星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

別府温泉道名人への足あと(10)第10湯 鶴寿泉

2016年06月08日 22時08分29秒 | Weblog
二週間の別府生活も終わりが間近になり二日後にはホリデーハウスから退去です。
こちらでお世話になった友達Kさんを招待しての夕食準備を忙しそうにしているカミさんの邪魔をしてはいけないので、私は昼過ぎから駆け込みのハシゴ湯めぐりに単身で出かけました。




まず一番目は前にも来てゾッコン惚れこんだ鶴寿泉

鶴寿泉は2008年に別府を初めて訪れて、友達のTさん宅に一週間厄介になった時に連れて来てもらった思い出深い名泉です。硫黄系の明礬温泉の中では酸性度の高い泉質でややピリピリ感もありますが、わずかに白みがかったお湯からは、ほんのりと硫黄臭もあり、何度入っても飽きがきません。湯小屋入り口に鎮座するお地蔵さんへのお賽銭が入湯料代わりなんて、なんとものどかで心も懐もほっこりと温まります。佇まいが抜群で、私の中では総合点は極めて高く、一目惚れした秘湯です。

花崗岩を敷き詰めた床の真ん中に、4〜5人入ればいっぱいになりそうな小さめのヒノキ(?)の浴槽が埋め込まれているだけの、鄙び度のかなり高い、私好みの温泉の代表格の一つで、何度でも入りに来たい温泉です。

専用の駐車スペースが小型車2台分しかないので、よほど運が良くないと停められず、近隣の旅館の駐車場に停めさせてもらうか、遠くのパーキングに入れて歩いてくるしかないのが難点ですが。

別府温泉道名人への足あと(9)第9湯 鬼石の湯

2016年06月05日 12時32分33秒 | Weblog
私はスタンプを集める必要から一日にいくつもの温泉を巡りますが、カミさんはそんな趣味はないから「一日一湯」が基本です。「春夏秋冬」がイマイチで、なんとなく消化不良気味であったので「もう一丁行こうか?」とダメ元で水を向けたら「いいよ」と来たもんです。

そういえば別府に来たのに、別府八湯の中心的存在の鉄輪温泉にはまだ挨拶がすんでいません。数多ある市営・区営の共同浴場はいずれそのうち単身でハシゴすることにして、今日はカミさんの要件をクリアできる温泉として「鬼石の湯」を試すことにしました。鬼石坊主地獄から吹き出す蒸気の轟音を聞きながら入り口に向かいます。入湯料600円の民営施設だけあって内湯・露天風呂・展望風呂と施設が充実しています。

先ほど浴びてきた「春夏秋冬」の硫黄泉で皮脂が除去された体をしっとりと仕上げる、メタケイ酸をたっぷり含んだ泉質だそうで、保湿・保温効果も抜群とのことです。口に含むとちょっとしょっぱいのは鉄輪地区の特徴らしい。

「先に明礬温泉、その後に鉄輪温泉」なんて方程式があるとは、さすが温泉道の奥深さですね。


別府温泉道名人への足あと(8)第8湯 夢幻の里 春夏秋冬

2016年06月04日 12時18分01秒 | Weblog
ホリデーハウスは内成の地元の方々とAPU大学のLSB(Long Stay Beppu)研究会との協働プロジェクトであり、滞在中に研究会の学生さんによるインタビューがあります。外国に比べてまだまだ普及の遅れている長期滞在型・現地生活体験型の旅行形態は、今後日本でも普及の余地が大きいはずだという仮説を実証研究するLSB研究会が、実際に滞在した利用者から情報収集したり意見聴取するのが目的のインタビューです。

短期間の「旅行者」では気がつかないことで、長期に滞在する「生活者」の目で初めて見ることのできる物事は山ほどあるはずです。特に遠くから高い旅費をかけて訪れるなら、最低一週間は滞在しないと勿体無いことです。さりとて、ホテルや旅館に一週間以上滞在したら宿泊費が膨大になります。リーズナブルな経費の範囲でなるべく長期に滞在して現地生活体験型の旅行をしたいと希望する我々には、このホリデーハウスは願ったり叶ったりの施設ですっかり気に入りました。LSBで想定した利用者像を90パーセント以上体現した我々はこの研究室にピッタリの研究材料のはずです。我々もこの研究室の掲げるテーマに大いに共鳴するところがあるので、訊かれたことに答えるにとどまらず、ゼミの教官気取りで学生さんについつい余計なことをしゃべりまくって迷惑かけてしまいました。



