今日午後2時からロシア語サロンが開かれました。サロン開催が決まってから今日まで4日間しかなく、ホームページ、ブログ、メールでの連絡しかできなかったにもかかわらず、15名が集まり、ゲストのタチアナ・イスマギーロワさんを囲んで楽しくお話しました。山崎タチアナ先生とご子息のマクシムさんも来てくださいました。
笑顔が素敵なタチアナさん。
サロンはまず単語の復習から始まりました。
дядя(おじさん)、тётя(おばさん)は教科書で習いますが、それでは甥や姪はなんというのでしょう?
甥はплемя̀нник、姪はплемя̀нница、従兄は двою̀родный брат、従妹は двою̀родная сестра̀です。
8月7日に来日したタチアナさんは先日京都に行き、サンクトペテルブルクと似ていると感じたそうです。
「どちらの町も歴史ある古い町で素晴らしい建物がたくさんあるという共通点があります。でもそうした有名な場所を見学した後でふと小さな路地を見つけて覗いてみると、そこにはまた、もっと面白いものがある。そういう点でも似たところがあるのです。」
「サンクトペテルブルクの人たちはこの町を愛情をこめて ピーチェル(Питер)と呼んでいます。この町を作ったピョートル大帝もきっと ピーチェルって言っていたことでしょう。」
「ピーチェルは歴史的な町ですが、ここでも住民は普通の生活をしています。由緒ある橋の上も普通の人が歩いていますし、自転車も通り、時にはブレークダンスをする人もあります。この町にはロシア中から特に芸術やクリエイティヴな仕事を目指す若者たちがたくさんやってきます。田舎の町では自分が一番才能があると感じてきた人もここに来ると、さらに上には上があると知ってショックを受けたり、自分の進路を考えなおしたりすることもあると思います。」
会場のロシア語教室は満員になりました。
様々な質問に答えて:
質問:社会主義社会から資本主義社会への移行はスムーズだったのですか?現在の富裕層はどのようにしてできたのでしょう?
答:富裕層のことは知り合いでもないのでよくわかりませんが(笑)どの社会、どの時代にでもずるい人、うまく立ち回る人はいるものです。資本主義への移行はスムーズどころか大変でした。特にお年寄りには。ですから今でもかつてのソ連を懐かしみ、ソ連時代の方がよかったと考える人もたくさんいます。若い人でも共産党支持者は少なくありません。時々若い共産党支持者のデモもあります。
質問:最近では日本に裕福な中国人観光客が来て多額の金を使うようになりました。石油や天然ガスの値段が高かったころはロシアからも金持ちが日本に来て豪遊することがありました。彼らはどういう人たちだったのでしょう?
答:知り合いの中にそういう人はいないのですが(笑)、、成功したビジネスマンだったのではないでしょうか?普通のロシア人にとって日本観光はとても高くて贅沢なことで、まず来られません。私は叔母がいるので来ることができたのですが、友人たちはとてもうらやましがりました。
質問:ロシアの学校では6月から8月まで長い夏休みがあり、ソ連時代は子供たちはピオネールキャンプですごしていたものですが、今ではそういうものはなくなったと聞いています。子供たちは夏休みをどう過ごしていますか?
答:ソ連時代のようにだれでもが行くことができるピオネールキャンプはほとんどなくなりました。今は人によりそれぞれです。学校単位や 親の職場でまとめて子供たちを受け入れるキャンプに送ることができる人もいますが、それができない人も多くなりました。残念ながら夏休みも家に残ってゲームをしたり、インターネットで遊んだりしている子供も多いと思います。
質問:今、ロシアで若者たちに人気のある歌手やグループは?
答:人気があるということと才能があるということは必ずしも一致しないとは思いますが(笑)、、ロックでは DDT やСплин というグループ、ラップならТимати,歌手ではДима Билан(イケメンですよ!インターネットで画像を見てください)。 Валерияという女性も人気があります。
質問:どんな作家が人気がありますか?
答:現代の作家ではПелевин(ペレーヴィン)です。幅広い世代に人気があります。少し前の作家の本もよく読まれています。ドストエフスキーだけではないですよ。Бунин(ブーニン)やНабоков(ナボコフ)もよく読まれています。
質問:日本のアニメではどんなものが知られていますか?
答:私はあまりよく知らないのですが アニメが大好きな友人がいます。知られているものは「エヴァンゲリオン」や「ドラゴンボール」それに「ナルト」です。コスプレする人もいます。
プラムケーキと紅茶で一休みして
質問:ロシアでは人命が軽視されいるような気がします。いつかの学校でのテロの事件の時も、巻き添えをくう子供がいるにも関わらず軍隊が強硬手段を取って犠牲者がたくさん出ましたね。交通事故などの際、保障はどうなるのでしょうか?運転する人たちは保険には入っているのですか?
