1995年8月25日、土佐浩司先生と前田祐司先生、順位戦です。棋譜が見つからないのですが、
45歩に77銀としたところです。昔何かの本で読んで、土佐先生 (同郷なので誇らしい) の天才ぶりに驚いた記憶があります。44飛79角34飛
46歩同歩57金
引き角にした後は、金が前に出て抑え込んでいくのが眼目です。実戦は36歩同歩同飛に、おとなしく37歩を打つのですが、46金が通れば簡単です。
77角成同桂39銀があるからだめだと思ったら
AIに聞いてみると、36金28銀成35角42銀65桂
この図の評価値は+995、ほぼ先手優勢です。
後手が強襲できないとすれば
33飛は44歩で動けず。34飛35金54飛24歩同歩44歩
この図の評価値は+534の先手有利です。後手の飛角のさばきを抑えてから2~4筋を破れるでしょう。
なお実戦の進行は
36歩同歩同飛37歩33飛46金43飛
後手の前田先生も工夫しているのですが、36歩41飛37桂14歩45歩
土佐先生はじっくり指しています。以下省略で
この図まで、評価値は+313の先手有利です。
この対抗策は立石流側に対応策が見つかりません。
ここまで戻ってAIに聞いてみると、33金が最善だというのですが、57銀82玉96歩94歩86銀32金77角
後に端攻めを見て、先手の作戦勝ちです。評価値は+287
ということで、居飛車にこの引き角がある場合には、立石流四間飛車はうまくいきません (57銀左の形でも45歩に66銀~79角がある) 。穴熊や左美濃を目指した場合 (57銀型) にはままあ成立する作戦だといえるでしょう。
初心者に教えるならば、駒組が簡単でねらいもわかりやすいのではないかという気がしてきました。初段まではこれ一本でいいのでは。まあ相振り飛車は必要でしょうが。