この記事は2006年3月19日に発表されたものです。
※元記事URL
http://blog.goo.ne.jp/seasonz/e/c12655b54d2e47292b3557dd1d4459a3
早いもので、今回の記事で通算100回目の記事となります。このブログを開始したのが昨年の9月の下旬。そのスタートの記事は、Berryz工房名古屋公演の事を書いたものでした。その名古屋公演が行われたのが、9月19日。ちょうど今日で半年になります。
エッセイ形式のブログなので、携帯で読んでいただいている方には、長すぎて読みにくい点もあるかもしれませんが、今後もエッセイ形式で色々綴っていきたいと思っておりますので、携帯の方もパソコンからの方も、末永きお付き合いよろしくお願いします。
そんなわけで、100回目にちなんで今回は「100回」がタイトルに付くこの曲をテーマに書きます。
2001年夏、私は友人と一緒に、代々木第一体育館で行われたハロプロライブに足を運んだ。二階席の上段、客席としてはほとんど最上段に近い席で、この春デビューしたばかりの女の子の姿に目を奪われた。
その子の名は「松浦亜弥」。その日のステージでは、三人祭の一員としても活躍した。多くのお客さんは、この日の松浦亜弥には三人祭の印象が強く残ったので はないかと思えるが、私は「トロピカ~ル 恋して~る」という夏の勢いソングを、くねくねとゆらゆらに歌う姿が強く印象に残った。
私の居た最上段みたいな席からでもハッキリとわかるほど、彼女は小さく華奢であった。しかし、広いステージを走る姿は頼もしくもあり、階段を物凄い勢いで駆け上がり、大サビ前の手をグルグル回す振付を見せた彼女は、すでに大勢のお客さんを惹きつける術が備わっていた。
夏が終わり、終わった恋に別れを告げる曲でブレイクした彼女は、続くシングルにしっとりした曲を持ってきた。「100回のKISS」。
世間に認知され始めた矢先でのシングルが、ミディアムテンポの曲というのは、随分と思い切った事のように思えたが、この曲自体はデビュー前の2001年ハロプロ正月公演で披露している。
勢いを削ぐかのように思えたリリースだったが、やはり前作より売上は落ちてしまった。しかし、この曲の世界を理解しようと懸命な彼女のぎこちなさが、「わ かってほしいけど、わかってほしくない」というこの曲の主人公のぎこちなさとシンクロして、妙なリアリティを作り出していた。
当時、つんく♂はレコーディングの際に、彼女に相当ダメ出しをしたという逸話が残っているが、結果的には「完璧にこなせないからこそ生まれるリアル」が表現出来たと思えるのだ。
この曲のPVにも、そんなぎこちなさは程良く表現されていて、この次の大ヒットシングルでクルクルと愛らしい表情を見せる人と同一人物とは思えない。
時は経ち2006年。いつしか、彼女のシングルはバラードばかりになった。「100回のKISS」の時に見せてくれたようなぎこちなさは、当然の ようにキャリアと共になりを潜め、今は普通に上手い歌手に落ちついてしまった。それはそれとして、当たり前すぎるほど正しい事なのだけど、また自分の領域 を超えぎこちなさを見せる姿も見てみたい。
どんな曲を与えられたら、領域を超えるのか?そんな事を考えながら、今は今度発売されるという、生バンドをバックに従えてヒット曲を歌うというDVDで、そんなシーンの片鱗が少しあるかなと思っていたりする。
松浦亜弥 - 100回のKISS [PV]
<2013年の追記>
文中にもあるように、この記事は当ブログの第100回目の記事でした。それにちなんでこの曲を語ってみた訳ですが、要するに松浦亜弥はスゴイという事であり、当時揺れ動いていた路線変更についての期待と戸惑いでもあったように思います。
その後、松浦さんがどうなったかはご存知の通りです。その流れについてはここでは書きませんが、やはり今でも彼女の歌は私にとっては特別な存在であり、そういう風に思っているファンがまだ結構いるという事です。これといった活動をしていないのに、まだそういう風に受け止めてもらえる歌手はそういない。それが可能なのは彼女がやはりオンリーワンな存在だからなのでしょう。これは、彼女が二十代になってから以降のライブを生で観た事がある人ならば共感してもらえるものだと確信しています。
その時期によって色んな顔を持つ松浦亜弥ソング。(亜弥ヲタではない)ハロヲタでさえ知っているのは初期曲くらいというのが現実だけれど、彼女のアルバムは傑作揃いなのだと声を大にして言いたいのであります。
松浦亜弥さん誕生日おめでとうございます。素敵な歌をこれからもマイペースで届けてくれたら嬉しいです。