先手番木村先生の手を考えます。
第1問
角を殺されましたが。
A 58角 B 75銀 C 74歩
第2問
もう受けはなさそうです。攻めるとすれば。
A 54桂 B 42金 C 41馬
第3問
本譜は52同玉でしたが、71玉と72玉の変化を読んでみましょう。本文に記載しています。
第4問
長いですが即詰みです。
先手番木村先生の手を考えます。
第1問
角を殺されましたが。
A 58角 B 75銀 C 74歩
第2問
もう受けはなさそうです。攻めるとすれば。
A 54桂 B 42金 C 41馬
第3問
本譜は52同玉でしたが、71玉と72玉の変化を読んでみましょう。本文に記載しています。
第4問
長いですが即詰みです。
今日の棋譜20221023
1951年3月、木村義雄先生と名人戦第1局です。木村先生は名人を塚田先生から奪い返し、前年に大山先生を退けたところ。升田先生は初めて名人に挑戦します。戦争で遅れ、高野山と前年のプレーオフで大山先生にも遅れましたが、やっと最大のチャンスがやって来ました。
木村先生の先手で角換わりです。
筋違い角は現代ではかなり珍しいのですが、この当時にはたまに見かけます。子供のころに読んだ定跡書にも書いてありました。76歩34歩22角成同銀45角とすると1手損だから、この図で角を打つのが正しいのだと。
でも角を追われて56に途中下車するので、78に角を引く棒銀タイプならば手数は変わりません。
だからプロの対局では46のほうを突いて向い飛車にするのか。でも向い飛車だと25歩が生きないからなあ。やはり優秀な戦法だとは思えません。
対して升田先生の35角が珍しい手。新手でしょう。1歩取り合えば筋違い角よりも使いやすいと。
48飛44銀。これで55銀~46銀と歩を取るのか。なるほど。
36歩26角、角歩と飛の交換となり、飛を持っているのが大きいのか。
と思ったらなかなか飛を取りません。
飛に逃げられていないのに角を引いてしまいました。単なる1歩損で先手有利に見えますが。
右金を47に上がらせて作戦勝ちをねらうのか?
42角56金、これを取らずに53銀45金、不思議な手順です。
しばらく駒組をして
44銀引34金33銀
33同金同角45桂。おかしいですね。右桂をさばいて先手有利では。
金桂と銀銀歩の交換は先手が少し駒得、玉の堅さは同等として、攻め駒は3対3か。先手が良いでしょう。
55歩67角75歩同歩83桂。升田先生は先手の飛銀が働かないうちに攻めます。
76銀打75桂49角
33桂28飛37金。B面攻撃というやつですか。でも先手の右桂はいないので、効果は薄いでしょう。
18飛に36金~34飛の構想かと思ったら、38歩同銀48金で角を殺した
ようでも75銀同角67角と逃げられては失敗でしょう。
25桂35歩17銀。今度は飛のほうを詰まします。
76歩42角17飛同桂成34桂24角17香38金と取り合ったところで、飛金と銀桂の交換で先手の駒損、先手玉のほうが堅く、攻め駒は4対2、先手有利です。駒損でもあるので先手が攻めるわけですが、AIは45桂を打たずに、75銀82飛45角、角を使って左から攻める方を勧めてきます。
45桂に33歩では44歩のほうかも。
53銀44銀
44同銀成同歩42銀。桂馬は殺されているから当然のようでも、先手の攻め駒は減ってしまいます。木村先生は攻め間違えていて、後手有利になったかな。
42同金左同桂成同玉33桂成
33同角23角成。升田先生は受けきりにはしにくそうですが、95桂で寄せ合いを選びます。
34歩87桂成同玉86歩、後手玉はまだ詰まず、詰めろはかかるでしょうから2手すき。先手玉に詰めろ以上で迫ればよいわけです。
86同銀95桂77玉87飛78玉86飛成で詰めろ。38金も働いています。
33歩成51玉67玉に、89飛成は詰めろですが、59銀のほうが優っていたようです。木村先生は84飛を取ってしまえば先手玉の詰めろが消えます。
41馬(41同玉は53桂)61玉52馬。ここは71玉が正しく、62金82玉に73銀という手があって先手が良いとか。73同桂は71角から詰み。73同玉に63馬83玉65歩・・・先手玉が安全になるのですね。難しすぎます。72玉は61角83歩同飛74桂93玉83角成・・・という順で後手の飛を外してしまえば。
