小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

求心力を失ったみんなの党は、どこへ漂流するのか?

2014-04-09 08:41:25 | Weblog
「政治とカネ」の問題は、「カネは妻が管理していた」「金利を付けて返した」ではすむことではない。
 猪瀬直樹前都知事が、そう述べて都知事職を辞任したとき、みんなの党の渡辺前代表はどういっていたのか。
 渡辺前代表は辞任会見で「借り入れは個人的なもので、金利を付けて返した。違法性はない」と強調した。
 しかし、貸した側のDHC吉田会長は「選挙資金として貸した」という認識を変えていない。同時に「金は返してくれたのだから立派だ」と、渡辺氏に抱いていた疑念は払しょくされたとしている。
 だが、渡辺氏が吉田氏から借りた金は、参院選直前の3億円と、衆院選直前の5億円の計8億円に上る。その巨額の資金の使途は、渡辺氏から吉田氏にあてたメールの内容からも、みんなの党から出馬した立候補者の供託金に充てられた可能性が極めて濃厚である。
 渡辺氏が、個人的に吉田氏から8億円を借りて、その金をこれまた個人的にみんなの党の新人立候補者の選挙資金としてばらまいたというなら、その資金の内訳は「政治とカネ」については厳しい姿勢を貫いてきた人だけに、明確にすべきだろう。
 政治資金規正法には抜け道があって、個人対個人間の金銭の移動については収支報告書に記載しなくてもよいことになっている。だが、「政治とカネ」について日頃から厳しい倫理観を誇示していた渡辺氏の場合は、「そういう抜け道があるのだから明らかにする必要はない」などと言えた義理ではないはずだ。
 みんなの党は、今週中にも新代表を選出するという。「代表選には複数の立候補者が出ることが望ましい」という声も党内に出ているようだ。「渡辺商店」と揶揄されるほど渡辺氏の個人色が強い政党だけに、公明正大な選挙によって新代表を選出することで、「渡辺カラー」を少しでも薄めたいという思惑が見て取れる。
 みんなの党から飛び出して結いの党を立ち上げた江田氏は長期にわたり、党内に江田派のグループ形成を図ってきた。江田派グループが党外に出た今、果たして立候補者が複数出たとしても、党の求心力になるような形はつくれそうもない。政治資金もこれからは渡辺氏に頼れない。「カネの切れ目が縁の切れ目」――みんなの党がそうならないという保証はない。