後手番木村先生の手を考えます。
第1問
反撃です。
A 55銀 B 64角 C 79角
第2問
反撃を継続します。
A 33桂 B 36歩 C 74角
第3問
83同銀成以下の順に自信がなければここまで指せなかったわけですが、その手順を読んでみましょう。
第4問
こういう時の手筋です。
A 36歩 B 15角 C 46金
後手番木村先生の手を考えます。
第1問
反撃です。
A 55銀 B 64角 C 79角
第2問
反撃を継続します。
A 33桂 B 36歩 C 74角
第3問
83同銀成以下の順に自信がなければここまで指せなかったわけですが、その手順を読んでみましょう。
第4問
こういう時の手筋です。
A 36歩 B 15角 C 46金
今日の棋譜20221026
1951年5月、木村義雄先生と名人戦第4局です。
升田先生の先手で角換わりです。
今度は升田先生が筋違い角を採用しました。このシリーズでは3回目の登場。
やはりプロの将棋では右に角を引くタイプばかりです。左に引いて棒銀のほうがおもしろそうなのに。
升田先生は向い飛車に。筋違い角は手損をする戦法なのに、25歩を生かさないのではつまらないなあと思います。
後手の55角に備えて68金が必要(変な形でも中央を守るために78金よりも良い)な手です。この図で86歩を突くのが最短ということになるのですが、
86同歩同銀55銀
38角46銀48金33桂。この手順は子供のころに定跡書で読みました。名人戦で指されたから載っていたのですね。ここでは69玉か77桂が正しい、とその本に書いてあったかどうかの記憶があやふやなのですが、
84歩同飛85銀82飛84銀83歩。攻めるとすればこの手順しかなさそうです。83同銀成が成立するかどうか。83同銀同角成79銀、これが痛くて王手飛車の含み(87飛68銀成同玉86歩同飛95角)があります。単純に取り合う82馬88銀成か、84飛68銀成同玉95角77銀84角82馬か。升田先生はどちらかを選ぶしかなかったはずなのですが。
断念して75銀25桂。これでは先手不利です。28銀と受けても36歩同歩47銀成同角55角~28角成があるので
77桂としましたが37桂成。37同桂は36歩なので
37同金同桂成同桂、36歩の前に15角を打たれて
48銀36歩
45桂37歩成16角
48と69玉44銀。金桂交換でと金を作られているので駒損。銀を受けられたので玉の堅さも劣ります。攻め駒の数は4対2なので、先手不利でもうまく攻め続けられたら逆転ですが。
33歩31金34桂41玉22銀
22同金同桂成51玉。45桂は取られそうだし、角が使い切れていないし。
歩を受けられるならば23成桂よりも32歩成のほうが良かったのか。
65桂と使ってみましたが、今度は後手の攻める番です。58と と捨てられて、58同玉59金47玉45銀では寄せられるでしょう。
58同金77銀68飛。仕方のない受けです。
68同銀成同玉89飛79金77金
77同玉79飛成78金99竜。駒を拾われながら攻められると、戦力差が広がります。97竜も嫌なので
88銀98竜32歩成
32同歩同成桂45銀。85桂を打たれるとだめなので
86歩95桂。これは87香のねらいです。でも受ける手もないので
44歩同歩42歩34歩、角筋を止められて
41歩成61玉42と同金
42同成桂同角43金86角。寄せの形ができたかと思ったら角を切られました。
86同角84香に85角を打つ気にもなれない、というか85同香84歩から詰むので77玉。
87桂成に68玉と逃げ出せば詰まなかったのですが、勝ち目はないので87同銀同香成同金78金まで。86玉85銀から詰んでいます。
今では指されない戦法なので、定跡として覚える意味はないのでしょうが、木村先生のきれいな反撃が決まりました。だから名人戦で指されても流行しなかったのでしょう。木村先生はここまで筋違い角戦法を研究しておいて何とか名人を守ったということなのです。3回も勝てたので大仕事でした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/05/02(水) 00:00:00
終了日時:1951/05/03(木) 00:00:00
棋戦:名人戦
戦型:その他の戦型
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:木村義雄
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 4五角打
14 5二金(61)
15 3四角(45)
16 3三銀(22)
17 5六角(34)
18 5四歩(53)
19 4六歩(47)
20 4二玉(51)
21 8八飛(28)
22 7二銀(71)
23 6八金(69)
24 4四銀(33)
25 8六歩(87)
26 同 歩(85)
27 同 銀(77)
28 5五銀(44)
29 3八角(56)
30 4六銀(55)
31 4八金(49)
32 3三桂(21)
33 8四歩打
34 同 飛(82)
35 8五銀(86)
36 8二飛(84)
37 8四銀(85)
38 8三歩打
39 7五銀(84)
40 2五桂(33)
41 7七桂(89)
42 3七桂成(25)
43 同 金(48)
44 同 銀成(46)
45 同 桂(29)
46 1五角打
47 4八銀(39)
48 3六歩打
49 4五桂(37)
50 3七歩成(36)
51 1六角(38)
52 4八と(37)
53 6九玉(59)
54 4四銀打
55 3三歩打
56 3一金(32)
57 3四桂打
58 4一玉(42)
59 2二銀打
60 同 金(31)
61 同 桂成(34)
62 5一玉(41)
63 2三成桂(22)
64 3一歩打
65 6五桂(77)
66 5八と(48)
67 同 金(68)
68 7七銀打
69 6八飛(88)
70 同 銀成(77)
71 同 玉(69)
72 8九飛打
73 7九金打
74 7七金打
75 同 玉(68)
76 7九飛成(89)
77 7八金打
78 9九龍(79)
79 8八銀打
80 9八龍(99)
81 3二歩成(33)
82 同 歩(31)
83 同 成桂(23)
84 4五銀(44)
85 8六歩打
86 7四歩(73)
87 6六銀(75)
88 9五桂打
89 4四歩打
90 同 歩(43)
91 4二歩打
92 3四歩打
93 4一歩成(42)
94 6一玉(51)
95 4二と(41)
96 同 金(52)
97 同 成桂(32)
98 同 角(15)
99 4三金打
100 8六角(42)
101 同 玉(77)
102 8四香打
103 7七玉(86)
104 8七桂成(95)
105 同 銀(88)
106 同 香成(84)
107 同 金(78)
108 7八金打
109 投了
まで108手で後手の勝ち