升田先生は52同玉と取ってしまったので、53銀同玉71角、合駒は65桂から簡単です。
64玉75金73玉84金。84同竜も65桂(72玉62飛83玉82飛成)74玉75金から詰みます。
84同玉75金73玉74飛まで。
升田先生の35角は面白い手でしたが、飛を取らなかったのが不思議です。悪くなっても終盤で逆転していたのですが、とん死のうっかりなのでしょう。終盤はAIによらず自分の頭で考えたほうが良さそう。私も並べ直してみます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/03/19(月) 00:00:00
終了日時:1951/03/20(火) 00:00:00
棋戦:名人戦
戦型:その他の戦型
手合割:平手
先手:木村義雄
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7六歩(77)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 7八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(78)
12 2二銀(31)
13 4五角打
14 5二金(61)
15 3四角(45)
16 3三銀(22)
17 5六角(34)
18 5四歩(53)
19 4六歩(47)
20 3五角打
21 4八飛(28)
22 4四銀(33)
23 3六歩(37)
24 2六角(35)
25 6八玉(59)
26 5五銀(44)
27 3八角(56)
28 6二銀(71)
29 5八金(49)
30 5三角(26)
31 7八玉(68)
32 6四角(53)
33 4七金(58)
34 4二角(64)
35 5六金(47)
36 5三銀(62)
37 4五金(56)
38 8四飛(82)
39 6八金(69)
40 7四歩(73)
41 6六歩(67)
42 4一玉(51)
43 1六歩(17)
44 9四歩(93)
45 3七桂(29)
46 4四銀(55)
47 3四金(45)
48 3三銀(44)
49 同 金(34)
50 同 角(42)
51 4五桂(37)
52 4二角(33)
53 5三桂(45)
54 同 角(42)
55 5六角(38)
56 5五歩(54)
57 6七角(56)
58 7五歩(74)
59 同 歩(76)
60 8三桂打
61 7六銀打
62 7五桂(83)
63 4九角(67)
64 3三桂(21)
65 2八飛(48)
66 3七金打
67 1八飛(28)
68 3八歩打
69 同 銀(39)
70 4八金(37)
71 7五銀(76)
72 同 角(53)
73 6七角(49)
74 2五桂(33)
75 3五歩(36)
76 1七銀打
77 7六歩打
78 4二角(75)
79 1七飛(18)
80 同 桂成(25)
81 3四桂打
82 2四角(42)
83 1七香(19)
84 3八金(48)
85 4五桂打
86 3三歩打
87 5三銀打
88 4四銀打
89 同 銀成(53)
90 同 歩(43)
91 4二銀打
92 同 金(32)
93 同 桂成(34)
94 同 玉(41)
95 3三桂成(45)
96 同 角(24)
97 2三角成(67)
98 9五桂打
99 3四歩(35)
100 8七桂成(95)
101 同 玉(78)
102 8六歩(85)
103 同 銀(77)
104 9五桂打
105 7七玉(87)
106 8七飛打
107 7八玉(77)
108 8六飛成(87)
109 3三歩成(34)
110 5一玉(42)
111 6七玉(78)
112 8九龍(86)
113 4一馬(23)
114 6一玉(51)
115 5二馬(41)
116 同 玉(61)
117 5三銀打
118 同 玉(52)
119 7一角打
120 6四玉(53)
121 7五金打
122 7三玉(64)
123 8四金(75)
124 同 玉(73)
125 7五金打
126 7三玉(84)
127 7四飛打
128 投了
まで127手で先手の勝ち