先手番有吉先生の手を考えます。
第1問
手厚いところを攻めてもらったので、強く反撃して悪くないはずです。
A 54同歩 B 46歩 C 77桂
第2問
わかりやすい俗手の好手です。
A 45歩 B 54歩 C 61銀
第3問
厚みが大事です。
A 66金 B 44金 C 45歩
第4問
ここはちょっと悩ましいです。
A 64銀 B 77金寄 C 57金寄
先手番有吉先生の手を考えます。
第1問
手厚いところを攻めてもらったので、強く反撃して悪くないはずです。
A 54同歩 B 46歩 C 77桂
第2問
わかりやすい俗手の好手です。
A 45歩 B 54歩 C 61銀
第3問
厚みが大事です。
A 66金 B 44金 C 45歩
第4問
ここはちょっと悩ましいです。
A 64銀 B 77金寄 C 57金寄
今日の棋譜20190904
昭和44年4月、有吉道夫先生と第28期名人戦第1局です。
大山先生の四間飛車です。
有吉先生は中央位取りで
大山先生は石田流への組換えを目指します。
有吉先生は6筋の位も取って
大山先生は銀冠にするのですが、66角とされて作戦負けの気配です。後に85歩同歩84歩の筋で銀冠を崩されますから。
46銀でけん制されたのに石田流に組んだのがちょっと珍しい形です。57角(35銀ねらい)には45桂で悪くないと。
有吉先生は自重したので45歩。振り飛車2手得ですが、45桂と跳ねることができなくなっています。
54歩に46歩で戦いが始まりました。
55歩同角に73桂。有吉先生は局面を収めにくくなっています。
66角と引いて54銀に55歩。43銀45歩(あるいは77桂)は居飛車まずまずなので
大山先生は65銀から交換して56銀の桂取りに64歩。57歩などを見て悪くはなさそうですが
有吉先生は61銀の割打ちから54歩。薄くなった中央で戦えば居飛車ペースです。44金の飛詰めろでもありますね。
54同飛に55金。52飛64金は桂取りで味が良いです。有吉先生が指しやすくなりました。
34飛は44金で飛を取れます。
大山先生の85歩は勝負手。
角は追われるままに成りこみました。
有吉先生の28飛は微妙な気がしましたが、39馬には飛を逃げないで本譜の順で65銀から攻めるということなのでしょう。ならば受けに使えるので好手です。
桂を取る65銀に大山先生の86歩がねらいの手です。
77金寄とさせて銀を取り返したところで、有吉先生は84桂、2手すきくらいです。
73玉で粘ろうというのが大山流です。
でも2手すきから手が伸びませんね。
87銀や66銀も取ってもらえず、質駒です。
51桂は強い受けですが
51桂を取られないように52金合しかありませんが、52同竜同銀66金で詰めろ、これで投了でした。
大山先生は作戦負けを嫌って動いたのですが、有吉先生がうまく反撃を決めました。
大山先生の弱点は厚みの感覚に弱いことです。石田流にするときは速攻にできないとうまくないです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/04/09
手合割:平手
先手:有吉道夫8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5七銀(48)
16 7二銀(71)
17 5五歩(56)
18 7一玉(62)
19 6八銀(79)
20 8二玉(71)
21 5六銀(57)
22 5二金(41)
23 5八金(49)
24 3五歩(34)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 5七銀(68)
28 3二飛(42)
29 1六歩(17)
30 5一角(33)
31 2六飛(28)
32 1四歩(13)
33 6六歩(67)
34 7四歩(73)
35 6五歩(66)
36 8四歩(83)
37 8六歩(87)
38 8三銀(72)
39 6八金(69)
40 7二金(61)
41 6六角(88)
42 3四飛(32)
43 4六銀(57)
44 3三桂(21)
45 6七金(58)
46 4五歩(44)
47 5七銀(46)
48 5四歩(53)
49 4六歩(47)
50 5五歩(54)
51 同 角(66)
52 7三桂(81)
53 6六角(55)
54 5四銀(43)
55 5五歩打
56 6五銀(54)
57 同 銀(56)
58 同 桂(73)
59 5六銀(57)
60 6四歩(63)
61 6一銀打
62 6二金(52)
63 7二銀成(61)
64 同 金(62)
65 5四歩(55)
66 同 飛(34)
67 5五金打
68 3四飛(54)
69 4四金(55)
70 同 飛(34)
71 同 角(66)
72 8五歩(84)
73 4一飛打
74 8四角(51)
75 8五歩(86)
76 4八角成(84)
77 2八飛(26)
78 5九馬(48)
79 6五銀(56)
80 8六歩打
81 7七金(67)
82 6五歩(64)
83 6四桂打
84 7三玉(82)
85 7二桂成(64)
86 同 銀(83)
87 4三飛成(41)
88 6三金打
89 5四金打
90 8七銀打
91 6七玉(78)
92 6六銀打
93 5六玉(67)
94 5一桂打
95 6三金(54)
96 同 銀(72)
97 8四金打
98 7二玉(73)
99 4二龍(43)
100 投了
まで99手で先手の勝ち
