名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190912

2019-09-12 | 大山将棋研究

先手番内藤先生の手を考えます。

第1問

 

ねらいのある手です。

A 16歩  B 95歩  C 86飛

 

第2問

 

この手が良く効きました。

A 56角  B 35歩  C 56飛

 

第3問

 

指されてみればなるほどです。

A 35歩  B 25歩  C 65角

 

第4問

 

この手も気持ちよいです。

A 33歩  B 95桂  C 65桂

 

第5問

 

後手玉の寄せ方は?

A 41銀  B 53成桂  C 36桂

 

 

 

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大山将棋研究(1353);横歩取り(内藤国雄)

2019-09-12 | 大山将棋研究

今日の棋譜

昭和44年5月、内藤国雄先生と第14期棋聖戦です。

76歩34歩96歩のスタートだったので、相振り模様だと思った大山先生は84歩。内藤先生は26歩で相居飛車です。

負けられない将棋ならば大山先生は矢倉にしたかもしれませんが、内藤先生得意の横歩取りを受けて立ちました。かなり珍しくてブログでは2局目です。1局目はこちら。

後手が横歩取りをしていて、96歩型なので先手よしになる順がありそうなのですが、私はさっぱり。

よく見る77角型は内藤先生が流行らせました。

先手番なのに2手損して角交換してしまいました。後手が横歩を取るために手損しているとはいえ、つまらない指し方でしょう。

大山先生の飛は8筋を追われましたが35歩を突いて使います。

94歩同歩92歩同香86角を嫌って83歩では、内藤先生の作戦勝ちです。

大山先生は飛を使って何とかしたいところです。

隙を見て飛をぶつけ

3筋で歩を手に入れます。

内藤先生は自陣角を打ち

今度は12歩をねらいます。

大山先生は34歩で受けるのですが

24歩を打ったところで歩を合わされて

75歩を取られるのは痛いです。

後手の飛の詰めろ。

自陣角で受けることになりました。この角は働きが弱いので、端を謝っても内藤先生の作戦勝ちは広がっていきます。

今度は92歩同香74角のねらいです。

83金で受けられても香を手に入れて

45香を打ち

飛の詰めろでした。35歩で受けられたら

両方の桂を中央に跳ねるというのは横歩取りの理想です。

45銀同銀24飛で急場をしのがれても、73歩の手筋から

95桂を打ち

角を取りました。やや筋悪なので

田楽刺しで返されて大丈夫でしょうか?

先手玉も危なくなってきました。

玉は上に逃げ出しますが

角桂だけでも上を押さえられそうです。

かなり危険な形ですが、後手の手駒不足なのが頼りです。

82角成で上に逃げ出したいのですが、飛を捕獲されました。

83角を取り

77桂を打ち、

どうやら逃げ切ったようです。先手玉は捕まりません。

後手玉のほうは36桂と捨てて

35銀~24銀で飛を取れば寄せられるでしょう。

かなり長い将棋でしたが、後手玉は入玉できなくてここまで。

 

