名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190906

2019-09-06 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

これで手が作れるとは思えませんでした。

A 57桂  B 55歩  C 95歩

 

第2問

 

こういう手で迷わせます。

A 63歩  B 65桂  C 54歩

 

第3問

 

ここから速度が急に上がります。

A 53銀  B 63銀  C 66角

 

 

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大山将棋研究(1347);向い飛車に65歩急戦(有吉道夫)

2019-09-06 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190906

昭和44年4月、有吉道夫先生と第28期名人戦第2局です。

大山先生の向い飛車です。昔は64歩を突くのが常識だったので

有吉先生が急戦をねらうのは自然です。なのに大山先生は57銀型で軽く構えます。

有吉先生は桂を跳ねて65歩急戦をねらいます。大山先生の46銀は軽いですね。大野流と呼ぶべきかもしれません。65歩55歩同歩65歩という将棋です。

有吉先生は44歩と止めてから65歩。いつでも45歩で角筋が通ります。

桂を跳ねて73銀は、とりあえず86歩同歩84歩の筋に備えた手です。

64銀右とされる前に大山先生は桂をぶつけました。

64銀右に68飛

桂交換して65歩に57桂?変な形に見えますが、これでさばけるのでしょうか。73桂には何もないけれど、後手からも動きにくいからということなんでしょうね。

62飛には66歩同歩同角。65歩は同桂同銀84角でしょうか。後手が歩切れなので馬を作って悪くないと。

有吉先生は82飛から75歩。

55歩76歩までは気持ちよいですが、中央を収めるのも大変か。

77歩成同角72飛78歩は指したいような指したくないような。ここでも54歩同金55歩が残っています。

74飛は妥当なところですが、63歩は悩ましいです。52金で何もなければ良いのですが。

66歩だったので54歩同銀62歩成。これでは後手失敗のようですが

56歩で桂を取れるからということでした。大山先生は角で66歩を払います。(こういう変化では77歩成同角72飛78歩が後手マイナスではないかと思えますが。)

有吉先生は桂を取って65桂。

56歩で有利、ではありません。55歩が取れないし、57歩成同金同桂成同角も自信なし。

45歩から銀の取り合いは仕方ないです。

63銀に57歩成で激しくなります。

飛銀と飛金の取り合いで

さらに金の取り合い。

先手玉はゼットですね。後手玉は詰めろ。ならば42金打から千日手になるかどうかなんですが。42金打ち43銀成同金53金42金打54金打は受けにくいけれど、24歩~23玉で勝負できるか。

ところがあっさり54同金だったので52飛~54成銀で詰めろ。受けもないのであっさり終わりました。

 

有吉先生の終盤の折れ方が不可解です。直線的な順なので時間切迫もしていないと思うのですが。見落としするようなところもなさそうです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/04/23
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:有吉道夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 4八玉(59)
12 6四歩(63)
13 3八玉(48)
14 4二玉(51)
15 6六歩(67)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 7四歩(73)
23 5八金(69)
24 4二銀(31)
25 5七銀(68)
26 9四歩(93)
27 9六歩(97)
28 5三銀(42)
29 3六歩(37)
30 4二金(41)
31 2六歩(27)
32 7三桂(81)
33 4六銀(57)
34 4四歩(43)
35 3七桂(29)
36 6五歩(64)
37 同 歩(66)
38 同 桂(73)
39 6六角(77)
40 7三銀(62)
41 9七香(99)
42 4三金(52)
43 7七桂(89)
44 6四銀(73)
45 6八飛(88)
46 7七桂成(65)
47 同 角(66)
48 6五歩打
49 5七桂打
50 6二飛(82)
51 6六歩打
52 同 歩(65)
53 同 角(77)
54 8二飛(62)
55 7七角(66)
56 7五歩(74)
57 5五歩(56)
58 7六歩(75)
59 9九角(77)
60 7七歩成(76)
61 同 角(99)
62 7二飛(82)
63 7八歩打
64 7四飛(72)
65 6三歩打
66 6六歩打
67 5四歩(55)
68 同 銀(53)
69 6二歩成(63)
70 5六歩打
71 6六角(77)
72 5七歩成(56)
73 同 角(66)
74 6五桂打
75 3九角(57)
76 5六歩打
77 5五歩打
78 4五歩(44)
79 5四歩(55)
80 4六歩(45)
81 6三銀打
82 5七歩成(56)
83 7四銀成(63)
84 6八と(57)
85 6四成銀(74)
86 5八と(68)
87 5三歩成(54)
88 4九と(58)
89 4三と(53)
90 同 金(42)
91 5四銀打
92 同 金(43)
93 5二飛打
94 3三玉(32)
95 5四成銀(64)
96 投了
まで95手で先手の勝ち

