名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(2)

2024-10-21 | 基本定跡の研究

昨日の途中図です。

64歩79金94歩96歩44角・・・の代わりに、44角79金33桂

後手は攻撃態勢を急ぎました。24歩同歩同飛に28歩

28同飛26歩と進めば良いのですが、23歩21飛86角

21歩成同飛同飛成同金31角成 (22歩成に同金は31角成同飛22飛成) の筋があり、53歩と受けると28飛で困ります。52金22歩成同飛同飛成同金が最善でも自信なし。この図の評価値は+382の先手有利です。

なので後手はすぐに28歩を打てずに、43銀36歩28歩

とするのですが、もちろん28同飛とはしてもらえません。37桂35歩

44飛同銀65歩55歩35歩

所司先生は後手不満としていますが、評価値は+567の先手有利です。

また最初の図に戻って

第3の手は、43金79金94歩96歩84歩36歩55歩

先手が36歩を突くのを待って55歩の合わせです。でもAIに聞くと、24歩同歩を入れて、55歩同角24飛

この図の評価値は+365の先手有利。

また55歩を同銀と取った場合は、56歩44銀65歩

この図の評価値は+425の先手有利。

43金と上がっていても効果なしです。

所司先生の解説では

単に55同歩ですが、これでも良いです。55同角18飛33桂56銀44角28飛

21飛に55歩同銀同銀同角・・・なのですが、評価値は0付近に下がってしまいます。35歩同歩24歩同歩65銀

銀交換から32銀をねらいます。この図の評価値は+478の先手有利。

ちょっと戻って

21飛ではなくて64歩 (銀の詰めろ) 68金引55銀同銀同角58飛

所司先生は難解だとしているのですが、評価値は+305の先手有利です。しばらく駒組の続きになるから、先手の選択としてはちょっと劣ります。

 

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SS4-7 ノーマル中飛車に居飛車穴熊(1)

2024-10-20 | 基本定跡の研究

新しいテーマに移ります。居飛車穴熊ですが、これがノーマル中飛車が指されなくなっている原因でしょう。定跡本としては、所司和晴先生の、「東大将棋中飛車道場第4巻」です。

初手から76歩34歩26歩44歩48銀42銀56歩52飛68玉62玉78玉72玉58金右54歩57銀

対中飛車では中央を厚く構えたいので、58金右としてから組むほうが普通です。43銀77角82玉88玉72銀25歩

この辺りで25歩を突いておく方がちょっと得です。というのは98香を急ぐと45歩66歩55歩

32金を省略して動かれて、55同歩同角67金44角99玉33桂88銀24歩

2筋を軽く受けられてしまう可能性があるから。でもこの図でも先手が悪いわけではないようです。

戻って

33角98香32金99玉45歩

後手は角交換を挑み、もちろん先手は角を交換しないほうが良いです。66歩55歩同歩同飛67金51飛88銀54銀56歩

先手はまだ56歩を打たなくても良いのですが、打っておけば無難です。この図の評価値は+207で先手の作戦勝ち。ここで後手の指し方が分岐しますが、64歩79金94歩96歩44角

先手は端を受けておく方が良いです。後手は何か動きたいのですが、作戦負けだと考えれば、動く方が間違っていて、評価値は次第に上がっていきます。24歩同歩同飛33桂

ここは34飛もあるけれど、36歩 (35歩ねらい) 23歩29飛21飛

AIに聞くと、ここでは65歩77角成同金

35歩をねらって後手は陣形をまとめることができません。評価値はすでに+771、はっきり先手有利です。

解説に戻ると

35歩同角55歩

AIに聞くと、55同銀65歩56歩とされると難しくしてしまっているようです。63銀引56銀41飛

と進むのが実戦例なのでしょう。金銀が上ずってしまい、評価値を下げています。65歩同歩同銀64歩54銀52銀38飛

AIに聞くと、79角成同銀46歩

この図の評価値は-445で後手有利。穴熊の場合は角よりも金のほうが価値が高いということが頻繁に起こります。解説 (実戦例) では、角を切らずに44飛68角・・・と進むのですが、もう定跡の範囲ではないのでやめましょう。

