後手の千日手含みの待ち方ですが、松尾流穴熊以外も考えられます。
先手が66の銀を57に引いて、後手が84角を73に引いた局面です。ここから27銀33銀右38金24歩
銀冠穴熊 (23銀~22銀など) はどうでしょうか。端攻めが緩和されるので、組めると大きいのですが。先手はすかさず25歩同歩同桂と動きます。
無難な24銀は、26歩23歩69飛31金48銀32金37銀
先手玉のほうが堅くなったかもしれません。石井先生は先手満足としています。評価値は+251もあって、先手の作戦勝ちです。AIの読み筋を見ていると、31金79飛84角97桂
後手が角を引けば75歩からさばきますし、放置すれば85桂から動いていきます。持ち歩が増えると端攻めもあるので、跳ねた桂を殺されても問題が無いようです。
ということで戻って
後手は作戦負けを回避するために、42銀と引いて24歩をねらうのですが。まずは64歩の突き捨てです。
64同角は、あっさりと同飛同歩41角
この図の評価値は+453、先手良しを通り越して先手有利です。44歩や端攻めもあるのでかなり良いのですね。
戻って
64同歩には75歩も気持ちよいところ。これは取りにくいので84飛、45歩同歩と進みます。
石井先生は14歩同歩13歩と攻めていくのですが、結構難しいようです。AIに聞いてみると、シンプルに13桂成同香14歩
このほうが持ち歩が多いです。14同香同香13歩同香成同桂14歩
駒損も取り返せる形です。この図の評価値は+351で先手有利。後手の最善は25桂13歩成65歩ですが、39玉と引くのがわかりやすいようです。
ちょっと戻って
12歩の受けは13歩成同歩24桂と進みます。
もちろん先手有利なのですが、石井先生の本に書いてある、13桂成ではなくて14歩同歩13歩同桂 (に対して14香25桂13香成も書いてある) 同桂成同香24桂の図と比べてみてください。
どちらが攻めやすいかははっきり違いますね。
ということで、後手が銀冠穴熊にしようというのは、この形ではうまくいきません。