ノーマル中飛車は居飛車穴熊にてこずっていたわけですが、所司先生の「東大将棋中飛車道場4」には64銀型が載っています。でも矢倉規広先生の「対居飛車穴熊最終兵器矢倉流中飛車の極意」のほうが新しいので、こちらを先に検討します。主に相穴熊になるのですが、その場合に居飛車が左美濃~銀冠で対抗する指し方があり、先に項目を改めて検討しておきます。
序盤の手順は省略しても良いでしょうか。
先手が77角として、穴熊のような持久戦を目指すよ、としたときに、後手は53銀とします。早すぎると居飛車が急戦で攻めるかもしれません。さて先手が居飛車穴熊にするならば、66銀と対抗することが多いのですが、58金右の形なので、66歩を突いて受けます。後手は92香
相穴熊もあるのですが、88玉91玉78銀
先手は左美濃へ。振り飛車穴熊に対しては有効な指し方です。( 後手が美濃囲いなどの場合は作戦負けになりやすい。) 振り飛車の3枚穴熊よりは4枚銀冠のほうが堅く、上部に手厚いのです。プロの対戦でも居飛車が勝ちやすいと聞いています。
ここで55歩同歩64銀
歩を突き捨ててから銀を出る方が筋というものです。64銀67金55歩65歩・・・という反撃策を消していますから。67金55銀56歩64銀
86歩82銀87銀71金78金74歩96歩51金36歩61金左
これくらいが組上がりで、評価値は+207、先手の作戦勝ちです。先手は95歩や85歩と突いておきたくはあるのですが、35歩同歩38飛は自然な攻めです。後手も75歩同歩72飛と対抗して
35飛75飛同飛同銀
この図の評価値は+104、手番なのでまだ先手ペースなのかもしれませんが、評価値は下がってしまいます。
戻って
矢倉先生の解説では、59角36歩74歩
なんだか怪しげな手順ですね。作戦勝ちの先手の指し方ではないです。74同飛76歩75歩24歩同角36飛33桂
この図の評価値は-234、矢倉先生は後手ペースとしていますが、それ以上でしょう。
また戻って
先手としては95歩などと待っていても良いのですが、AIに聞くと強く65歩、76歩には同金
75銀同金同飛76歩
65飛には66銀64飛65銀打・・・飛を捕獲できます。74飛に35飛72金左37桂
45歩33角成同桂同飛成44角
44同竜同飛55角
この図の評価値は+215の先手良しです。先手の駒得で、後手の44飛を抑えつつ (34飛には43角など) 、11角成から馬を引き付けるのが大きな手です。人間的には金銀交換がちょっと不安な指し方ですが。