友達が良かったよと薦めてくれたので読みました。飛鳥井千砂作「君は素知らぬ顔で」。飛鳥井千砂さんの名前は初めて知りました。Scene1~5とLast Sceneまで短編6話で、各お話の中に「ゆうちゃん」と呼ばれる芸能人が登場します。読んでいるとオムニバス形式の小説かなと思ったのですが、そうではありませんでした。最近の本はこのような形式が多いと思います。短編でありながら何か共通点があったり、共通の登場人物だったり・・・このキーワードがどうつながるのかと心に引っかかりながら読みました。それぞれのSceneは日常ありそうな身近なことで、ちょっと切ないものでした。その切なさがすうっと入ってきてしっとり心を潤す感じがしました。最後のLast Scene「どこかで誰かに」で題名の「君は素知らぬ顔で」の意味がやっとわかりました。2日で読み終わりました。面白かったというのではなく良かったと思いました。
お気に入り度:★★★★★ 図書館資料 請求番号:913/アス