答:保険加入は任意です。人それぞれだと思いますが ひき逃げもよくあるようです。だいたいロシア人は法律遵守しない傾向がありますからねえ。日本では車がまったく来なくても赤信号なら道を渡らないでしょう。ロシア人なら渡ってしまいますよ。(笑)」
質問:サンクトペテルブルクが好きで何度も行っているのですが 町を散策するとしたらどんなところがお勧めでしょうか?
答:まずペトロパブロフスク要塞から歩き始めましょう。見どころはだいたい町の中心にありますから歩いて回れます。エルミタージュのある宮殿広場や青銅の騎士、イサーク寺院やカザン聖堂、足を延ばすならアレクサンドル・ネフスキー修道院まで行くとチャイコフスキーやドストエフスキーのお墓のある墓地も見られます。日本と違って公共トイレは非常に少ないのでご注意ください。
質問:3月の地震のことや福島の原発のことなどはロシアでも報道されたと思いますが,今回の来日を躊躇されることはなかったのですか?お母さんは反対されませんでしたか?」
答:地震や原発の問題はテレビで見てよく知っていましたが、日本人が落ち着いていて、作業員の方たちも勇敢に処理にあたっておられるのを見て、それだからこそ 日本に来てそばにいたいと思ったのです。母も全く反対せず、もうちょっとお金に余裕があれば自分も来たいくらいだったんですよ。(笑)
山崎タチアナ先生から「私もあの地震の後、彼女は来ないかもしれないと思ったのですが こういう時だからこそ来たいと言ってくれたので感激しました。」
「こういう時だからこそ日本に来たい」というタチアナさんのお気持ちに一同感激でした!
どの質問にも丁寧に答えていただき、話は尽きないのですがあっという間に終了時間の4時を過ぎてしまいました。
お線香やお地蔵様が好きなタチアナさんはお地蔵さまを見かけるとお線香を供えてお参りしてしまい、従兄たちに「そういうのは日本では年寄りがすること!」と笑われたそうです。
あと2週間ほどで帰国されるとのこと。まだまだ暑い名古屋ですが 楽しい休日を過ごしていただきたいですね。
Дорогая Татьяна !
Большое спасибо за интересные рассказы.Желаем Вам хорошо провести время в Японии.
(タチアナさん、今日は楽しいお話をありがとうございました。日本で楽しく過ごしてください。)
(miska)
笑顔が素敵なタチアナさん。
サロンはまず単語の復習から始まりました。
дядя(おじさん)、тётя(おばさん)は教科書で習いますが、それでは甥や姪はなんというのでしょう?
甥はплемя̀нник、姪はплемя̀нница、従兄は двою̀родный брат、従妹は двою̀родная сестра̀です。
8月7日に来日したタチアナさんは先日京都に行き、サンクトペテルブルクと似ていると感じたそうです。
「どちらの町も歴史ある古い町で素晴らしい建物がたくさんあるという共通点があります。でもそうした有名な場所を見学した後でふと小さな路地を見つけて覗いてみると、そこにはまた、もっと面白いものがある。そういう点でも似たところがあるのです。」
「サンクトペテルブルクの人たちはこの町を愛情をこめて ピーチェル(Питер)と呼んでいます。この町を作ったピョートル大帝もきっと ピーチェルって言っていたことでしょう。」
「ピーチェルは歴史的な町ですが、ここでも住民は普通の生活をしています。由緒ある橋の上も普通の人が歩いていますし、自転車も通り、時にはブレークダンスをする人もあります。この町にはロシア中から特に芸術やクリエイティヴな仕事を目指す若者たちがたくさんやってきます。田舎の町では自分が一番才能があると感じてきた人もここに来ると、さらに上には上があると知ってショックを受けたり、自分の進路を考えなおしたりすることもあると思います。」
会場のロシア語教室は満員になりました。
様々な質問に答えて:
質問:社会主義社会から資本主義社会への移行はスムーズだったのですか?現在の富裕層はどのようにしてできたのでしょう?
答:富裕層のことは知り合いでもないのでよくわかりませんが(笑)どの社会、どの時代にでもずるい人、うまく立ち回る人はいるものです。資本主義への移行はスムーズどころか大変でした。特にお年寄りには。ですから今でもかつてのソ連を懐かしみ、ソ連時代の方がよかったと考える人もたくさんいます。若い人でも共産党支持者は少なくありません。時々若い共産党支持者のデモもあります。
質問:最近では日本に裕福な中国人観光客が来て多額の金を使うようになりました。石油や天然ガスの値段が高かったころはロシアからも金持ちが日本に来て豪遊することがありました。彼らはどういう人たちだったのでしょう?