とりあえず定跡 (というよりは実戦例) を追いかけてみましたが、居飛車穴熊に組んだ時点で、居飛車の作戦勝ちのようです。原因は後手玉が薄く、右金の離れた居飛車穴熊でも十分だということですね。後手から動いてもらえれば、それに対応するだけで簡単に勝てそうです。

 

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SS4-6 ノーマル中飛車に53金戦法(3)

2024-10-19 | 基本定跡の研究

最後は

先手が三間飛車に振り直すのがどうかです。78飛64金58金左

ここで75歩は無理そう、55歩同歩同金というのは評価値0近辺の互角です。14歩16歩44歩から

後手が銀矢倉に囲うと、先手も銀冠に組んで、

評価値は+178で先手ペースです。先手玉のほうが堅いからでしょう。まあ先手から手を作るのも簡単ではないので、後手番ならば千日手でも良いでしょうけど。

さて解決策をAIに聞いてみましょう。

78飛には31金58金左64歩

65歩急戦を見せます。88飛73桂

これは46歩を突くと、65歩同歩77角成同桂22角66角同角同銀79角

馬を作って後手ペースになります。評価値は-175

戻って

36歩63銀26歩94歩96歩83飛37桂と進めてから65歩

65同歩に44金46歩55歩

変わった手順ですが、47金65桂66角64銀

こんな進行で評価値は-180の後手良しです。

ノーマル中飛車にはなかなか出会わなくなっているのですが、金立ち戦法 (53金戦法、57金戦法) が有効です。

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SS4-6 ノーマル中飛車に53金戦法(2)

2024-10-18 | 基本定跡の研究

次は先手が飛を振り直すのですが、

森雞二先生は88飛64金86歩

向い飛車で攻めました。86同歩に同飛同飛同角87飛ではだめなので、86同角75歩

78金73桂の時に分岐です。77角には87歩

87同金には76歩同銀55歩・・・後手が指しやすいです。87同飛同飛成同金76歩同銀69飛82飛

加藤先生は53銀右で後手が指しやすいとしていますが、AIに聞くと51金が最善です。88金66角78金77角成同桂99飛成

これくらいの進行で、評価値は-192の後手良しです。

戻って

78金73桂75歩が実戦の手順です。

85歩77角75金76歩74金

この図の評価値は-83、互角です。65歩に55歩同歩65金・・・と進んだのですが、55歩に同角もあってややこしいです。AIに聞いて、65歩には33銀66銀65金67金64金

もう少しゆっくり指す方が良さそうで、この図の評価値は-161の後手ペース。

53金戦法は向い飛車にも対応できるようです。

 

 

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SS4-6 ノーマル中飛車に53金戦法(1)

2024-10-17 | 基本定跡の研究

新しいテーマに移ります。再び加藤一二三先生の「プロの中飛車破り」から、53金戦法 (金立ち戦法) を調べます。

初手からの手順は前後しても良いですが、76歩84歩56歩85歩77角54歩68銀34歩66歩62銀58飛42玉48玉32玉38玉52金右67銀74歩28玉42銀38銀53金

金で攻めようというのは珍しいです。角落ち本定跡から応用したのでしょうか。対中飛車だけで使われます。 (向い飛車に使った実戦もあったと思いますが。) 先手としては、中飛車のまま対応するか、三間飛車や向い飛車にするか、に岐れます。大山加藤戦の進行は、78金64金16歩14歩68角

