小保方晴子氏がようやく記者会見の場に姿を現した。大阪市内のホテルの大会議場である。300人が詰めかけ、会見は小保方氏の体調から短時間で打ち切られるだろうと思っていたが、予定されていた時間は2時間という長時間で、実際には予定時間を30分もオーバーする会見だった。
ふつうこの類の記者会見は記者クラブが手配し、記者クラブに属したメディアにしか通知されない。週刊誌や夕刊紙、フリーのジャーナリストは特殊なコネを使わないと会場に入ることすらできない。
が、今回の記者会見は、すべて小保方氏側が仕切ったようだ。さすがに「誰でも」と無制限にはしなかったと思われるが(危険回避のため当然身元確認くらいはしたと思う)、会場にはフリーのジャーナリストや週刊誌の記者、スポーツ紙の記者などが混在し、収拾がつかなくなるのではないかと心配したが、会見は比較的整然と行われた。
小保方氏は心身ともに体調が万全ではなく、実際ホテルの控室には医者が万一に備えて待機していたというから、姿を見せなかった3か月近くの間、小保方氏が逃げ回っていたということではないようだった。実際、ほとんどの質問(かなり専門的な分野に及ぶ質問)にもよどみなく答えていた小保方氏だが、理研の調査や検証研究の問題に及ぶと口を濁すシーンも少なくなかった。いまでも理研の職員である小保方氏が、公然と理研に反旗を翻すのを避けたのか、それとも理研側から何らかの圧力があったのか――そういう疑念を抱かざるを得ない記者会見ではあった。
問題は以前から私が指摘してきたように二つあり(※論文の不正問題とSTAP細胞の存否)、リンクさせるべきではないと私は主張してきた。ところが昨日の記者会見では、結果的にリンクしたようなやり取りになってしまった。その責任の一端は小保方氏にあることは疑いを容れない。
基本的に記者たちの関心はSTAP細胞が本当に存在するのかという一点に絞られていたようだ。だから、その点に対する質問は、私にも理解できない専門的な分野にも及び、そうした専門的な質疑応答に私が口を挟めるほどの知識があるわけではないので、一見よどみなく答えていた小保方氏の説明については専門の研究者の判断に任せるしかないが、小保方氏が「私自身はSTAP現象の再現に200回以上成功しており、(証拠の)写真も1000枚以上ある」と主張したこと、また「自分が関係しない実験で(STAP現象の再現に)成功した人も一人いるが、その人の名前はプライバシーの問題もあって公にできない」と証言したことについては、私自身は多少もやもやしたものを禁じ得ない。
私は一貫して「RTAP細胞は存在したのではないか。ただし再現実験に成功したという人が現れていない以上、きわめて再現性が低い“突然変異”的現象だったのではないか」と主張してきた。そして突然変異などないと常識的には考えられている物理的現象にも、きわめて再現性が困難で、現象としては突然変異的に見えるケースに私自身が遭遇したことも書いた。
そういう意味では小保方氏が200回以上も成功していながら、再現に成功した人が依然として出てこない(※小保方氏によれば、名前は公にできないが自分とは別個に再現した人がいるようだが)以上、考えられる一般的ケースは二つしかないと思う。
ひとつは、小保方氏が万能細胞の一つとされているES細胞を何らかの理由で勘違いして新種の万能細胞と思い込み、STAP細胞と命名し、今でもその思い込みを信じている可能性である。それは小保方氏がSTAP現象が生じたと主張している根拠の1000枚に及ぶ証拠写真の精査を、理研以外の権威ある研究機関に依頼すれば第三者の判定として有効性が高まると思う。それもできれば複数の研究機関(海外も含め)に依頼すれば、信ぴょう性はより高くなる。
もう一つ気になるのは、小保方氏にとってはいとも簡単に再現できるSTAP現象が、なぜほかの研究者にとっては不可能なのかということだ。小保方氏によれば、「(STAP現象の再現には)ちょっとしたコツとレシピが必要」ということだが、その「コツとレシピ」をなぜ公開しないのかという疑問が残る。
いま私は白内障の手術を受けており、4月3日に右目を手術して視力は順調に回復しつつあるが、非常に慎重な眼科医で左目の手術は17日の予定になっている。テレビで見たことだが、三井記念病院には日帰りで両眼の手術をする名医がいるという。ただ、この手術はだれにでもできる手術ではなく、芸術家のような手先の器用さが必要らしく、この医者が開発した手術法が一般化するとしたら、この眼科医のテクニックをコンピュータに記憶させてロボットに手術させるようにするしか方法はないと思う(※これは医者ではない私の思い付き)。
私が白内障の手術を例に出したのは、小保方氏がSTAP現象の再現のために使用したと主張する「コツとレシピ」が極めて特殊なもので、だれにでも使えるものでないとしたら、「コツとレシピ」が小保方氏の頭の中にしかない状態のままでは、STAP現象が実在したとしても人類の未来に光をともす画期的な発明にはなりえない。「コツとレシピが必要」と主張する以上、その中身を公開するのが研究者としての責務ではないか。