201902904今日の一手
7月13日の名南将棋大会から、SさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の歩得です。後手に持ち歩がないので先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は68飛61角で2枚。
後手の攻め駒は82飛64角で2枚。33桂を使おうとしたところですがまだ攻め駒ではありません。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手の駒得と後手の玉の堅さの比較です。後手は右銀を使えていないので細い攻めなのですが、先手玉が薄いので受け間違えるとひどい目にあいそうです。どう受けますか?先手の主張は駒得なので、駒得を保ちたいです。
☆ 簡単なまとめ
64飛同歩45歩として
後手の飛の打ち込みが大丈夫だと読むか、
48飛として
46歩同銀45歩同銀同桂同飛
あっさり受けるのが有力です。
×か△ 一番自然なのは45同歩です。
しかし45同桂を取れません。34角成57桂成
これでは失敗です。ただし64飛同歩46銀58飛
57銀78飛成55歩
先手の駒損なのですが、案外に難しいです。
△ 歩で取れないときには45同桂が手筋です。
後手の45同桂に対してほかの手を選べるのが利点ですが、ここでは57桂成に備えねばなりません。67飛33銀52角成25桂
37で清算して、金と桂歩歩の交換+馬ですから駒得ではありますが、先手玉がさらに薄くなるのでは失敗です。
67飛では間に合わないので64飛
飛角交換にして64同歩45歩49飛
88金では87桂があるので、44桂33金43角打32桂88金
後手に桂を使わせて88金とするのですが、ちょっと不安です。でも後手に手がなければ先手よしのはず。
○ 先に64飛と切って
64同歩45歩ならば
飛と角歩歩の交換ですから先手の駒得です。45同桂とした変化に比べて、桂交換していないので後手の攻め駒が少ないのです。49飛88金
後手に桂を渡さないので不安は少し減っています。73桂34角成65桂68銀69飛成24馬
86飛から攻められても大丈夫です。竜を作られ歩を手に入れられると先手の駒得ではなくなるのですが、58角と打てば竜を捕獲できます。
△ 55歩と突くのは
「大駒は近づけて受けよ」の手筋です。55同角(の一手ではないけれど攻めるならばこれくらい)34角成
46歩には56銀が角当たりになるというわけです。23銀61馬46歩56銀35歩
55銀同歩44歩47銀43歩成
強く攻め合ってみると先手玉の薄さが目立ちます。
61馬ではなく35馬
34歩26馬46歩56銀
これくらいが相場ではないでしょうか。後手に歩を手に入れられて、46歩の拠点が残るのはしゃくですが、馬を作って駒得だという主張は残ります。
× 実戦は26歩と待ちました。
これは46歩58銀23銀とされていたら
52角成はあるものの、馬の働きが悪いです。46歩の利かされが大きくて先手不利になるはずだったのですが、実戦は23銀ではなく45桂34角成
37桂成同金に25桂を打たれないというのが先の26歩の効果です。47歩成同銀37角成同玉57金69飛
これは駒得が大きい(後手の戦力が足りない)ですね。先手優勢なのですが、実戦的には玉の堅さに差があると勝ちにくいのでしょうか、後手Sさんが逆転勝ちしました。
△ 34角成も自然な手です。
ただ46歩58銀を利かされるのは嫌なところです。25桂と攻められて
この図で26歩37桂成同金47歩成同銀37角成同玉57金69飛と進めば実戦と同じ図です。こちらの手順をとったのかもしれません。
26歩としないで25同桂47歩成(25同歩ならば互角)64飛
38と同玉64歩33桂打
これは先手有利ですね。
ということは後手は25桂から攻めにくくて、23銀
馬を追い、右の銀も使っておいて互角くらいです。
△ 先に58銀だと展開が変わります。
35歩同歩46歩44歩
42金上64飛同歩34角打59飛・・・ということになるかもしれません。ほかの変化もあるでしょうし、形勢は互角のはずです。
○ 48飛は受けの手ですが
46歩同銀45歩の時に、あっさり45同銀同桂同飛
銀と桂歩歩の交換です。馬はできそうですし、後手の歩切れが大きくて先手有利ではないかと見えてきました。
× 他の手としては65歩73角
後手からの86角の攻め筋を消してはいますが、先手からの64飛を消してしまいました。悪手ではないですが良くはないです。(48飛や55歩とすれば関係ないかもしれませんが。)
☆ まとめ
形勢有利でない時には、素直に応じたら悪くなるかもしれません。
45同歩同桂は思わしくないのです。
45同桂(玉が薄くなるので少し不自然か)が自然な応手ではありますが、どこかで64飛と切らねばならないでしょう。であれば最初に64飛同歩45歩が有効かもしれません。振り飛車党ならば当然の選択肢として考えるところです。
55歩が受けの手筋です。形勢はともかく簡単につぶされることは少ないはず。
手の流れとしては34角成ですが、後手の46歩の取り込みが大きいので互角くらいなのでしょう。
案外に有力なのは48飛でした。
こうしてみると飛を使って受けるのが正しいという結論です。64飛と切るか、48飛とまわるか。玉の囲い以外の受けの駒を増やすのが良い手でした。もちろん余裕があれば馬を引き付けるのが理想ですが。