内藤先生の横歩取りがはまりました。この棋聖戦で横歩取りを駆使して中原先生を破り、初タイトルを取ったのでした。

大山先生とは言え、対抗型と横歩取りでは感覚が違い過ぎます。力を出せませんでした。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/05/24
手合割:平手  
先手:内藤国雄8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 8四歩(83)
5 2六歩(27)
6 8五歩(84)
7 2五歩(26)
8 3二金(41)
9 7八金(69)
10 8六歩(85)
11 同 歩(87)
12 同 飛(82)
13 2四歩(25)
14 同 歩(23)
15 同 飛(28)
16 7六飛(86)
17 7七角(88)
18 7四飛(76)
19 8八銀(79)
20 2三歩打
21 2六飛(24)
22 8四飛(74)
23 2二角成(77)
24 同 銀(31)
25 7七桂(89)
26 5二玉(51)
27 8五歩打
28 5四飛(84)
29 4八銀(39)
30 7二金(61)
31 5八玉(59)
32 3五歩(34)
33 3八金(49)
34 1四歩(13)
35 9五歩(96)
36 8三歩打
37 1六歩(17)
38 7四歩(73)
39 8七銀(88)
40 7五歩(74)
41 3六歩(37)
42 2四飛(54)
43 2五歩打
44 3四飛(24)
45 3五歩(36)
46 同 飛(34)
47 3七銀(48)
48 3四飛(35)
49 5六角打
50 5四飛(34)
51 1五歩(16)
52 同 歩(14)
53 2四歩(25)
54 3四歩打
55 2三歩成(24)
56 同 銀(22)
57 4六銀(37)
58 2四歩打
59 2五歩打
60 同 歩(24)
61 同 飛(26)
62 3三桂(21)
63 7五飛(25)
64 7四歩打
65 7六飛(75)
66 1六歩(15)
67 6五角(56)
68 4四飛(54)
69 3七桂(29)
70 8二角打
71 1八歩打
72 6二銀(71)
73 8四歩(85)
74 2六歩打
75 2八歩打
76 8四歩(83)
77 9四歩(95)
78 8三金(72)
79 9三歩成(94)
80 同 香(91)
81 9四歩打
82 同 香(93)
83 同 香(99)
84 9三歩打
85 4五香打
86 同 桂(33)
87 同 桂(37)
88 3五歩(34)
89 5六角(65)
90 3四銀(23)
91 6五桂(77)
92 4五銀(34)
93 同 銀(46)
94 2四飛(44)
95 7三歩打
96 同 桂(81)
97 9五桂打
98 9四金(83)
99 8三桂成(95)
100 6五桂(73)
101 8二成桂(83)
102 5七桂成(65)
103 同 玉(58)
104 5五香打
105 7二成桂(82)
106 5一銀(62)
107 7三角打
108 5四香打
109 7四飛(76)
110 5六香(55)
111 6六玉(57)
112 8三角打
113 7五飛(74)
114 7四桂打
115 7七玉(66)
116 8五桂打
117 7六玉(77)
118 9七桂成(85)
119 8二角成(73)
120 8七成桂(97)
121 同 金(78)
122 6四銀打
123 6一銀打
124 4二玉(52)
125 8三馬(82)
126 4四歩(43)
127 9五歩打
128 7三歩打
129 7七桂打
130 4五歩(44)
131 9四歩(95)
132 3三玉(42)
133 7三成桂(72)
134 7五銀(64)
135 同 玉(76)
136 9八飛打
137 8八歩打
138 5七香成(56)
139 6三成桂(73)
140 7六歩打
141 3六桂打
142 同 歩(35)
143 3五銀打
144 7七歩成(76)
145 2四銀(35)
146 同 玉(33)
147 2一飛打
148 2三桂打
149 5一飛成(21)
150 8七と(77)
151 7四玉(75)
152 8八飛成(98)
153 1一龍(51)
154 7一桂打
155 4四角打
156 7八龍(88)
157 7七歩打
158 3五銀打
159 1四銀打
160 1五金打
161 1三龍(11)
162 3四玉(24)
163 5三角成(44)
164 7七龍(78)
165 7五歩打
166 8三桂(71)
167 2三銀(14)
168 同 金(32)
169 1五龍(13)
170 5六角打
171 7三玉(74)
172 2四銀打
173 1二龍(15)
174 7五龍(77)
175 同 馬(53)
176 同 桂(83)
177 5三飛打
178 3三金(23)
179 5四飛成(53)
180 4四銀打
181 5六龍(54)
182 同 成香(57)
183 5二角打
184 投了
まで183手で先手の勝ち

 

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20190912今日の一手(その921);攻防手、強い受け

2019-09-12 | 今日の一手

20190912今日の一手

一昨日の問題の少し前の局面です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

銀と飛桂(歩歩)の交換ですから先手の大きな駒得です。ただし終盤ですので重視しません。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は45桂と持ち駒飛角金桂で5枚

後手の攻め駒は59角74銀と持ち駒銀で3枚。

総合すれば先手有利でしょうか?

 

何手で詰めろになるかを数えたほうが正確で、後手玉は24歩で詰めろ(を読むのは大変ですが)、先手玉は88銀で詰めろ、先手番なので先手有利です。

 

☆ 大局観として

寄せ合いと見れば後手玉に詰めろをかければよいです。持ち駒が豊富なので勝ちやすいでしょう。24歩で詰めろといううのを読み切れないといけないのですが。

攻防の手があればもう少し簡単でしょうが、読んでみると実は難しいのです。

寄せ合いをあきらめて入玉を目指すのもあります。持ち時間がなければこのほうが間違いがないかも。

 

☆ 簡単なまとめ

24歩が詰めろだと読み切れますか?

