回ロシア語特別講座が開催されます!

2013年06月21日 | ロシア語特別講座

日本ユーラシア協会愛知県連では毎年夏にロシア語特別講座を開催しています。この講座ではまる一日いろんな形でインテンシブにロシア語を勉強することができます。今年は7月28日(日)です。

スケジュールはこんな風です。
                 9:30~10:00  受付
                10:00~10:10  開会あいさつ、スケジュール説明
                10:10~11:10 朗読練習・指導(初級:市川先生、中級:ブレンコーワ先生、上級:山崎先生)
                11:10~12:30 朗読大会、講評、優秀賞(級別)・特別賞授与               
                12:30~13:30 昼食休憩
                13:30~14:30  特別講演  「ロシアの民族について」 エヴゲーニー・トリャスティン先生
                14:30~14:40 小休憩
                14:40~16:10  特別授業(初級者対象)  アリビーナ・ブレンコーワ先生
                        特別授業(中級者対象)  難波忠清先生、
                        特別授業 (上級者対象) エヴゲーニー・トリャスティン先生
16:10~17:00 閉会挨拶と懇親会

        
まず最初にレベル別の3種類のテキストから ご自分に合ったテキストを選んでいただきます。それかの一時間は先生の指導で朗読の練習です。最後はお一人ずつ、参加者の前でテキストを朗読。「人前でロシア語を読むなんて!」と躊躇する方がいらっしゃいますが、なにごとも経験です。なによりもまず本番の前の一時間の練習が実力アップにつながります。

昼食の後は 今回の特別講師エヴゲニー・トリャスティン先生による講演「ロシアの民族について」です。これまでとは違って、今回は逐語通訳付きにしました。その代わりに講演は短くなって約30分(通訳を含めて1時間)となりました。

今までは関西方面から講師に来ていただくことが多かったのですが 今年は名古屋在住の方です。トリャスティン先生はサハリンのご出身で日本文学専攻、名古屋大学文学部大学院で日本語の文体について研究をされました。その後 日本で起業され、今は社長さん!
もちろん日本語は非常にお上手です。

最後はレベル別に三グループに分かれて授業を受けます。初級レベルはブレンコーワ先生の授業です。ロシアのレストランでの注文の仕方やロシア料理についての説明もあるそうです。この授業は原則としてロシア語だけで行いますが ベテランのブレンコーワ先生が初心者を対象にやさしい言葉でわかりやすく説明してくださいますのでご心配はいりません。

中級レベルは難波先生による文法力アップ講座です。今回のテーマは「移動の動詞」。移動の動詞の使い分けは日本人にとってはなかなか難しいものです。検定試験でも必ずとりあげられるこのテーマ、です。

上級レベルは今回の特別講師 トリャスティン先生の会話のクラスです。今回の講演のテーマ、ロシアの民族について語りあいましょう!

**☆ 午後のみ参加(講演と授業のみ)も受け付けます。.
     参加費  一般:2,500円、 会員:2,000円、 ロシア語講座第174期受講生:2,000円


お申し込みはお早めに!

 ☆ お申込は日本ユーラシア協会愛知県連合会;℡052-526-1150 
                       mail :kokoshka2011@gmail.com
 ☆ 申込み期限は7月25日(木)まで。



 ☆ 朗読用テキストは申し込み時にお渡ししますので、自宅でも練習してください。
 ☆ 朗読用テキストを録音したCDを300円で販売します。
☆ テキスト・CDは郵送も受け付けますが、郵送の場合は、7月21日(月)までにお申し込みください。
 ☆ 参加費は申し込み時にご入金下さい。
 ☆ 講座終了後、会場で懇親会(お茶とお菓子)を予定しています。会費:300円





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第23回ロシア語特別講座報告

2012年08月19日 | ロシア語特別講座
ご報告が遅れましたが7月29日(日)に愛知民主会館で第23回ロシア語特別講座が開催されました。

午前中は恒例の朗読大会。初級、中級、上級、それぞれのテキストを選び約1時間先生の指導で勉強した後、参加者全員の前で朗読するものです。

生徒二人に先生二人。繰り返し練習する初級のお二人。


こちらはブレンコーワ先生が指導する中級テキストを読む人たちのクラス。テキストはL・トルストイが夏の朝、草の葉にたまった露をそっと口に入れる時のことを書いた美しい文です。



