モーニング娘。の人気が斜め下がりになり始めたのはいつからでしょうか?売上的には「ザ・ピ~ス!」からと言えるのですが、実際のところ下降が始まったと言えるのは2002年の夏~秋くらいからでしょうか。
更にそれに追い討ちをかけたのが六期メンバー加入による、娘。史上例のなかった15人体制。これでライト層がついていけなくなった印象です。
そんな15人娘。が最初に出したシングルが「シャボン玉」です。
モーニング娘。 - シャボン玉
この曲の初披露は、テレビの特番でした。安倍なつみさんの室蘭での学生時代の恩師を招いての昔話、色々と感動の話をしたあと、恩師の前で新曲を披露となった訳です。
いきなり出だしが「愛する人はあなただけ~」と、れいなが唸る新曲。しかも肝心のなっちが活躍していない。恩師の先生は目が点になっていた事を思い出します(苦笑)。ネット上でも、「今度の新曲、なんだこれは」と戸惑うヲタが多かったように記憶しています。
「愛する人はあなただけ」な筈が、そのあなたに裏切られた。そう歌うこの曲。実際の皆さんの身近な恋愛でも、アイドルを応援していく上での揺れる想いでも、どちらでもそうですが、なかなか愛する人はあなただけという気持ちは永続していかない。
私には、この曲の歌詞が斜め下がりを始めたモーニング娘。人気へのアイロニーに聞こえ、複雑な気持ちになったものです。
アイドルヲタの熱い想いというのは実は残酷です。シャボン玉のように脆く、そしてその気持ちの強さ、長さは儚いものです。
今のモーニング娘。を支えている存在と言える六期メンバーは、いわゆる黄金期を経験出来ずに現在まで来ました。さゆじゃなくても、「どこ行ったんだよ~」と、ファンだった人達へ向かって叫びたくなるってものです。
この曲で新人ながら活躍した田中れいなちゃんは、その後ヲタ人気を着実に上げていき、いつしかモーニング娘。で一番人気のメンバーとなりました。それは勿論、本人の努力と能力の生んだ結果です。
新人時代のれいなに関しては、「れいなは努力家」と矢口真里さんも自身の書いたエッセイ「おいら」に書いていました。「怯えがないのもいいところ。何に対しても強気で、緊張せずにやりこなしてしまう」とも書いています。あっ、れいなは礼儀正しいとも書いてますね。
以前、ハロモニでれいなが自宅でダンスを復習していると語り、それを聞いたヤグチが凄く嬉しそうに感心していた事があります。見えないところでの努力。アイドルにとって大事な事ですね。
しかし、この曲は「どんな事だってする私」がハッピーエンドにならない歌です。泣いて済むなら泣くしかない。泣いて全てを流すしかないのでしょうか。
つんくPは、こういう直情的な歌詞、演歌的とも言うべきか、こういう歌詞の世界を少し古びた曲の世界で表現するのが巧い。モーニング娘。の初期の曲(1stアルバムの頃)もそうでした。今こそ、こういう直情的な歌をモーニング娘。に歌わせても面白そうな気がしますが。
Inter FMで放送されていたれいなのラジオ番組が、昨夜突然終わりました。来週からはスマイレージの、ゆうかりん、かにょんが担当します。この決定には、色々と腑に落ちない気持ちもあったりしますが、スマイレージの二人には頑張ってほしいです。それが大人の対応と言えましょう(苦笑)。
でも、敢えて問いかけたい。「愛する人は○○だけ」。あなたは、そこの○○に推しメンの名前を何の迷いもなく入れて歌えますか? ずっと好きでいますか? ヲタの心もシャボン玉ですか?
シャボン玉/モーニング娘。 作詞・作曲:つんく 編曲:高橋諭一 ストリングス・ホーンアレンジ:河野伸 (2003.7.30発売)