名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190910

2019-09-10 | 大山将棋研究

後手番有吉先生の手を考えます。

第1問

 

形勢は思わしくないので千日手ねらいです。打開された時のことを考えて。

A 68と  B 88角  C 78と

 

第2問

 

あまり見ない筋ですが。

A 67飛打  B 31飛  C 79飛

 

第3問

 

大分まぎれてきました。遊んでいる駒を使います。

A 24馬  B 42銀  C 51飛

 

第4問

 

良い粘りです。

A 24香  B 44歩  C 24銀

 

第5問

 

これが厳しかったのです。

A 26銀  B 56飛  C 57金

 

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大山将棋研究(1351);三間飛車に持久戦(有吉道夫)

2019-09-10 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190910

昭和44年5月、有吉道夫先生と第28期名人戦第4局です。

大山先生の三間飛車です。

57銀と上がれば後手の急戦が利くはずですが、42金上や94歩が入っているので対応できるというのでしょう。

仕掛けはないものとみて、4筋の位も取ってしまいました。

有吉先生は4筋の歩を交換します。

でも位は保てず、大山先生が位を保ちました。先手の作戦勝ちになりそうです。

後手から攻めにくいということもありますが、玉を固めるのが好きなので63銀~52銀は有吉先生らしいです。

大山先生から動きました。

角を交換して46角。64角同角同銀にはどうするのでしょうか?

有吉先生は91香を取らせて6筋突破をねらうのですが

と金は作れても44香から金をはがされてしまいます。

大山先生は金得ですが、飛をいじめられて

57飛67と59と68と・・・・で千日手ではつまりません。

飛を取らせて81桂を取れば飛と金銀の二枚換えで駒得。ではあるのですが89桂98香が取り残されているので本当に駒得だとも言えません。有吉先生の31飛は手筋で

金を打たせて馬を取り

後手が有利になりました。この金取りも結構受けにくいです。

大山先生は44歩から47歩と苦心の受けです。(33桂~45歩を避けにくいのですが。)

有吉先生は有利だと思っていないのでしょうか。32金~84角は粘りの手です。

飛をぶつけてさばき

やはり後手が良さそうです。

46桂に64角というのも良い受け方です。

24香を打てば歩切れで33桂成とは指しにくいわけで

後手がうまく指しまわしている感じですが、65飛は良いような悪いような。

54金には桂を取って

二枚換え、トータルではほぼ駒の損得が消えました。63との存在と89桂98香の遊びがどう出るか。

有吉先生の反撃は44桂から。

先手玉も危なくなってきましたが、大山先生は34歩同銀直32角成同銀42と で攻めるチャンスでした。

39香と受けるのは大山先生らしいと言えるのですが、また角が嫌なところに出てきました。

うまく と金を使って角を殺して勝ちが見えたと思うところなのですが、後手玉が少し堅くなっています。

角を取る間に35桂~47桂成で銀をはがされて

26銀は困りました。先手玉が狭いのです。前に打った39香が災いしていて

懸命に受けるのですが

27金から15歩で困っています。先手玉は逃げるところがありません。

角2枚を切ってから15歩を取るのですが、後手の27角は変な手でも

28金の受けに15香で困っています。15同香は17歩でも17角でも受けが無くなります。

ここで投了です。17同金は11香、玉を逃げても27香です。

 

大山先生有利のはずでしたが、千日手回避は失敗で、分の悪い終盤戦になってしまいました。なんとか逆転したのですが、39香と受けるのが悪手になるとは。2回納得のいかない将棋です。