今回は参加者が少なく、朗読をされたかたはわずかに10名でした。


全員の朗読が終わった後、審査員の先生方は別室で各級の最優秀者を選ぶのですが、みなさんとても落ち着いて上手に朗読されたので甲乙つけがたく、審査が長引いてしまいました。
今回はブレンコーワ先生デザイン、難波先生製作のこんな素敵な賞状が用意されていました。


さて、やっと審査が終わり、最優秀者の発表です!今回の特別講師 ウラディーミル・ミグダリスキー先生(中央)から賞状を手渡される初級の最優秀賞受賞の山森理子さん(右)。 


中級の最優秀賞は武山由紀子さん、上級の最優秀賞は福山武さんに送られました。特別賞は例年はおひとりだけなのですが 今年は丹生潔さんと松井佐和子さんが選ばれました。

お昼の休憩の後はミグダリスキー先生の講演です。ミグダリスキー先生はウクライナ人で現在は京都のお住まいです。もともとは数学者で京大では主に外国人の学生を対象に英語で数学を教えておられるそうですが 日本語通訳や翻訳者としても有名な方です。ミグダリスキー家はお母様と弟さんはウクライナで日本語教師、お兄さんは東京でやはり日本語通訳や翻訳をしておられる日本語一家で、 ウクライナではロシア語を母国語とする人たちのための日本語の四文字熟語やことわざの学習書を出版されたとのことです。今回は彼らの故郷ウクライナのオデッサという町についてお話をしていただきました。

講演はロシア語によるもので 約1時間です。内容は日常会話のレベルを超えたものですし、話されるスピードも手加減はありませんので ロシア語初心者はとても聞きとることはできません。その場で通訳があればよいのですが、時間がかかってしまうことと、ロシア語をシャワーのように浴びる体験をしていただきたいという気持ちもあって、スピーカーにはあらかじめ原稿を出していただき、対訳テキストを作って当日参加するみなさんにお配りしています。


和訳の方を読みながら ロシア語を聞いていただく、という独特のスタイルなのです。テキストは後からじっくり読んで復習していただくこともできますし。
参加者の方にお聞きしてみますと 和訳は見ないでロシア語のテキストの方を見ながら聞いているという方もあり、テキストは見ないで聞くことに集中しているという方もあります。

それで今回ですが、、、
ミグダリスキー先生はまず自己紹介から始められ、その後テキストのお話がになるかと思ったら、、、 オデッサについてのお話はテキストからどんどん離れていきました。町の始まりから外国人が多かったこと、ユダヤ人を優遇したのでユダヤ人人口が増えて第2次大戦前は町の30%はユダヤ人になっていたこと、オデッサは港町でなんでも新しいものを取り入れる傾向があり、人々は開けっぴろげでユーモアが大好き(この点では大阪と似ている)、革命後の混乱期にオデッサを仕切ったというミーシュカ・ヤポンチクのこと、、、
と面白いお話なのですが 大半の方は何もわからないまま1時間が過ぎてしまいました。

オデッサの写真も見せていただきました。これが有名な「戦艦ポチョムキン」という映画の中に
出てくる階段です。映画の中にこの階段を赤ちゃんを乗せたバギーが落ちて行く有名なシーンがあります。


残念ながら この映画のことも知らない人がほとんどだったようでした。
ミグダリスキー先生からは「書いた原稿をそのまま読むのは好きではない」という言葉をお聞きしてはいたのですが こんな風になるとは予測していなかったので主催者としては残念でした。
先生が当日お話されたことが面白かっただけに 大半の方がなにもわからないままだったことが残念です。講演会をどのようにするかが今後の課題になりました。

最後は初級、中級、上級に分かれての授業でした。
こちらは中級の難波先生のクラス。今回のテーマはロシア語文法の難関「完了体と不完了体」、基本的なことの確認からじっくりと学びました。参加した方から「ずっと疑問だったことが初めて理解できました。来てよかった!」の声も。


最後は2階ホールに再び全員が集まり、シュークリームとお茶でくつろぎながらの懇親会。参加者の皆さんからご意見や感想をお聞きして、なごやかに今年の特別講座を終わりました。ミグダリスキー先生からは「今日は楽しかったです。みなさんのロシア語に対する熱意に感動しました。」とお言葉をいただきました。







