星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(75) 収穫の秋

2007年09月09日 00時59分09秒 | Weblog

9月に入って朝晩はめっきり冷え込み、日中も27~8℃の毎日。ケロウナはもう秋の気配が濃くなってきています。

8月上旬にリンゴの間引きを手伝いに体験入園した、バーノンのSさんのリンゴ園を再訪しました。早いもので、もうあのリンゴの収穫の時期とのことです。間引きのときと同じように人手不足らしいので、素人でも歓迎してもらえそうだし、なんと言っても、先月の間引きの結果をこの目で確かめてみたい気持ちが動いたのです。

今度は道に迷うことも無く、約束の時間通り8時過ぎには到着し、到着早々に呼ばれたお茶も断って「今日は真面目に仕事しますから」とやる気満々です。Sさんご夫妻は6時過ぎから畑に出て、水遣りのチェックをするなど既に一仕事済ませているのですから、われわれの「真面目」なんて、高は知れていますが。

今日来るはずだったメキシコ人の作業員が、何の連絡もなしに欠勤したとのことで、Sさんが我々に寄せる期待のまんざらでもなさそうな雰囲気が、取り扱い要領を説明するSさんの熱の入れ方から感じ取れます。こちらの「やる気」も増そうと言うものです。

一ヶ月前には青みが勝っていたリンゴがすっかり赤くなり、「間引かれた仲間の分も頑張ったんだぞ」と言わんばかりに、いかにも身の引き締まって成長した姿を、青空を背にして誇らしげに陽光に輝かせています。間引きは間違っていなかったようで、一安心です。

首から掛けた「前掛け」のような袋にリンゴを採り、20~30個採ったら近くのコンテナーに収める作業の繰り返しです。色づき具合の良いものは、リンゴを持ちながら少し上方にひねると面白いように簡単に「ヘタ」ごと枝から採れて、いかにも売れそうな姿形になりますが、熟れ方が足りないリンゴを無理にもぐと、ヘタが取れたり葉っぱごと枝の途中から折れたりと、こちらの技量を試されているようで緊張します。

虫食いや姿形が悪くて明らかに商品価値の無いリンゴを出荷すると、協同組合での品質検査で相応のペナルティーを課されるそうです。収穫量に応じた出来高契約の季節労働作業員は、「質より量」に走りがちで、このペナルティーも馬鹿にならないそうです。今日の作業員は「量」は望むべくも無いので、せいぜい「質」を重んじて、罰金だけは課されないようにと、これまたやや緊張したものです。大丈夫かな?

午前中3時間はうす曇り、微風のなかでの作業。仕事は碌にはかどらないのにイッチョ前に10時のお茶を振舞われ美味しく頂きました。仕事に慣れてハッスルした午後の2時間は気温も湿度も高くなる中で、作業員らしい作業であったと自負しています。3時のお茶にご馳走になった、採れたてプルーン入りのアイスクリームの美味しかったこともさることながら、緑陰に寝転んで、心地よい風に身体を任せた、あの十数分の至福の時は忘れられません。まさに大自然(Mother nature)の懐の中で生き返ったという実感でした。

コンテナーへの往復時間が勿体無くて、ついつい前掛け袋一杯にしてから坂を上ってコンテナーに行くものだから、知らず知らずのうちに首・肩・腰への負担がかかったものと見えて、終わってみれば、そこらじゅうが痛み出しそうな体たらく。またまたシティーボーイのだらしなさを反省することしきりです。

でも、リンゴがぎっしり詰まった5~6個のコンテナーを見て、Sさんに「今日は本当に助かった」とお世辞を言ってもらっただけで疲れが吹っ飛びました。「こんなのでよければまた来週も来ますから」と愛想を言うのを忘れない私でした。

来週は日本から来るKさん夫妻も引っ張り込んで、4~5人の臨時作業員を調達できそうな目処がたっているので強気なんです。


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