番勝負としては2勝2敗で面白くなってきました。史上最強の師弟対決、でもよく考えたら二上羽生のほうが最強なのか?タイトル戦で戦っているので師弟「対決」では大山有吉ですが。木村花村も忘れてはいけないというのはオールドファンでしょうか。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/05/15
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:有吉道夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 2八玉(38)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 4二銀(31)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 5六歩(57)
22 5二金(61)
23 5八金(69)
24 5三銀(42)
25 4六歩(47)
26 4二金(41)
27 3六歩(37)
28 9四歩(93)
29 5七銀(68)
30 6四歩(63)
31 4五歩(46)
32 4四歩(43)
33 同 歩(45)
34 同 銀(53)
35 3七桂(29)
36 4三金(52)
37 4七金(58)
38 5三銀(44)
39 4五歩打
40 9五歩(94)
41 9八香(99)
42 6三銀(62)
43 7九飛(78)
44 5二銀(63)
45 2六歩(27)
46 7二飛(82)
47 6五歩(66)
48 同 歩(64)
49 2二角成(77)
50 同 玉(32)
51 4六角打
52 6二飛(72)
53 9一角成(46)
54 6六歩(65)
55 4四香打
56 6七歩成(66)
57 4三香成(44)
58 同 銀(52)
59 4八銀(57)
60 8八角打
61 5九飛(79)
62 6八と(67)
63 5七飛(59)
64 6七と(68)
65 5九飛(57)
66 6八と(67)
67 8一馬(91)
68 5九と(68)
69 同 金(49)
70 3一飛打
71 6三歩打
72 5二飛(62)
73 7二金打
74 8一飛(31)
75 同 金(72)
76 4六歩打
77 同 金(47)
78 7九角成(88)
79 4四歩(45)
80 同 銀(53)
81 4七歩打
82 3二金(42)
83 6一飛打
84 8四角打
85 4五金(46)
86 3三銀(44)
87 2五桂(37)
88 5一飛(52)
89 同 飛成(61)
90 同 角(84)
91 7一飛打
92 4二角(51)
93 4六桂打
94 6四角(42)
95 6二歩成(63)
96 2四香打
97 6三と(62)
98 2五香(24)
99 同 歩(26)
100 3一角(64)
101 7二飛成(71)
102 6五飛打
103 5四金(45)
104 4六馬(79)
105 同 歩(47)
106 5四銀(43)
107 4一角打
108 4三銀(54)
109 6八歩打
110 4四桂打
111 4七銀(48)
112 3五歩(34)
113 7七桂(89)
114 6六飛(65)
115 3五歩(36)
116 5二歩打
117 同 と(63)
118 3六歩打
119 3九香打
120 6四角(31)
121 3四歩(35)
122 同 銀(43)
123 5三と(52)
124 4二歩打
125 5四と(53)
126 3五桂打
127 6四と(54)
128 4七桂成(35)
129 同 銀(38)
130 2六銀打
131 3八歩打
132 6四飛(66)
133 4八角打
134 2七金打
135 2九玉(28)
136 1五歩(14)
137 2六角(48)
138 同 金(27)
139 3二角成(41)
140 同 玉(22)
141 7一龍(72)
142 6一歩打
143 1五歩(16)
144 2七角打
145 2八金打
146 1五香(11)
147 1八歩打
148 同 香成(15)
149 同 香(19)
150 同 角成(27)
151 同 玉(29)
152 1七歩打
153 投了
まで152手で後手の勝ち

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20190910今日の一手(その920);厚みを生かす

2019-09-10 | 今日の一手

20190910今日の一手

3月30日の名南将棋大会から、私とYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

後手に馬を作られている分だけ駒損です。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。後手の高美濃は1路深いので大きな差ではありませんが。

先手の攻め駒は28飛88角で2枚。

後手の攻め駒は34飛59馬で2枚。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

序盤のうっかりで馬を作られたのですが、後手の23銀が遊んでいる(質駒にもなっている)ので先手が悪くはありません。(遊び駒があるという評価よりも、後手玉の堅さが薄くなっている+攻め駒に使いにくいと考えます。)でも後手からは38歩から攻める手があるし、そもそも先手の駒損なのですから攻める手を考えるしかなさそうです。攻め駒2枚では足りませんから、中央の厚みを生かして攻めたいです。

 

 

☆ 簡単なまとめ

53歩成同金75歩

ならば63金でしょうから、金を攻めつつ厚みを生かすのが理想です。

もしくは65歩から

端角で攻めるのも考えてみたいです。

 

