Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

僕はいかにして指揮者になったのか

2009-07-14 18:05:53 | 

ある日、私の中学校の恩師N先生に佐渡裕は佐渡先生の子供だと教えて頂きました。それで佐渡先生を
卒業アルバムで調べたら、私は教えて頂きませんでしたが数学の先生で、そのお顔には見覚えがありました。背が高くて穏やかでハンサムでカッコイイ先生です。仕事仲間にそのことを話したら佐渡裕の面白い本があり、感動するから読んでと薦められました。そんなご縁で出合った本です。読み始めると感動が伝わってきて感極まって泣けてきます。別に泣く所でもないのですが、一言にもその先にある優しさや豊さが迫ってくるのを予感して瞼があつくなりました。佐渡裕さんは京都の太秦で生まれました。お母様が声楽家を目指されていたそうで、息子さん二人に小さい時からピアノを教えたり、音感教育をされていたそうです。佐渡裕さんはよく京都会館へ演奏会を聴きに行かれました。お家にもたくさんクラシックレコードがあったそうですが、小学校5年生の時にお年玉で初めてクラシックレコードを買われました。バーンスタイン指揮によるニューヨーク・フィルハーモニックが演奏するマーラーの《交響曲第一番巨人》でした。ジャケットには『音楽はすべてが創造です。それはあなた方の体験の中で、最も神秘的な、そして最も心を揺り動かすものの一つです。 レナード・バーンスタイン』と書かれていました。その時以来「先生と呼びたいのはバーンスタインと小澤征爾だけや」と思うようになったそうです。不思議なことにずっと後になってからですが、佐渡さんの才能を見つけ育てるのが本当にバーンスタインさんと小澤征爾さんでした。お二人の秘蔵っ子です。佐渡裕さんは子供の頃からクラシックに慣れ親しんではおられましたが、バーンスタインさんと小澤征爾さんに見つけられるまでは、指揮者の勉強を特別にされたわけでもないので、指揮者としてはエリートではなかったかもわかりません。でも音楽を体で感じておられたので音楽の超エリートだったと思います。クラシック演奏会にも良いときと悪い時があるそうです。クラシック演奏会は百のうち九十までは退屈で佐渡裕さんですら居眠りをしてしまうことがあるそうです。良い時は魂が震えて終わってもすぐに拍手が沸き起こらないで、会場から啜り泣きの声が聞こえてくるそうです。そんな感動的な演奏会は指揮者と演奏者、観客が一体となって作り上げるそうです。観客の期待や喜びが演奏者に通じて演奏者も気持ちよく演奏でき、指揮者もまた神がかりかと思うような指揮ができること、三拍子揃った時に素晴らしい演奏会が作り上げられるそうです。佐渡裕さんお薦めの曲は、人を愛したならマーラーの《交響曲第五番アダージェット》をバースタイン指揮で、これを聴いたら、自分の生命を懸けてでもその人を愛することになるだろうと書いてあります。落ち込んでいる時はチャイコフスキーの《交響曲第五番》カラヤン指揮で、聴いておそらく40分後には、自分に「フレーッ、フレーッ」とエールを送っているだろうと書いてあります。早速図書館で借りて聴いてみたいです。本の最後に「佐渡流『演奏会の楽しみ方』」が載っています。大まかなタイトルだけを挙げると

  1. 音楽を聴くだけが目的じゃない
  2. 客席に着く前に楽屋口を覗いてみる
  3. 指揮者や演奏家と接する機会を作る
  4. 指揮者が登場する瞬間を見逃すな
  5. 演奏中、退屈だと感じてしまったら
  6. 指揮者は指揮棒にこだわる?
  7. たまには楽屋に来いひんか? 

佐渡裕さん指揮の演奏会へ行ってみたくなりました。今日から早速へそくり開始です。

お気に入り度:★★★★★   図書館資料 請求記号:B/762.1/サ 佐渡裕作

コメント (6)
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