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特別講演会のお知らせ

2012年07月20日 | ロシア語特別講座
7月29日のロシア語特別講座の午後にミグダリスキー先生によるロシア語の講演があります。この講演を講座参加者以外の方にも公開します。

講師:ウラディーミル・ミグダリスキー (京都大学特定講師・日本語通訳・翻訳家)
講演のテーマ:「オデッサの歴史と現在」
時間:7月29日(日)13時30分ー14時30分
場所:愛知民主会館2階ホール (東区葵1-22-26 電話:052-526-1150
参加費:2000円(ロシア語講座受講生は1000円)
 
講演はロシア語ですが ロシア語・日本語の対訳テキストを差し上げます。

ウクライナの町オデッサは その美しさを「黒海の真珠」とたたえられています。さて、そのオデッサはどこにあるのでしょうか?まず地図をご覧ください。



真中の海が黒海です。ちょこんと突き出ているのがクリミア半島、その北西にあるのがオデッサです。すぐそばにモルドヴァがあります。そして黒海を挟んで対岸はトルコ、この黒海はエーゲ海へとつながっていて、この地図を見ると昔からこの地がギリシャやトルコと深い関係があったことが理解できると思います。

ここに大きな町や軍港が作られたのはエカチェリーナ女帝の時代でこの地はロシア帝国の領土でした。その前はトルコ領。さらに紀元前にはここにギリシャ系の人たちの村があったことがわかっています。ロシア帝国領の時代、この町の建設には様々な外国人が関わり、最初の住民も多くがギリシャ系の人たちでした。その後はユダヤ人も多数住むようになり、港町であることもあって独特の開放的な町ができあがっていったのでした。

参加お申し込みは:kokoshka2011@gmail.com まで。
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第23回ロシア語特別講座開催

2012年06月22日 | ロシア語特別講座
暑い夏がやってきました。名古屋の夏と言えば日本ユーラシア協会の「ロシア語特別講座」ですね!今年は7月29日(日)に開催されます。

特別講座は10時から始まり、まず初級、中級、上級の3グループに分かれて それぞれレベルに合ったテキストを勉強、朗読の練習をします。その後全員集まり、一人ずつ選んだテキストを朗読する朗読大会になります。大勢の人の前でロシア語を読むなんて、、と尻込みされる方もあるのですが 参加された方は必ず「やっぱり参加してよかった」とおっしゃいます。普段の授業の中でなかなか発音の練習はできないものです。自分の発音をじっくり見直すということもむずかしいですし。慣れない初級の方はもちろんですが 学習歴の長い方でもロシア語の難しさの一つである力点の移動などあやふやになっている人が多いのです。美しいロシア語を目指す方はぜひ一度ご参加ください。

午後からは1時間のロシア語での講演を聞き、休憩をはさんで再びレベルに合わせて3グループに分かれ、90分の授業で 4時に終了予定です。

特別講座の準備は昨年12月にお招きする特別講師を決めるところから始まりました。今年の講師にはウラディーミル・ミグダリ―スキー先生に来ていただきます。ミグダリスキー先生はウクライナ人で現在京都大学工学研究科国際コース特定講師、日本語の通訳、翻訳者としても活躍されています。今年の講演のテーマは「オデッサの歴史と現在」です。

午後からの授業は 初級はアリビーナ・ブレンコーワ先生のやさしいロシア語を使ったロシア語だけの授業、中級は難波忠清先生による文法復習講座です。今年のテーマは「完了体と不完了体」。上級のクラスは今回の特別講師ミグダリスキー先生の授業で「ことわざ」がテーマです。

こちらのご案内をご覧ください。

皆さまのご参加をおまちしております。


メールでのお申し込みは kokoshka2011@gmail.com
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第22回ロシア語特別講座報告

2011年08月02日 | ロシア語特別講座
7月31日(日)午前10時から第22回ロシア語特別講座が開催され,28名の方が参加されました。

まず初級、中級、上級のグループに分かれて朗読の練習です。朗読のテキストも3種類あり、各自が御自分の実力に合わせて選ぶことになっています。ロシア語歴の長い、上手な方でも長い間にだんだん発音やイントネーションが我流になってしまっている方もあり、先生に厳しくチェックしてもらうことはとても大切なことです。1時間の朗読練習を終わって朗読大会を前にいささか緊張した表情の参加者のみなさん。

