名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190920

2019-09-20 | 大山将棋研究

*お知らせ

6年ぶりにPCを買い換えます。しばらく作業に追われますので、ブログ記事を更新できないと思います。月末までくらいでしょうか?

 

 

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

84角ねらいですが。

A 83銀  B 73桂  C 54歩

 

第2問

 

振り飛車の感覚では?

A 65桂  B 52飛  C 54金

 

第3問

 

形勢が良いのでわかりやすい手を選びます。

A 37銀  B 56歩  C 36歩

 

ここからは先手番中原先生の手を考えます。

第4問

金取りですが。

A 58金  B 34角成  C 61角成

 

第4問

 

寄せ合い勝ちになっています。

A 44角  B 62と  C 62銀

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大山将棋研究(1361);三間飛車に中央位取り(中原誠)

2019-09-20 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190920

昭和44年7月、中原誠先生と第17回王座戦です。

大山先生の後手三間飛車です。

当時は定跡が整備されていませんが、後手三間飛車には急戦が成立するということになっています。

大山先生は53歩+22飛で受けるのですが、45歩同歩55歩と攻めるのでしたっけ。

中原先生は55歩~47銀~56銀という手順で中央位取りに。

急戦のほうの中央位取りですが、45同桂で攻めるのは無理気味です。銀で取り返して1歩持ち

66角で83銀を誘って攻めようかということでした。大山先生は83銀ではなく73桂。77桂には64歩同歩52飛から反撃です。

57銀でしたがやはり54歩から反撃をねらいます。

54同歩同銀35歩同歩24歩、これに同角と取ることが多いのが大山先生の特徴です。44角には42飛ですね。

53歩同金25桂というのはひねった手で、自然流中原先生でも形勢が思わしくないと気が付いた(楽観派で知られるのですが)のかなあ? 桂をさばいてまだまだくらいに思っていたのかもしれません。

55歩には同銀で銀交換し

飛を中央にもっていくのが良い味です。先の53歩同金というのはこういう変化で生きています。

中央をどうにか抑えますが

65桂に43銀しかないのでは先手不利です。

駒損でも中原先生は55桂を決め

ちょっともたれて指すのですが

角を取って

香を取った図では銀銀と角香の交換です。でも玉の堅さが違うので後手が指しやすいはず。

63香と打って同銀同桂成同金。後手玉は薄くなっても駒損です。攻め駒の数も違うので後手有利が広がります。

43角は もたれて指す戦術の続きですが、駒損でこれでは悪くなっています。大山先生は72銀を打てば無難で優勢に近いはず。銀を埋めずに45桂は、1本入ると楽観していたのかも。

中原先生は角を切って52銀

金も打ち込んで攻めが続きます。大山先生は72金を打てないので受けきりはなく

37歩成にも同飛が強い手です。

やむなく5筋を清算して飛を取りました。後手玉は裸なので一手違いにはなっているでしょう。

33飛~35飛成で後手玉は3手すきくらい。先手玉は

38飛58歩まではいいとして、大山先生の39飛成は2手すきでもない(次に詰めろがかからない)でしょう。54香とか65桂とかならば。

33竜(詰めろ)63桂44角。後手玉はまだ詰めろではないですが

85香に31竜は詰めろ。先手玉は

詰まないので大山先生の投了です。

 

振り飛車楽勝の将棋のはずですが、思わず強攻されて怪しくなりました。それでも寄せ合いは難しかったはずですが、明らかな一手負けコースに。中原先生相手にはおかしな将棋が多いのです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/07/22
手合割:平手  
先手:中原誠棋聖
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5六歩(57)
16 7二銀(71)
17 5八金(49)
18 7一玉(62)
19 3六歩(37)
20 5二金(41)
21 4六歩(47)
22 8二玉(71)
23 3七桂(29)
24 2二飛(32)
25 5五歩(56)
26 4三銀(42)
27 4七銀(48)
28 6四歩(63)
29 5六銀(47)
30 6三金(52)
31 6八銀(79)
32 7四歩(73)
33 1六歩(17)
34 1四歩(13)
35 4五歩(46)
36 同 歩(44)
37 同 銀(56)
38 4四歩打
39 5六銀(45)
40 1三香(11)
41 2六飛(28)
42 8四歩(83)
43 6六角(88)
44 7三桂(81)
45 5七銀(68)
46 5四歩(53)
47 同 歩(55)
48 同 銀(43)
49 3五歩(36)
50 同 歩(34)
51 2四歩(25)
52 同 角(33)
53 5三歩打
54 同 金(63)
55 2五桂(37)
56 5五歩打
57 同 銀(56)
58 同 銀(54)
59 同 角(66)
60 5二飛(22)
61 8八角(55)
62 6三金(53)
63 5四歩打
64 6五桂(73)
65 4三銀打
66 5七桂成(65)
67 同 金(58)
68 5一飛(52)
69 5五桂打
70 7三金(63)
71 3四銀成(43)
72 3六歩(35)
73 2四成銀(34)
74 同 歩(23)
75 1三桂(25)
76 3五銀打
77 2七飛(26)
78 1三桂(21)
79 6三香打
80 同 銀(72)
81 同 桂成(55)
82 同 金(73)
83 4三角打
84 4五桂打
85 6一角成(43)
86 同 飛(51)
87 5二銀打
88 6二飛(61)
89 5三金打
90 3七歩成(36)
91 同 飛(27)
92 5三金(63)
93 同 歩成(54)
94 5二飛(62)
95 同 と(53)
96 3七桂成(45)
97 3三飛打
98 7三金打
99 3五飛成(33)
100 3八飛打
101 5八歩打
102 3九飛成(38)
103 3三龍(35)
104 6三桂打
105 4四角(88)
106 8五香打
107 3一龍(33)
108 8七香成(85)
109 同 玉(78)
110 7五桂(63)
111 同 歩(76)
112 5四角打
113 7七玉(87)
114 7六銀打
115 6六玉(77)
116 投了
まで115手で先手の勝ち

