歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

雪前の禅

2010年02月01日 | 徒然 -tzure-zure-
ああ。


雪が降っています。


雨の音が、おとなしくなったと思ったら。







おお、雪だ。

と、
嬉しくなって、窓をあけています。



電柱にくっついた街灯の 白い明かりのまわりにだけ、

大きな白い雪つぶが、さんさんと、斜めに
流れては 消えて行くのが
この部屋の 私のところから、見えています。




少し、みぞれまじりの、湿り雪のよう。


ぴちゃぴちゃ と、降ったそばから融けてゆく音も、

時折 夜の闇にまじって聴こえます。

積もらない雪かしらん。



だけど
ベランダの桟に、すこしずつ積もって来ています。



ああ、少しは積もるのかな。





なんだか、嬉しい。

うれしいけれど、とてもしずかなテンションで、うれしい。



とりわけ表に出ている指に ひんやりとした風が攻めて来て、
寒いは寒いけど、


なんとなく、窓を閉めたくないのです。



いや、きっとそろそろ閉めるけどね。



一時間ごととかに、開けたりしそうです。
今、どんなかなー?って。





寒さは「嫌い!」と、はっきり言えるけど、

雪は「好き!」と、はっきり言えるのです。


どこまでも 静かな遠い 遠い 深ーーーーいところに、心をもっていかれる。

そんな感じがするのです。


そんな感じが、たぶん、
とても惹かれるのです。





そういえば、


火を見つめているときも、
これと同じ気持ちが、湧いて来ます。


遠く 深く 暗く 静かなところに 静かに吸い込まれる。


自ずと
しばらく 全ての能動的な活動を停止して
ただその 炎の揺れ動きとか 雪の流れとかの

まるで静止したように 一瞬ごとに変わり続けてゆく ものの流れ というものを

ひたすら無言で 無音で じっと見つめ続けていたい。。。

という、、。


只管打坐(しかんたざ)?

静観?

、、、なんとなくそう、禅の修行僧的な、気持ち。





最近の 春めいたあたたかさは、

それはとても うれしいけれど

ぬるま湯のようで


久しぶりに 冴えた 
清らげに 洗われたような 澄んだ冷や風に 当てられて

少し、シャキッと
目が覚めたような心地がします。













 雪です。





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