久しぶりに若い学生さん相手にしゃべりまくって一仕事終えたご褒美に、リーズナブルで美味しい海鮮丼を食べて、これまた久しぶりに自分好みの白濁硫黄泉、「夢幻の里・春夏秋冬」に立ち寄りです。

堀田温泉を横に見ながら、案内看板に従って堀田温泉の脇にある細い山道を走ること数分。山間の秘湯という雰囲気の建物に到着。2013年にリニューアルオープンしたそうで、家族風呂を含めて全てが露天風呂のみで内湯はありません。民営であるため大人700円とやや高めの入湯料です。雨の後だったせいか、一人だけいた先客が早々にあがってしまったので、紅葉が必要以上に浮かんでいる浴槽の落ち葉拾いをしてあげました。気のせいか泉温もぬるくてコスパの良い温泉とは言えない印象でした。

さらに詳しくはビデオをご覧ください。


別府温泉道名人への足あと(7)第7湯 柴石温泉

2016年06月02日 22時59分48秒 | Weblog
別府内成のホリデーハウスを前進基地にして、大分県のみならずお隣の熊本や福岡へ足を伸ばすのも大きな楽しみです。Tさんから借りたジムニー君大活躍で杵築やら阿蘇に遠出したり、APU大学の天空祭(文化祭)にお邪魔したりと、温泉巡りの他にもやることがいっぱいあって別府八湯はしばらく巡っていません。



ネットで友達になった、洞爺湖つながりの友人Wさんとのオフ会。Wさんから勧められた、地元の魚屋さんの経営するレストランでのワンコインランチを堪能してから、千葉名産の落花生を手土産にWさんのお宅にお邪魔しました。神戸から移住して別府生活を満喫しているWさんご夫妻は、想像通りの活発なアスリート・カップルでした。ネットを通じて知り合った者同志が、お互いを良く知らないままに招き招かれ、初対面でありながら旧知の仲のように打ち解けて話し込む。こんな出会いは一昔前には想像もできなかった新しい人間関係ですね。性善説を信奉している者同志にのみ許されることなのでしょう。

すでにご夫妻で名人位を獲得しているWさんから教えて貰った温泉巡りノウハウの数々は説得力のあるものばかりで、その後の別府生活になくてはならないものとなりました。そのWさんから別府移住を盛んに勧められ、私はもう別府の住人になったような気分です。

私はまだまだ話し足りない気分ではあったものの、別府移住に話が及ぶに至ってカミさんから「ええ〜?!」満載のオーラが感じられたので、そろそろ潮時かと判断し、移住の話は今後長期的検討課題とすることにしてWさん宅を辞し、Wさんご夫妻との刺激的な話で火照った気持ちを鎮めるために訪れたのが柴石温泉でした。

市営の共同温泉にしては210円と高めなのは、施設が新しく他に比べて充実していることが体感でき納得したこと、ずいぶんと混んでいたことを記憶しいるほかは、あまり覚えていないので、名人になったらゆっくりと再訪したい温泉の一つです。

別府温泉道名人への足あと(6)第6湯 海門寺温泉

2016年06月01日 21時15分40秒 | Weblog


せっかく駐車場に停めたのだから他の温泉も回ろうとして温泉本の案内地図を眺めても、別府初心者には地名も位置関係もわからず、次に行くべき近所の温泉が探し当てられません。ずっと後になって見れば「あぁこんなところだったのかぁ!」と納得するのですが。