読み切れないときは75金

など銀取りで85の地点を守れば勝ち筋です。

 

 

○ 24歩とすれば

詰めろになっているのですが読み切れますか?読み切れた方は正解です。85銀打97玉77角成23金

ここからです。23同金(31金32金同玉23歩成41玉も読まねばならない)同歩成同玉24歩同玉25飛同玉17桂

16玉25桂26玉27金25玉16金24玉27飛

37飛を使って詰みます。

 

後手としては受けて2手すきを延ばせればよいのですが、85歩97玉12銀

62飛37角成23金

23同銀同歩成同玉24歩同玉32飛成

37飛を取られても先手玉が少し安全になるので先手の勝ち筋です。

 

 

× 実戦では41角と打ちました。

銀取りで攻防の手です。85歩97玉77角成24歩

先手玉が詰めろではなく、後手玉は簡単な詰めろですから先手勝勢です。これは41角が好手になっているのですが、後手としては85歩を85銀打に変えると

77角成が96銀以下の詰めろなのです。41角が浮けに役立たず、先に詰めろをかけられて先手不利です。74角成も同銀が詰めろです。

ということで受けて手を延ばすしかありません。88金76馬24歩42金引

金を手放したので24歩が詰めろにならず、角切りの催促で先手不利です。

 

 

× 82飛は攻防の手です。

41角と違って85にも利きがあります。でも88銀89桂85歩

同飛成しかなくて同銀同玉37角成

先手の駒得が消えたというよりも相入玉を考えねばなりません。飛を失うと後手玉の入玉を阻止しにくく、大駒3枚の後手のほうが点数が多くなる可能性が高いです。

 

 

○ 84金が強い受けの手です。

74銀を消せば入玉しやすくなります。85歩同金同玉37角成24歩

まだまぎれもありそうですが、飛角を持っているので後手玉を寄せることはできるでしょう。

 

ややこしいのは83銀打です。

74金同銀24歩でも後手玉が詰めろなのですが、それに気が付いていないとして、83同金85歩97玉77角成24歩

95歩で先手玉が詰めろ、やはりそこで23銀から後手玉が詰むというのを読み切らねば勝てません。

 

蛇足ですが後手が77角成ではなく37角成を選んだときは

24歩29飛41角

詰めろ銀取りで先手優勢です。

 

 

○ 75金のほうがよくて

75同銀同歩は先手玉が安定します。83銀打も甘いので85歩しかないでしょう。85歩同金同銀同玉に限定できそうです。

 

 

○か△ 最初から85金でも同じようですが

後手に1歩でも使わせる方が後で楽になります。

 

 

× 85角でも良さそうですが

85同銀同玉37角成

角を取られたので相入玉は後手もちです。

 

× 85桂打では受けとして弱いです。

空間を埋めただけなので後手に選択権があり、88銀78金77銀不成同金93桂

受けにくくなりました。

 

 

× 97桂では

85桂打よりも優りそうですが、97玉と逃げられなくなりました。85歩同桂左ならば1歩もらって同じ図です。後手の攻め筋としては88銀78金99銀成39飛83香

香を取って83香も厳しいです。84角72歩59飛73歩81飛

これは形勢不明です。

 

 

× 89桂は

77桂のほうにひもをつけました。85歩97玉37角成24歩28飛

飛を打たれて詰めろ(攻防の手になった)では負け筋です。

 

 

× 78金と打つ方が手堅いですが

85歩97玉37角成

先手の戦力が減ったので24歩が厳しくありません。78金に変えて66角などでも同じです。単なる受けに使うならば桂馬くらいに節約したいのです。

 

 

○ 節約という意味では68歩の受けは

68同角成24歩

これが詰めろだと読めないといけませんが、37飛を取られないので後手の選択肢が減っています。

(詰みが読めなければ24歩ではなく31角同玉61飛~68飛成というのも考えて良いです。)

 

後手としては68歩を取りにくくて85歩同桂37角成

24歩81飛(攻防)84金

難しくなっていますが先手玉は捕まりません。

 

 

☆ まとめ

寄せ合いと見て24歩が詰めろだと読み切れたら

一番早く勝てそうです。後手の37角成はそっぽですから何とでもなるでしょう。

攻防の手としては41角や82飛ですが、実は先手不利です。これがこの問題の難しいところでした。

強い受けというのは74銀取りのことで、84金、85金、75金です。比較すると75金が一番良さそうです。

それ以外には受けの手筋として68歩がありました。

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