くじで順番が決められ、一人ずつテキストの朗読です。人前でロシア語を朗読するなどということはめったにないわけで、緊張のあまり読み間違えてしまう人やpをピーと読んでしまう初心者も。みなさん一生懸命です。全員の朗読が終わったところで審査員の先生方はいったん別室に移り、各級の最優秀者と全体から一人の特別賞受賞者を選考。
最優秀者には初級:堀口美樹さん、中級:大橋真範さん、上級:鈴木由香さん、特別賞には榊原吉昭さんが選ばれました。

ランチタイムを挟んで1時半からは今回の特別講師ウラジーミル・セマコフ先生(大阪大学講師)による講演「北ロシアの伝統文化」です。講演するセマコフ先生。

北ロシアとはカレリア、ムルマンスク州、アルハンゲリスク州、ヴォーログダ州、コミ共和国の一部を含む地域のことで、もともと製塩やアザラシ猟が行われていたこの地域にロシア人は農業を持ち込みました。非常に厳しい気候とやせた土地という悪条件なのに、ここで大麦、カラスムギ、ライ麦が生産され、中央ロシアをしのぐ生産量となったのはどうしてだったのでしょう?その秘密は牛フンにありました!
ロシア人は寒い季節は牛を屋内で飼育して牛フンを手に入れ、それで土壌を改良して行ったのでした。セマコフ先生は家の建築様式、黒海から白海まで張り巡らされた水路のこと、酷寒の地に建てられた修道院のこと、北部に独特の工芸品のこと、、と様々な視点から北ロシアについて語られ、参加者は対訳テキストを見ながら話を聞きました。(このテキストは難波先生の労作!)

講演の最後には教会で歌われる聖歌や北ロシアの民謡も聞かせていただきました。

さて、この後はまた初級、中級、上級に分かれての授業です。

アリビーナ先生担当の初級のクラスではまず発音の確認から始まり、簡単な会話を。ロシア語だけによる授業は初めてでとまどう人もいらしたようですが。


こちらは難波先生の中級クラス、今回のテーマは「関係代名詞」です。

先生の説明の後はたくさんの練習問題を。関係代名詞を自由自在に使いこなせるように頑張ります。


上級クラスでは前もってこのテキストを読み、準備してくることになっていました。トルストイの「皇帝とシャツ」です。


お話を読みながら動詞を言い換えたり、同義語、反対語を覚えたり、テキストに出てくる表現を使って例文を作ったり。「トルストイが理想としたことは何か?」との質問に答えに窮する場面も。


4時すぎに授業が終わりました。いささかお疲れの表情のみなさんでしたが、感想・ご意見をお聞きしたところ「こんなに長くロシア語を聞いたことがない。疲れました。」「緊張もしたけどおもしろかった。参加してよかった」「朗読大会の賞品はもう少しいいものにできないのか?」「朗読もいいけどスピーチコンテストをやったらどうですか?あるいは大阪や東京のコンテストに名古屋からも出たら?」「名古屋は暑いから特別講座は冬にやったらどう?」(セマコフ先生より)などの御意見をいただきました。
暑い中、参加していただきありがとうございました。お疲れ様でした。
(miska)
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ロシア語漬けの一日を!

2011年07月19日 | ロシア語特別講座
みなさん、

今年も7月31日(日)にロシア語特別講座が開催されます。

詳細はこちら

午前中は初級、中級、上級に別れてテキストを読む練習、そしてそれを参加者の前で朗読する朗読大会です。午後からは大阪大学講師のウラジーミル・セマコフ先生による講演「北ロシアの伝統文化」です。古いロシアの伝統を守りながら厳しい自然の中で生きてきた北部の人たちの暮らしと文化を様々な面から紹介していただきます。当然ロシア語での講演です。(対訳テキストをお配りします。)

最後はやはり初級、中級、上級に別れてロシア語の授業。ロシア語講座の講習生の方々にとってはいつもと違う先生のロシア語を聞いたり、教えてもらったりするチャンス、そして普段は出会うことのない、ロシア語を学ぶ仲間に出会う場でもあります。講習生以外の方の参加も歓迎します。これだけインテンシヴにロシア語を学ぶ場は名古屋にはありません。お申込みがまだの方はぜひ今すぐメールで申し込んでください。

午後からの参加も歓迎です。

ユーラシア協会愛知県連のアドレス:eurasia-aichi@ae.wakwak.com


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