高等温泉の番台のおばさんに聞いたら、駐車場の反対側にある海門寺公園の中の海門寺温泉を勧められました。

平成22年にリニューアルされて綺麗になった市営温泉なので、これならうちのカミさんも喜んではいったろうに。
施設の詳細の写真がたくさん載ったサイトを見つけました。

ここにも「あつ湯」と「ぬる湯」があるので、まず最初にぬるい方で体を慣らし、次に地元の常連さんと思われるおじさんに挨拶しながら静かに「あつ湯」を試してみましたが、どちらかというと「あつ湯」のほうを好む私には44度の泉温は心地よい「あつさ」で「アッチッチ!」とまではいきませんでした。

温泉本の地図によればこの周辺には私好みの(言い換えればカミさんと一緒には来られない)鄙びた共同湯が山ほどありそうです。駐車場がない小さな温泉が多いので、いずれバスで来るか、無料駐車のノウハウを身につけた頃に訪れるとしましょう。

別府温泉道名人への足あと(5)第5湯 駅前高等温泉

2016年05月31日 23時59分06秒 | Weblog
ホリデーハウスに滞在したら、内成地区を知るためにも周辺の散策は必須アイテムです。なんせ日本人の心に残る原風景がテンコ盛りですから肩から力が一気に抜けて、体が癒されるだけでなくて心の中まで洗われて、「日本人でよかったぁ!」とつくづく感じる瞬間の連続です。

 
   

こんな景色を見た後は、日本人なら温泉にでも浸かって「あ〜あ極楽ごくらく!」と行きたいところです。地獄までは30分のドライブですが、普通の極楽なら15分のドライブで到達可能です。カミさんは「わたしゃ畑の菜っ葉の虫でも退治してたほうがいい」とのことだったので、昼飯の後は単身で別府温泉に乗り込みました。



別府初心者としては駅前の有料駐車場に停める他には策がなく、入湯料100円の温泉に入るのに300円の駐車料金をはらう、なんともコスパの悪いことですが、別府の友人知人から「無料駐車術」を後日教わるまでは税金代わりと観念したことでした。


駅前に車停めて駅前ロータリーからバス通りを別府湾に向かって歩き出すと、大正時代か昭和初期にタイムスリップしたような、なんともレトロな雰囲気に包まれた西洋館が目の前に現れました。「駅前高等温泉」とはなんともわかりやすい名前の温泉ですが、これが温泉とは知らずに通り過ぎてしまいそうです。
「あつ湯」と「ぬる湯」どちらかを選べと言われ、無難な「ぬる湯」を選んだ別府初心者です。

いつの日か機会を作って宿泊しながら両方の湯につかってみようと思います。

何が「高等」なのかは聞き忘れてしまいました。

別府温泉道名人への足あと(4)第4湯 堀田温泉

2016年05月30日 01時16分06秒 | Weblog
格安のレンタカーでも二週間借りるとなるとかなりの出費で頭の痛いところですが、ホリデーハウスは別府の裏山にあり車無しでは生活できません。そこにまたまた救世主現る!いつもお世話になっている別府の友人Tさんから、うちに乗ってない軽自動車があるから使えとの有り難いお話です。でも、二日前に借り出したばかりのレンタカーを三日目でキャンセルするのは先方にも悪いと、遠慮しようとしても、「キャンセルすれば大丈夫!」の一点張り。その気になってレンタカー会社に連絡したら、「いいですよ。また次の機会にご利用ください。」嘘みたいに気持ちのいい対応です。

 

友達の車はマニュアルのSUV、オフロード好きには一目おかれているジムニーで、私も一度乗ってみたい車ではありました。でも、マニュアル車なんて何年振りだろう。実に久しぶりの半クラッチ操作も、これはこれで自動車らしくて楽しいものでした。この車に阿蘇、熊本への遠征も手伝ってもらいました。

車の交換を済ませてTさん宅を辞した時には雨が降り出し、これから夜の山道をホリデーハウスまで半クラッチ使いながら走る自分を奮い立たせるため、途中の堀田温泉で一休みすることにしました。平成15年オープンと比較的新しい市営温泉で、シャワー・シャンプーも備わっている、カミさん好みの温泉です。内湯に加えて露天風呂もあり、何と言っても硫黄の香りがほのかに香る、私好みの温泉でもあります。