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20190920今日の一手(その925);玉は包むように寄せよ

2019-09-20 | 今日の一手

20190920今日の一手

7月6日の名南将棋大会から、私とNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

(枚数の)駒の損得はなく、成銀成香VS馬成銀成桂の作り合いで、後手のほうがわずかに得です。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は23成銀31成銀と持ち駒金桂で4枚。46角は入れるかどうか悩むところです。

後手の攻め駒は47成桂を入れたとして持ち駒金と合わせて2枚。

 

総合すれば先手有利です。

 

☆ 大局観として

先手の劣っているのは少し駒損と言うだけですが、角取りに成桂を引かれました。駒得にするのは難しそうですが、うまい手があれば優勢に近くなります。

後手玉が薄いので攻める手を探すほうが普通です。すぐに詰めろになる手があるのですが見えますか?ところが落とし穴もあり、先手の私は間違えてしまいました。

 

☆ 簡単なまとめ

55桂がぴったりの寄せでした。

63への脱出ルートを塞げば寄せやすいです。

 

 

× 実戦は16飛です。

12飛成以下の詰めろです。もちろん飛は馬で取られるのはわかっていますが、16同馬同歩46成桂

この図で後手玉が受けなしになるのだろうと勘違いしていたのです。今41角ではちょっと足らないので、32成銀51玉(52玉だと思っていた)42金同飛同成銀62玉43成銀39飛88玉86歩42飛63玉と進んで

この図でも悪いとは思っていなかったのですが、正解は49歩(これは見えていたのですが)で王手竜取り狙いです。しかしこの図の先手玉が詰まないと思っての44成銀に、87歩成同金78金同玉79金。尻金の筋に気が付かず、69角88玉87角成以下が詰まないと思っていました。勘違いが2つあり、私の負けです。

 

 

× 32成銀52玉を入れて16飛ならば

16同馬同歩46成桂は41角を打てるので先手の勝ち筋です。

しかし飛を取らずに46成桂12飛成63玉

これは駒得が大きく後手玉が安定しました。後手有利です。この筋では32成銀や32成香の王手はかけないほうが良さそうです。

 

 

○ 55桂も詰めろです。

対局中には全く気が付かず。55同銀同角52玉33角成

まだまだ長いですが先手の駒得になりました。優勢でしょう。

 

55桂を取らない後手の受けは難しいのですが、とりあえず52玉

41成香が良い手で、82飛63金

41玉43桂成で寄り筋です。

 

 

△か○ 32成銀52玉を決めて55桂でも詰めろです。

ただ55同銀同角63玉

というのは32成銀よりも33角成としているほうが先手の得です。やはり小駒主体の攻めではむやみに王手をかけない方が良いです。

 

 

△か○ 45歩も工夫で

45同銀55桂ならば55桂を銀で取られません。72金くらいでしょうか。

この図は16飛とか44歩とか、先手が勝ちやすい流れです。

 

後手としては45歩に46成桂

44歩45成桂41銀

54歩32成香53玉43歩成同玉33成銀53玉42成香63玉

小駒の攻めをかわしていくほうがまぎれやすいと思うのですが、先手として悪くはありません。

 

 

△ 46桂は歩で済むところを桂を使ったので、損な手のようですが

46成桂44桂

この桂を取らねばならないでしょう。44同歩46飛55角56飛同馬同歩

後手として受ける手段が乏しくなっていて、角も切って攻めるのがどうか。一手違いの寄せ合いです。

 

なお46桂に45銀ならば64角

56銀91角成は先手優勢です。

 

 

△ 36桂と打てば

45銀ならば55角で少し先手が良いとして

戻って36同香には同飛

46成桂には38飛で先手有利です。27馬34飛52玉13角成

大駒が使えたのでわかりやすくなった感じです。結構有力でした。

 

 

× 後はたいした手はありません。64角と捨てて

64同飛56桂62飛44桂同歩

これでは駒損がひどいです。

 

 

△か× 35角(香を取った)

35同銀55桂は

これは先手の攻めが結構厳しいのですが、

 

35同歩のほうは45歩55銀

55桂を打てないとどう攻めたものか。

 

 

△ 最後は88玉の早逃げ。

悪い手ではないことのほうが多いです(問題図の前に68玉を79玉と早逃げしたところでした)が、46成桂同飛37角16飛15歩56飛

駒損でも攻め駒が増えて攻めやすくなった、と言えるかどうか。形勢互角くらいです。

 

☆ まとめ

「玉は包むように寄せよ」というのですが、王手よりも左右挟撃や上から押さえつけるような攻め方が良いです。相手玉の守備力が小さい(玉を逃げ出しやすい)時や、自分の攻め駒が小駒だけ、というときにより有効です。

16飛は大駒の力で寄せるはずだったのですが、寄せられませんでした。

55桂のほうが良い手で、どちらも詰めろですが左右挟撃というか退路封鎖というか、包みながら寄せる感じができていました。

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