答:知り合いの中にそういう人はいないのですが(笑)、、成功したビジネスマンだったのではないでしょうか?普通のロシア人にとって日本観光はとても高くて贅沢なことで、まず来られません。私は叔母がいるので来ることができたのですが、友人たちはとてもうらやましがりました。
質問:ロシアの学校では6月から8月まで長い夏休みがあり、ソ連時代は子供たちはピオネールキャンプですごしていたものですが、今ではそういうものはなくなったと聞いています。子供たちは夏休みをどう過ごしていますか?
答:ソ連時代のようにだれでもが行くことができるピオネールキャンプはほとんどなくなりました。今は人によりそれぞれです。学校単位や 親の職場でまとめて子供たちを受け入れるキャンプに送ることができる人もいますが、それができない人も多くなりました。残念ながら夏休みも家に残ってゲームをしたり、インターネットで遊んだりしている子供も多いと思います。
質問:今、ロシアで若者たちに人気のある歌手やグループは?
答:人気があるということと才能があるということは必ずしも一致しないとは思いますが(笑)、、ロックでは DDT やСплин というグループ、ラップならТимати,歌手ではДима Билан(イケメンですよ!インターネットで画像を見てください)。 Валерияという女性も人気があります。
質問:どんな作家が人気がありますか?
答:現代の作家ではПелевин(ペレーヴィン)です。幅広い世代に人気があります。少し前の作家の本もよく読まれています。ドストエフスキーだけではないですよ。Бунин(ブーニン)やНабоков(ナボコフ)もよく読まれています。
質問:日本のアニメではどんなものが知られていますか?
答:私はあまりよく知らないのですが アニメが大好きな友人がいます。知られているものは「エヴァンゲリオン」や「ドラゴンボール」それに「ナルト」です。コスプレする人もいます。
プラムケーキと紅茶で一休みして
質問:ロシアでは人命が軽視されいるような気がします。いつかの学校でのテロの事件の時も、巻き添えをくう子供がいるにも関わらず軍隊が強硬手段を取って犠牲者がたくさん出ましたね。交通事故などの際、保障はどうなるのでしょうか?運転する人たちは保険には入っているのですか?
答:保険加入は任意です。人それぞれだと思いますが ひき逃げもよくあるようです。だいたいロシア人は法律遵守しない傾向がありますからねえ。日本では車がまったく来なくても赤信号なら道を渡らないでしょう。ロシア人なら渡ってしまいますよ。(笑)」
質問:サンクトペテルブルクが好きで何度も行っているのですが 町を散策するとしたらどんなところがお勧めでしょうか?
答:まずペトロパブロフスク要塞から歩き始めましょう。見どころはだいたい町の中心にありますから歩いて回れます。エルミタージュのある宮殿広場や青銅の騎士、イサーク寺院やカザン聖堂、足を延ばすならアレクサンドル・ネフスキー修道院まで行くとチャイコフスキーやドストエフスキーのお墓のある墓地も見られます。日本と違って公共トイレは非常に少ないのでご注意ください。
質問:3月の地震のことや福島の原発のことなどはロシアでも報道されたと思いますが,今回の来日を躊躇されることはなかったのですか?お母さんは反対されませんでしたか?」
答:地震や原発の問題はテレビで見てよく知っていましたが、日本人が落ち着いていて、作業員の方たちも勇敢に処理にあたっておられるのを見て、それだからこそ 日本に来てそばにいたいと思ったのです。母も全く反対せず、もうちょっとお金に余裕があれば自分も来たいくらいだったんですよ。(笑)
山崎タチアナ先生から「私もあの地震の後、彼女は来ないかもしれないと思ったのですが こういう時だからこそ来たいと言ってくれたので感激しました。」
「こういう時だからこそ日本に来たい」というタチアナさんのお気持ちに一同感激でした!
どの質問にも丁寧に答えていただき、話は尽きないのですがあっという間に終了時間の4時を過ぎてしまいました。
お線香やお地蔵様が好きなタチアナさんはお地蔵さまを見かけるとお線香を供えてお参りしてしまい、従兄たちに「そういうのは日本では年寄りがすること!」と笑われたそうです。
あと2週間ほどで帰国されるとのこと。まだまだ暑い名古屋ですが 楽しい休日を過ごしていただきたいですね。
Дорогая Татьяна !
Большое спасибо за интересные рассказы.Желаем Вам хорошо провести время в Японии.
(タチアナさん、今日は楽しいお話をありがとうございました。日本で楽しく過ごしてください。)
(miska)