堀田温泉からホリデーハウスに帰るには、別府市街地に戻っては逆方向でもったいないからと、先日迷いに迷って覚えた志高湖経由の山道を通ることにしたのは良かったのですが、雨脚が強くなったのに加えて細い山道は濃霧に包まれてほとんど視界が効きません。昨日まで乗っていた軽自動車に比べてこのSUVはクッションが乏しく、道路の凸凹をそのまま体に伝えてくれるし、不慣れなマニュアルシフトの運転でエンスト寸前のクラッチさばき。隣に座っていたカミさんは本当に生きた心地がしなかった、このまま遭難するんじゃないかと本当に心配したようです。

フロントグラスに顔を擦り付けるようにして濃霧と土砂降りの夜の山道を運転すること約30分、ようやく見覚えのある奥別府かいがけ温泉「きのこの里」に到着です。夕食を頼もうとしたらもう厨房の火を落としてしまったとのこと、炊き込みきのこ御飯の弁当を買って帰ることとなりました。

ホリデーハウスまではもう残りわずか10分程度のドライブです。もう帰り着いたようなものです。せっかくだからスタンプは捺せないけどひとっぷろ浴びることに。入浴料300円はちょっと高めですが、なんとこれが素晴らしい源泉掛け流しの秘湯でした。別府は奥が深い!

ホリデーハウスから一番近い温泉ということで、「うちの風呂」として今後何度もお世話になる奥別府の名湯です。




別府温泉道名人への足あと(3)第3湯 不老泉

2016年05月28日 00時25分29秒 | Weblog
カミさんとも無事合流できて、いよいよ別府での長期滞在生活のスタートです。ロングステイだとか貸別荘だとか響きはリッチだけど、炊事洗濯を別府でもやらなきゃならないカミさんにとっては「脱日常」どころか日常そのものなのです。この点をカミさんに厳しく指摘されると極楽とんぼの私も複雑な気持ちになります。「掃除は僕がやるからさ」と小さな声でつぶやき、「でもここなら君の好きな自然に近い田園生活が目の前じゃん!」と言い訳にもならない御託を並べて来るべき二週間の平穏無事を願ったものでした。

 

カミさんも温泉は嫌いではないんだけど、私が好む、この写真のような鄙びた風情の共同浴場は苦手で、どちらかといえばシャンプーやリンスが完備されている市営大型温泉、旅館・ホテルの温泉以外は入りたがりません。従って、八十八湯の中で旅館系はカミさんも一緒に行き、市営・町営の共同温泉は私だけが巡るというパターンが定着することとなります。

ホリデーハウスの庭には地元の方や学生さんが育ててくれた野菜たちがまだいくらか残っていて、我々が自由に使って良いのです。ナス、ピーマン、トマトなどはしっかりと使わせてもらいました。

「温泉派」の私が一人で走り回り、シャワーも石鹸もない共同浴場のハシゴをしている時に、「自然派」のカミさんはホリデーハウス前の畑で野菜の収穫、虫退治に勤しみます。

   

温泉名人を目指すわけでもないカミさんを誘いながら私のスタンプも増やすには、シャワーのある大型浴場ということで、最近リニューアルして清潔感も増した不老泉からのスタートです。別府駅からも近く地元の人と観光客の双方に人気が高く、数年前初めて入った時より格段に賑わっていました。リニューアルの結果でやむをえないことながら以前の鄙びた感じがなくなって大型銭湯となっていたのには、ちょっとがっかりでしたが、熱い湯とぬるい湯の両方の湯船があるのは昔のままでしたし、湯上がりのさっぱり感は以前と変わらずで、カミさんも「いいお湯だったぁ!」との感想。悪いスタートではありません。


別府温泉道名人への足あと(2)第2湯 照湯温泉

2016年05月26日 17時43分59秒 | Weblog
カミさんが成田から大分空港に着く夕刻までにはまだ時間があります。ちょっと期待を裏切られた感の否めない竹瓦温泉のリベンジに、前にも来たことがある、私の好きな硫黄泉質の照湯温泉に足を伸ばすことにしました。別府八湯のうちでは一番山側の明礬温泉の入り口ですから別府市中心部からはおよそ20分のドライブです。敷地内に10台以上の駐車スペースがあったと記憶していたので空港に向かう前にゆっくりと楽しめそうです。

