名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

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20151203今日の一手<その223>; 石田崩し

2015-12-03 | 今日の一手
20151203今日の一手

10月10日の名南将棋大会からSさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。








昨日の一手の回答


まだ序盤ですから形勢は互角です。
しかし、後手の33桂が早いですね。ここに注目できるかです。


○ 石田崩しは棒金だけではありません。38飛と寄って

36歩があるので13角に17桂です。

74歩25桂同桂同歩75歩

互いに主張するとこういう感じでしょうか。75同歩に76桂のねらいです。
15歩同歩26桂

これが桂馬を交換した先手のねらいです。
31飛15香22角12歩

これで香車が取れそうです。11香成と交換してしまってはいけません。
33角13香成15角

28飛16歩14成香17歩成29飛

これが変化の一例です。桂馬を交換して26桂と据えての端攻めが狙いです。

後手の33桂が早いのですね。26歩で止めているのでこの仕掛けがあります。
実戦も17桂とはねたのですが25桂はなぜか決行せず、55歩に65歩同歩同桂と思わぬところから戦いが始まりました。


△ 持久戦なら55歩でしょうか。

43銀56銀直74歩65歩同歩同銀64歩56銀

こういう形を目指します。できれば47の銀は57に配置したいのですが、仕方ないでしょう。
後手の仕掛けは13角67金右54歩同歩45歩

という感じです。後手は12香や73桂を指しておくほうが良いかもしれません。先手から具体的な攻め筋がないので好きなときに仕掛けられます。後手の作戦勝ちになりそうです。


△ 他には67金右と固めておいて

54歩と中央位取りを拒否されたら75歩

玉頭位取りでも76金と出ていくのはあまり堅くはないですが。
74歩同歩同金には76歩と謝っておいて

後手陣が乱れたので、ここから38飛~17桂といくのは考えられます。



私が初めて買った将棋の本、大山先生の本で、振り飛車の形が書いてあった分厚い文庫本でしたが、なくしてしまってタイトルもよくわかりません、その本に出ていたと思います。
58の金を49のままにして、38金~27金~26金と出ていって端を攻める棒金はいまでも見かけますが、最近はこの形を見ないので紹介しました。振り飛車が25歩を決められていないのに34飛から33桂を優先させた場合だけ現れるので、なかなか出現しないのかもしれません。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
質問です (田中)
2015-12-03 11:43:45
3八飛に2四飛と寄られたら千日手にならないでしょうか?
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良い質問です ()
2015-12-03 17:42:26
田中さん、コメントありがとうございます。
とても良い質問で、おっしゃる通りに互いが望めば千日手です。どちらが得か、というのは難しくて、実際はどちらが先手かということもあります。
先手は66歩と止めているのがつまらなくて、角筋が通っていれば、38飛13角の交換をせずに、17桂から桂馬を交換しても攻め筋が多いのです。ただし、3筋が薄いので、本当は38金の形でやりたいところでもあります。
後手としては34飛33桂が早すぎて失敗しています。63金も早すぎて、75桂や55桂の傷がありますね。
どちらも失敗しているので、妥協し合って千日手でもいいかという気はします。
もし居飛車を持つのなら、25歩を決めないで34飛33桂とやってもらえるなら歓迎です。右金は38において、もちろん角筋を通しておいて、17桂を狙います。あるいは左美濃で26歩のまま38飛から17桂というのも良い作戦かもしれません。後手番なら。
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