これで75歩と攻めても互角です。53銀右77桂55歩

とするのはあるようで、評価値は-96の後手ペースです。65歩に54金と寄れる (75歩を突いている形ならば74金) というのが金で攻める利点です。

戻って

73桂77金 (75歩に備えた) 53銀右36歩44歩

角筋を止めて持久戦に移行します。46歩43銀47銀42銀38金33銀59角31角78飛

銀矢倉に組み替えるというのが加藤先生の素晴らしいアイデアでした。22玉58銀左32金57銀

大山先生も金銀の繰り替えで対応しているのですが、後手玉のほうが堅いです。この図の評価値は-205、後手の作戦勝ちです。94歩96歩55歩67金

56歩同銀右55歩47銀84飛58飛

54金56歩64角

55歩同金56金の時に、実戦進行は54金55歩同金同金同角・・・なのですが、54歩と打つのが好手だった

と加藤先生は書いています。この図の評価値は-282の後手良し。実戦進行でも悪くないですが。後手玉のほうが堅く、飛角金桂を使いやすいです。

加藤先生は別の形も書いていて (想定手順だと思います)、先手がツノ銀中飛車でもこの図を目指します。

気を付けなければいけないのは、94歩96歩を入れていることです。無い場合は65歩同桂同桂同金95角

馬作りを防げないので後手が指しにくくなります。

戻って

加藤先生の想定は、57角75歩同歩同金76歩74金

この図の評価値は-221で、後手良し、指しやすいです。

また戻って

AIに聞いてみると、先手が動くならば65歩同桂同桂同金95歩同歩57桂64金95香同香

1歩手に入れて65歩を打てば金は死ぬのです。でも95同角92飛51角成55歩では殺せません (評価値-221) 。すぐに65歩として、97香成64歩同角

この図の評価値は-326の後手有利。香歩と金の交換でも成香を作られ、先手が駒得というわけでもないのです。玉の堅さや攻め駒の数で劣ります。

ということで、中飛車のままならば、後手は銀矢倉への組み換えが優秀だとわかりました。

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(22)

2024-10-16 | 基本定跡の研究

この形からの攻めで

74歩を突いて待たれたときに、24歩同歩45歩・・・は難しく、24歩同歩25歩73桂24歩22歩45歩・・・は先手良しでした。実は24歩同歩25歩の時に

25同歩同桂22角45歩

45同歩には22角成同金44歩同銀34飛

これは先手良し (評価値は+265) なのですが、

45歩には42飛と受けられて24歩と垂らし

45歩22角成同金

居飛車が後手番の時に触れましたが、84歩を突いてあると51角~84角成として先手ペースになるのです。でも83歩を突いていないから評価値は-178で後手ペース~後手良しです。

戻って

42飛には38飛か39飛とする方が優ります。38飛には24歩44歩同角同角同銀

22歩 (22同金には34飛33歩31角) 47歩49金27角

21歩成25歩11と38角成同金

わずかに駒得ですがなくなりそうで、この図の評価値は-45、互角です。

また戻って

42飛に39飛のほうは24歩44歩同角同角同銀22歩

47歩58金33桂

この図の評価値は-115、この受け方もあって、先手が思わしくありません。

ということで、エルモ囲いからの攻めも簡単ではないようです。仕掛けの前に16歩を突いておくというアイデアはあるのですが、互角にしかならないようです。後手の最善陣形を崩せないのか、残念でした。

 

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(21)

2024-10-15 | 基本定跡の研究

この形で、後手が74歩と待った時の仕掛けの続きです。

24歩同歩45歩がだめならば、24歩同歩25歩

73桂24歩22歩と受けたら

45歩同歩44歩

44同角同角同銀

先手中飛車の時は84歩を突いている形でした。41角、61角、34飛の3通りの攻め方があったのですが、この場合は34飛33金36飛34歩75歩

75同歩には74歩同銀41角の筋があります。取らない65桂に74歩57桂成同金

この図の評価値は+190の先手良しです。75桂74銀41角の攻めが見えますね。84銀の受けには66金と使います。振り飛車が先手で84歩を突いてあると評価値は+50くらい (後手番なので-50) です。

途中で

34飛33金36飛に14角を打つのもあって

26飛65桂66銀42飛23歩成

23同歩には25歩

16歩~15歩で角を殺し、先手良しになります。

ちょっと戻って

23同角には75歩、75同歩には65銀同歩74桂

84歩を突いてあれば83玉が面倒ですが、この場合はもう一枚角が質駒ですし、81玉などに73歩も打てるので先手優勢です。

後手中飛車の場合は、この変化で先手良し以上になるのです。

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(20)