STAP論文についての理研の「改ざん。ねつ造」説については明日書く。
ふつうこの類の記者会見は記者クラブが手配し、記者クラブに属したメディアにしか通知されない。週刊誌や夕刊紙、フリーのジャーナリストは特殊なコネを使わないと会場に入ることすらできない。
が、今回の記者会見は、すべて小保方氏側が仕切ったようだ。さすがに「誰でも」と無制限にはしなかったと思われるが(危険回避のため当然身元確認くらいはしたと思う)、会場にはフリーのジャーナリストや週刊誌の記者、スポーツ紙の記者などが混在し、収拾がつかなくなるのではないかと心配したが、会見は比較的整然と行われた。
小保方氏は心身ともに体調が万全ではなく、実際ホテルの控室には医者が万一に備えて待機していたというから、姿を見せなかった3か月近くの間、小保方氏が逃げ回っていたということではないようだった。実際、ほとんどの質問(かなり専門的な分野に及ぶ質問)にもよどみなく答えていた小保方氏だが、理研の調査や検証研究の問題に及ぶと口を濁すシーンも少なくなかった。いまでも理研の職員である小保方氏が、公然と理研に反旗を翻すのを避けたのか、それとも理研側から何らかの圧力があったのか――そういう疑念を抱かざるを得ない記者会見ではあった。
問題は以前から私が指摘してきたように二つあり(※論文の不正問題とSTAP細胞の存否)、リンクさせるべきではないと私は主張してきた。ところが昨日の記者会見では、結果的にリンクしたようなやり取りになってしまった。その責任の一端は小保方氏にあることは疑いを容れない。
基本的に記者たちの関心はSTAP細胞が本当に存在するのかという一点に絞られていたようだ。だから、その点に対する質問は、私にも理解できない専門的な分野にも及び、そうした専門的な質疑応答に私が口を挟めるほどの知識があるわけではないので、一見よどみなく答えていた小保方氏の説明については専門の研究者の判断に任せるしかないが、小保方氏が「私自身はSTAP現象の再現に200回以上成功しており、(証拠の)写真も1000枚以上ある」と主張したこと、また「自分が関係しない実験で(STAP現象の再現に)成功した人も一人いるが、その人の名前はプライバシーの問題もあって公にできない」と証言したことについては、私自身は多少もやもやしたものを禁じ得ない。
私は一貫して「RTAP細胞は存在したのではないか。ただし再現実験に成功したという人が現れていない以上、きわめて再現性が低い“突然変異”的現象だったのではないか」と主張してきた。そして突然変異などないと常識的には考えられている物理的現象にも、きわめて再現性が困難で、現象としては突然変異的に見えるケースに私自身が遭遇したことも書いた。
そういう意味では小保方氏が200回以上も成功していながら、再現に成功した人が依然として出てこない(※小保方氏によれば、名前は公にできないが自分とは別個に再現した人がいるようだが)以上、考えられる一般的ケースは二つしかないと思う。
ひとつは、小保方氏が万能細胞の一つとされているES細胞を何らかの理由で勘違いして新種の万能細胞と思い込み、STAP細胞と命名し、今でもその思い込みを信じている可能性である。それは小保方氏がSTAP現象が生じたと主張している根拠の1000枚に及ぶ証拠写真の精査を、理研以外の権威ある研究機関に依頼すれば第三者の判定として有効性が高まると思う。それもできれば複数の研究機関(海外も含め)に依頼すれば、信ぴょう性はより高くなる。
もう一つ気になるのは、小保方氏にとってはいとも簡単に再現できるSTAP現象が、なぜほかの研究者にとっては不可能なのかということだ。小保方氏によれば、「(STAP現象の再現には)ちょっとしたコツとレシピが必要」ということだが、その「コツとレシピ」をなぜ公開しないのかという疑問が残る。
いま私は白内障の手術を受けており、4月3日に右目を手術して視力は順調に回復しつつあるが、非常に慎重な眼科医で左目の手術は17日の予定になっている。テレビで見たことだが、三井記念病院には日帰りで両眼の手術をする名医がいるという。ただ、この手術はだれにでもできる手術ではなく、芸術家のような手先の器用さが必要らしく、この医者が開発した手術法が一般化するとしたら、この眼科医のテクニックをコンピュータに記憶させてロボットに手術させるようにするしか方法はないと思う(※これは医者ではない私の思い付き)。
私が白内障の手術を例に出したのは、小保方氏がSTAP現象の再現のために使用したと主張する「コツとレシピ」が極めて特殊なもので、だれにでも使えるものでないとしたら、「コツとレシピ」が小保方氏の頭の中にしかない状態のままでは、STAP現象が実在したとしても人類の未来に光をともす画期的な発明にはなりえない。「コツとレシピが必要」と主張する以上、その中身を公開するのが研究者としての責務ではないか。
STAP論文についての理研の「改ざん。ねつ造」説については明日書く。