今日は「携帯小説家」の上演最終日、つまり千秋楽でした。先週観に行って、また観に行きたくなった私は、ネットでチケットを調達して本日の一回目を観に行く機会を得られました。
また観たくなった一番の理由は、メンバーの演技をじっくり前の方の席で観たいという気持ちになったからでしたが、狙っていた土曜日公演は結局予算オーバーで取れず、今日の一回目の安い席を入手したのでした。安いだけに、前回より更に後ろで22列でした。でも、観られる喜びを大切にして会場へと向かうのでした。
11:30舞台スタート。二回目の観劇とあってストーリーもわかっているので、メンバーの動きに集中出来ます。
例えば、千聖は台詞だけでなく動きでもキャラを作っていて、観る側もそれをわかっているから、千聖の台詞の時は常に笑いが起こる事がわかります。観ていて微笑ましくもあり、劇中におけるマスコット的存在として存在感を感じました。今日明かされた情報によると、千聖の登場シーンの変な動きは毎回あいざわ元気さん(作家先生役)が考えていたのだそうです。
二回目は前で観たい理由の一つは、なっきぃの演技でした。なっきぃは仕草や表情をキャラに同化させて、とても良い演技をしているという評判を聞いていたのですが、頑張って後ろの席からそれを確かめてみました。表情までは残念ながらよく見えないのですが、仕草は確かに「中島早貴」ではなく「竹下広海」になりきっていました。特にロリータドレスを着ている時は顕著だったような気がします。自分が普段着ないような衣装を着る事によって、演技のスイッチが入るのでしょうか。立って作家先生の批判を聞いているシーンでも気を抜かずに、キャラを作っていました。
キャラと言えば梅さん。先週観た時は、ヤンキー役なのに迫力を出し切れていないように思えた箇所がありましたが、一週間という期間は成長を与えたようで、今日の梅さんは先週より良かったです。随所にアドリブも入れて笑いをとる余裕もありました。印象に残ったのは、愛理がスカートの裾を広げて思いっきりお嬢様演技している時に、後ろでそれを真似していた姿でした。ヤンキー風味の長いスカートでお嬢様の真似は、会場を大いに沸かせていました。
台詞の言い回しに気を遣い、先週より良くなっていたのはマイマイも同様でした。演技的には拙さもありますが、発声が良くなり声が通るようになっていました。共演者のアドバイスもあったのでしょうか?本人もそれを吸収して良い感じになっていく。まさに舞台のライブ感ならでは。自信も付いてきたのか、笑顔も輝いていました。演技の面白さに目覚めたのかもしれませんね。今後が楽しみです。
演技と言えば、色々考えて取り組んでいるのが伝わる栞菜。役柄的にはコミカルな演技を要求される役で、本人も楽しんで演じていると思いますが、等身大キャラだった「寝る子はキュート」に比べると、キャラ付けが明確な分だけ苦労もあっただろうなと感じさせます。他のメンバーにも言えますが、今回はキャラが立っている人物を演じる分、前回より難易度は高かったと思います。コミカルという事で、千聖と被らないように演じ分け出来ていたと、今日は感じました。栞菜の台詞の入れ方、例えば「じゃあ野球で勝負よ」とか突拍子もない事を言い出すシーンとか、間が絶妙だなと感心しました。前回の感想にも書きましたが、栞菜は高校生になる来年は、舞台の仕事を入れてあげてほしいなと願っています。演技の勉強をしたら伸びそうに思うのです。
キャラ作りという点では、愛理も実は大変だったのではないでしょうか。今日の最後の挨拶で語っていましたが、お嬢様の雰囲気をオーバーに出すのは、なかなか大変だったのではないかと思います。愛理は色々考えて演じていたようですが、先週に比べると今日は格段に良かったです。先週はちょっと無理を感じさせる演技でしたが、今日は自然体?と思えるような演技。愛理は普段から動きとか面白い個性的な子なので、その独特の感性は舞台の仕事でも生かせるのではないか?そんな嬉しい予感を感じました。まずは発声から磨いていってほしいです。