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20190906今日の一手(その918);力強い攻め

2019-09-06 | 今日の一手

20190906今日の一手

 

1月27日の名南将棋大会から、私とAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

角と銀歩の交換で馬を作っていますから先手の駒得です。

玉の堅さは馬がある分だけ先手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は持ち駒角1枚。

後手の攻め駒は65飛と持ち駒銀で2枚。

 

総合すれば先手有利です。

 

☆ 大局観として

先手の劣っているのは攻め駒の数だけです。

駒得なので受けに回って長期戦でも良いでしょうし、攻め駒を増やして寄せ合いを目指すのもありそうです。

当面は後手の69歩成や67飛成をどうするかです。受けるか放置するか。受けるのは長期戦ねらいですし、放置するのは寄せ合いを目指すことになります。

 

 

☆ 簡単なまとめ

56金と出て、金桂を攻めに使うのが良さそうです。67飛成に77飛というのも気持ちよいです。

 

 

△72角はさらに駒得を目指そうという手です。

69歩成78飛67飛成48飛68と81角成58銀91馬

対抗型では駒得を重く見るべきかもしれませんが、駒得が大きくなっても攻められているので有利が広がったと言い切れるかどうか。ただ73馬とすれば自玉の守りにも働くのですから、まだ先手がリードしています。

 

 

△ 振り飛車党としては77桂は跳ねてみたいところです。

67飛成に58角

もったいないですが角を守りに打って、61竜35歩23銀34歩同銀35歩23銀36金

ここまで進めば先手有利がはっきりします。

 

後手としては61竜を63竜に変えて35歩に同歩と応じてみます。

35同馬34歩同馬(これが竜取りにならない)23銀35馬34歩26馬69銀

駒得がほとんど消えてしまうので先手としては面白くないです。

 

 

× 59金はおとなしい受けで

 角は温存できるものの、88銀78飛69歩成

銀金の取り合いでは少し損をしています。

 

 

△か× 単に35歩でも

69歩成78飛67飛成48飛35歩

歩切れなので桂頭攻めが厳しくないのです。35同馬34歩同馬23銀35馬34歩

後手は と金を作っているので駒得は消えていきそうです。

 

 

○ 56金は金を攻めに使おうという手です。

67飛成には77飛がぴったり。63竜に45桂

馬角金桂で攻めようというわけです。左の飛桂が取り残されていますが、後手の73銀81桂も遊んでいるのでそんなにおかしくはありません。63竜が移動すれば67飛のチャンスが来ます。

 

 

△ 56角と打てば

47金は守りにつけたまま戦えます。66飛に45桂

としていくか、45桂の代わりに77飛69歩成67飛

飛をさばくのもあるでしょう。ただし角が取り残される(切る駒がない)のが気がかりです。

 

 

△ 実戦は75歩でした。

飛を攻めに使おうというわけですが、遊んでいる73銀を相手にするのですから好手には見えません。69歩成76飛68飛成74歩84銀86角

この角打ちに期待したのですが、67竜77飛68竜73歩成58銀

先に食いつかれた図が思わしくありません。こうなると馬の守備力が発揮できないわけで、簡単に寄せられてしまいました。

 

途中で先手としては77角が好位置です。

66飛のぶつけと、79竜には45桂同桂43歩成

という攻め筋があります。

 

後手としては77角を打たれないように(68飛成ではなく)67飛成が正しいです。

86飛68と48金引78竜

59銀や89竜を見て形勢不明です。

 

 

△ 他には77飛とかわしておくとか。

これは69歩成に35歩か72角かということになりそうです。56角68飛成67飛もありますね。

 

 

△ あるいは78飛とかわしておくとか。

69歩成48飛

とすれば飛を4筋で使えそうです。

 

69歩成ではなく67飛成77飛61竜というのは

後手に選択権があります。

 

 

☆ まとめ

形勢は良いので基本的には自然な手で構いません。

35歩が自然な攻め手ですが、歩切れなので35同歩同馬の時に34歩同馬23銀と先手を取って受けられます。パッとしない感じがありますが、悪くはないです。

77桂も自然ですが、後手に67飛成を許すので何とも言えません。58角と打つのではちょっと不満な感じがします。

72角は駒得だけれど、元が駒得なので緩手の可能性もあります。ちょっと読まないと危険です。

飛を使うならば75歩か78飛か77飛か。これらはその先が難しいです。

 

ちょっと違和感があるかもしれませんが、56金とするのが好手でした。67飛成に77飛とぶつけるのも気持ちよいです。右翼で戦うと後手の73銀を相手にしないというのも良い感じです。

同様に56角も比較の対象です。ここでは56金のほうが優りそうですが。

 

 

 

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