 

△か× 実戦で私は75歩と突きました。

75同歩は53歩成同金74歩ですね。54歩74歩65桂66銀33桂と進み

65銀直同歩同銀64歩75桂53金

どうにかなるだろうと思っていたのですが、正解は97角で65歩83桂成

駒損ですが後手玉を乱して53角成でまあまあです。

 

後手としては銀を取らずに受けておけば指しやすいのでしょう。

64銀同金83桂成同玉64角では自信なし。でもこれくらいでした。

 

実戦では23飛成として

23同歩73銀同銀同歩成同玉74歩62玉

何とかなりそうで足りません。73銀52玉64銀引不成28飛

これは寄せ合い負けです。後手玉は薄いのですが

逃げ出されて届きません。

 

 

○ 53歩成を決めてしまうほうが自然です。

53同金75歩63金

74歩に65桂とは指しにくくなっていて、74同金54歩52歩

この図も難しいのですが、75歩同金55角63銀75歩同金66銀74金75歩84金65歩

こんな展開が理想です。

 

 

○ 65歩も難しい手ですが

65同歩ならば53歩成同金97角52金上77桂

角銀桂を攻めに使えるのでまあまあです。

 

54歩の場合は

64歩同金97角75歩66銀

95歩75銀96歩86角75金同角

互角ですが後手の美濃囲いがより薄くなっています。

 

65同桂ならば

65同銀同歩53歩成同金54歩

桂のふんどしを見ています。63金64歩同金53歩成

駒損ですが と金を作ればまあまあです。

 

 

△か× 55銀とすれば

銀を攻め駒として使えます。54歩44銀24飛25歩34飛43銀不成

33飛同角成同桂41飛

これならば52歩を見てまあまあ指せそうです。

 

後手としては55歩が手筋。

55同角54金というのが自信なしです。43銀不成55金34銀不成39角

先に攻められて、好きなときに34銀と手を戻されます。

 

よって55歩は同銀くらいしかないのですが

38歩46銀引33桂38飛49馬28飛38歩

出ていった銀を引くのでは面白くないです。

 

 

× 77桂は

桂を攻めに使おうということなのですが、54歩65歩同歩同桂同桂同銀64歩56銀引55桂

素直に応じられても角筋が止まるのでは攻めになりません。

 

 

△か× 46歩は

角筋を生かして攻めるわけですが、54歩45歩33桂44歩42歩

後続の手段がないです。

 

 

× 48銀は

馬を消そうという意味(49馬までで他の手を指すかもしれませんが)で、49馬69金(69金49馬48銀でも同じ)36歩

59金37歩成ではつぶされます。36同歩同飛37歩56飛同金67銀

これもつぶされています。

 

 

× 24歩は32銀

なのでしょう。後手から24飛とぶつけられる筋が消えるものの、持ち歩が減って32銀が少し受けに使えそうというのは(遊び銀を相手にしたとも)マイナスです。

 

☆ まとめ

厚みの将棋は軽くさばく将棋の対極ですが、通常の感覚と異なることが多いです。基本的に盤上の駒のほうが持ち駒よりも価値が高くなります。厚みがあるほうは厚みを構成する駒を相手の守りの駒と交換する、あるいは持ち駒を使って相手の守りの駒と交換する(はがす)ことが有効になります。場合によっては駒損でも構わないこともあります。

さてこの問題では形勢互角ですから、有利になるまでは好手が必要です。感覚でも明らかにわかる場合は良いのですが、普通の将棋とは感覚がずれてきますから、これくらいでいいだろう、では失敗します。少し読み進めて、感触の良い手が指せるからこれで良し、で手を決めるのでしょう。

厚みに関係する手は、53歩成、65歩、75歩、(54歩で面白くないので触れませんでしたが)66銀。もしかすると77桂や97角です。つまりは5~7筋を攻めるわけです。金銀4枚で手厚いところですね。

 

 

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