先客は一人だけ。ほぼ貸切状態だし、うっすらと硫黄の香りもするし、湯船のサイズも大きすぎず小さすぎず、何よりも嬉しいのはちょっと熱めの源泉が湯船から滔々と流れ出している、「これぞ源泉掛け流し!」を絵に描いたような温泉の鑑です。

名人道への道のりをたどって自分の踏んだ足あとを思い出しながら綴るこの雑記帳では、別府八湯の個別の温泉の紹介は同好の先達のサイトから拝借することとしています。

源泉かけ流しにこだわるこのサイトはそれぞれの温泉を仔細にわたって活写しており、私が足あとを辿る際にも、忘れかけた状況を思い出させてくれるスグレモノで、温泉好きの誰にでも大変参考になる興味深い記事が満載されています。

別府八湯温泉道に協賛するすべての温泉施設を網羅している事務局のサイトも温泉ガイドブックとして大変有益な情報が満載されていますので覗いてみてください。

私の温泉行脚でのもう一つのこだわりは、どこかで読んだ某温泉博士のアドバイスを忠実に守ることです。
① 温泉の薬効を最大限活かすためには石鹸で体を洗ってはならない。
② 体にまとった温泉をシャワーで流してはならない。
③ できればタオルで拭くことも控えて、自然に体が乾くのを待つのが理想。

そのため、私は温泉タオル一本だけをビニール袋に忍ばせて温泉を廻り、石鹸・シャンプーの類は一切持ち歩きません。その日に最初に入る温泉で髭を剃ることを常としているので、髭剃り道具だけは入れてありますが。

前進基地のホリデーハウスにはリフォームした大変綺麗な浴室があるのですが、温泉でないのが玉に瑕。今までに一度も入ったことがありません。これからも入らないでしょう、多分。





別府温泉道名人への足あと(1)第1湯 竹瓦温泉

2016年05月24日 23時55分30秒 | Weblog
私より1日遅れて大分入りするカミさんを空港まで迎えに行く前にひとっぷろ浴びようと、ホリデーハウス周辺の温泉を物色。いずれも別府八湯の圏外なのでスタンプは稼げないことは覚悟の上なれど、早朝から営業している温泉がなく、ようやくたどり着いたのが高崎山山麓にあるおさるの湯



温泉道に励み、表泉家八十八箇所を無謀にも一週間程度の短期間に浴衣姿で巡る人を、温泉道の世界では「湯遍路さん」と呼んでいます。私の場合はじっくりと腰を落ち着けてスパポートの有効期限内、つまり別府の湯が尽きる前に名人になれば良しとするので「湯遍路さん」ほどの悲壮感、切迫感は持ち合わせていませんが、だからと言って番外の温泉にゆっくり浸かっている余裕はないのです。表泉家(温泉道に参加している温泉施設をこう表現します。参加していない温泉は「裏泉家」)の敷居をまたぐ前に番外なんてちょっと贅沢です。

そんな気持ちも手伝って午後一番の入浴は第1湯竹瓦温泉。別府温泉のいわば「いの一番」的存在です。



西国三十三ヶ所札所巡りや四国八十八ヶ所霊場巡りとは異なり、温泉道で巡る温泉に番号は付いていません。どのような順番で廻っても構いません。これから二週間滞在する別府の中心地を馴らし運転している間に偶然通りかかったのがこの竹瓦温泉でした。市街地は駐車場に金がかかるのが難点ですが、勝手のよくわからない初日なので隣の有料駐車場に停めて入浴です。なるべく駐車料金のかからない方策を見つけるのが長期滞在の課題ですね。

風情があり歴史を感じさせる建物には圧倒されますが、別府温泉で一番有名な温泉で入浴者が多いせいか、湯船から滔々と源泉が溢れて流れ出るなんてこともなく、湯船の縁よりだいぶ低い水位に湯が止まっていたため、清潔感に欠ける印象でした。「ぜひまた来たい」とは思えない、ちょっと残念なスタートでした。

気を取り直して次の第二湯「照湯温泉」に向かいます。