そして、主人公として他のメンバーよりも台詞の多かった舞美。前半は怒りっぽい女の子というキャラ全開で、まさに来夏様再び降臨という感じ。舞美はこういう役しか出来ないのかな?と心配になる訳ですが、後半の泣くシーンでは涙を流して演技している(後ろだと、誠に残念ながらよく見えない)そうだし、台詞によって声の出し方を変えていたり、キヨカは単なる来夏様の焼き直しキャラではなかったです。今日の最後の挨拶で「今日でキヨカを演じられなくなると思うと…」と言っていましたが、またどこかでキヨカと合いたいなと、自分も思いました。この作品の登場人物の数年後を描いた舞台とか、いかがでしょうか?今回の劇中の最後のシーンは半年後のメンバー達という描写でしたが、その続きを見たい終わり方でもありました。
さて、物語が終わったあとのトークタイムです。先週は℃メンバーから一人代表で感想を語るというものでしたが、7人が一巡した月曜日からは、共演者の方が℃メンバー一人に質問をして、それを役に成りきって答えるというコーナーに変わりました。今日の一回目、質問者は作家先生を演じたあいざわ元気さん。劇中に使われた携帯の着信音とともにスクリーンにあいざわさんが映ると、場内は大歓声でした。あいざわさんの面白進行に期待が高まる場内。回答者は誰か?軽くフリートークをして場内を笑いに包んだあいざわさんが選んだのは愛理でした。
劇中の最後のシーンで、愛理演じる彩音は家のお手伝いのアルバイトをしていて、庭そうじをしているという説明があります。あいざわさんは、庭そうじにかかる所要時間を訊ねました。
愛理「本当は10分で出来るんですけど、私は一時間かかってしまします」
あいざわさん「家の広さはどのくらいあるの?」
愛理「東京ドーム103個分で、私の部屋は2.5個分です」(会場爆笑)。
このようなやりとりを、あいざわさんが絶妙なツッコミを入れて笑わせ、さて次は歌のコーナーと思いきや、まだ話し足りないというあいざわさんは、「なんか、この中であいざわ元気の物真似をしている子がいるそうじゃない?」と、千聖を引っ張り出しました。客席の雰囲気に押されて早速実演タイム。あいざわさんが変な動きで横移動を見せ、それと同じ動きを千聖が披露しました。会場は大爆笑です。千聖オイシイ!そして、可愛い! 今日は千聖がMVPです。
「乙女COCORO」、「涙の色」と歌った歌のコーナーは、コールなど叫ぶヲタもいなくて良い雰囲気でした。
歌の後に再び出演者登場という展開でしたが、今日は最終日という事で、一人ずつ挨拶をする事になりました。℃メンバーの名前紹介で一人ずつ共演者の方々が挨拶していきます。皆さん、結構笑いも取っていました。
先週観た時は夜公演という事もあってか、帰りに俳優さん達が出口で見送りに立ってくれまして、℃-uteヲタの皆さんからも温かい励ましを受けていました。俳優さん達は気さくで低姿勢な方達で、私も周りの℃-uteヲタさん達と同様に「お疲れ様でした」と声をかけたものでした。その時の姿と今日の挨拶での面白ぶりが、今回の舞台の良い思い出になりました。皆さんも℃-ute同様にお疲れさまでした。
そして、共演者さん達による紹介で今度は℃-uteが一人ずつ挨拶です。最後に挨拶をして、感極まり涙を流した舞美の姿に温かい拍手が送られました。ストーリーに関しては賛否両論色々あり、前作「寝る子はキュート」のように観に行った人が皆余韻に取り憑かれたかのような状態にはなっていないような今回の作品ですが、今日の皆さんの挨拶と舞美の涙を見て、メンバーは大きな収穫を得る舞台だったのだろうなと感じました。先週の舞台より一回り成長したように見えた今日の舞台が、何よりもそれをよく表しているように思います。
また来年もサンシャイン劇場で、℃-uteに合いたいと願い、会場を後にするのでした。
℃-uteの皆さん、共演者の皆さん、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。