2024-10-14 | 基本定跡の研究

居飛車が先手番での新研究に移ります。手順は省略しますが

この図から。後手の31金~32飛や、35歩同歩同飛に45歩の反撃筋は怖くありません。後手番で調べた通りですので省略します。63銀35歩同歩同飛34歩36飛72金37桂

42飛には55歩同歩同角・・・というのも後手番で調べた通りです。74歩か51飛か。まず74歩から調べます。24歩同歩45歩

45同歩33角成同桂44歩同銀34飛

62角が難しいのでしたね。41角36歩

52角成同銀25桂同歩24飛

もうこの手順は身に着いたでしょうか。37歩成同金23桂21飛

84歩を突いてあるかどうかの違いですが、評価値は少し先手にプラスのようです。63銀41飛成35銀34飛31歩

24歩15桂43歩52角

23歩成41角32と同歩42歩成

27桂成同金46歩37金45桂

46銀37桂成35銀33金

この図の評価値は-145、後手ペースです。

途中の変化として

37歩成同金23桂に34歩もあります。

15角33歩成同銀 (33同金には22飛) 54飛63銀52飛打

52同銀同飛成42金62竜同金38金

この図の評価値は-16で互角です。

居飛車が先手番でも、ツノ銀の52飛は守備力が高いので、24歩同歩45歩の攻めではちょっと足りないみたいです。

 

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(19)

2024-10-13 | 基本定跡の研究

59飛と引く形から

86歩同歩85歩

85同歩としないで37桂86歩88歩

このほうがありそうな進行です。87歩成同歩85桂

86角か88角か、分岐です。86角は65歩55歩同角45桂

44銀56銀左73角

65銀には94飛と逃げます。75歩ならば84飛68金94歩

これくらいの進行で、評価値は-50、互角です。

分岐に戻って

88角には65歩

65同歩は88角成同金44角

この図の評価値は-134の後手ペース。66角は同角同銀76飛、98金は77桂成、58飛には88角成同飛77金としても。79角と受けるしかないですが、66歩58銀76飛・・・まだつぶれてはいないですが、後手が押しています。

ということで

69飛が最善で、66歩同銀77歩

77同桂しかなさそうで、76飛45桂15歩

15同歩17歩同香44角

端を絡めて後手が指せるようです。評価値は-145

途中の45桂では58角のほうが難しく

77桂成同銀75飛

この図の評価値は0近辺の互角です。後手からは端攻めや65桂があり、先手には45桂の攻めがあります。

互角の変化が多いですが、59飛と引いた形は88角成同金44角が金取りになるので、後手からの攻めは続きます。

 

あとは68飛と先に受けておく形で、

65歩の攻めではうまくいかないので、55歩同歩同角

5筋の歩を切って、22角~54銀とできればまずまず、後手の作戦勝ちになりそうです。

後手番で急戦は難しいのですが、互角以上で戦えるようです。明日からは居飛車が先手番ならば?を考えることにします。

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SS4-5 ノーマル中飛車に袖飛車(18)

2024-10-12 | 基本定跡の研究

次は59飛と引く形です。

86歩同歩65歩と攻めるのは、65同歩77角成同桂66歩同銀76飛48角

58飛の形よりも後手がまずく、評価値は+216の先手良しです。

戻って

86歩同歩85歩

継ぎ歩のほうを採用します。85同歩には同桂65歩

65同歩には88角成同金33角

66角同角同銀76飛

57銀66歩77歩95角 (ここは67歩成76歩95角もある) 

68銀77桂成同銀 (どれで取っても) 67歩成

この図の評価値は-135です。以下は76銀59角成67銀69飛

桂損なのですが、後手ペースで進みます。

戻って

69飛と受ける方が難しいです。86歩65歩88角成同金33角

68飛87歩成同金99角成69飛

(66角を避けて) 44歩86歩98馬78銀88香

64歩同飛同飛同銀

ここまで進んでも評価値は-56、後手に振れていますが、互角の範囲です。ともあれ59飛の形は88金にひもがついていないので、後手は攻めやすいです。

また戻って

37桂86歩88歩

8筋を謝ってしまう方が多いのだろうと思います。以下は明日に回しましょう。 まとめて書くと混同しやすいのでは?

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