とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

画家との出会い

2011-12-26 22:42:13 | 日記
画家との出会い




モネ「散歩、日傘をさす女」(1875)<National Gallery of Art, Washington, DC>

 こういう絶品の名作をこういうページに載せることにためらいを感じる。それほどほれぼれするような作品である。女性と子どもの表情はぼかしてある。ただ逆光に浮かび上がるシルエットとその背景としての空の色彩を描きたかったのである。
 印象派の代表的な画家のモネはこういう場面と構図で別の作品も手がけている。別の作品には女性の顔が全く描いてない。それほど光と影そして風を描きたかったのである。私はモネの最高傑作だと思って一人で合点している。こういう絵が家にあれば・・・、などと他愛ないことを思うことがある。こういう絵なら心中してもいいと思う(?)
 さて、次の作品である。この作品は私の家にある。
 この作品をここに登場させることは著作権に関わる問題が生じるのではないかと思いつつもとうとう出してしまった。多謝。
 画伯は彼の詩人千家元麿の次男である。名家の出であるにも関わらず名前は島根県内ではあまり知られていない。千家潔という。



 この画家は1919年生まれで、立教大学を卒業している。美術団体に属することを好まず、1994年に75歳で亡くなられるまで在野の作家として活躍したという。ギリシャ神話や日本の神話を主なモティーフとして描いたと聞く。
 さて、この絵をじっと見ていると、モネに通じるものがあると気づく。印象派の筆法を旨くとり入れているのである。
 長柄さんがアトリエの話をしていたが、もし現在ご存命ならあの空き家で活動して貰いたいと思う第一のお方である。そうだ、その後長柄さんとは話をしていないが、あの話はどうなっただろうか。


東北関東大震災 緊急支援クリック募金