今年映画化されたので是非見たいと思っていましたが、見逃してしまいました。図書館で予約して本を借りました。どんなに好きな作家さんでも読み始めて興味を持つまでにしばらくかかりますが、この本は読み始めてすぐに本の世界に没頭しました。一流ホテル「コルテシア東京」が犯行現場になるだろうと推理されて、多くの刑事がホテルマンになり潜入します。優秀なホテルウーマンの山岸尚美が刑事新田浩介の指導役となり、様々な日常業務をこなしていきます。映画では新田浩介を木村拓哉さんが、山岸尚美を長澤まさみさんが演じられています。新田浩介と山岸尚美が出てくるたびに木村拓哉さんと長澤まさみさんが瞼に浮かびました。ナイスキャスティングです。最初にどんな大事件なのかとヒヤヒヤして読みましたが、読み終わるとホテルの日常のちょっと変わったお客様のいろいろな顔を見たような気がしました。なるほど、それで「マスカレード(masquerade)」―仮面舞踏会、仮装―なのだなと思いました。一流ホテルに来る方は少しは緊張して仮面をかぶって装っているようにも見えます。本当に仮装した方もおられるでしょう。どの職場でも対人関係では想像もつかないことがあると思います。ホテルもいろいろな方が利用されるので千差万別。その対処の仕方が一流でした。そんな一流のホテルウ―マンでさえも恨みをかうことがありました。人というのは相手に傷をつけるつもりがなくても傷をつけている場合もあるし、難しいものだと思います。一番タ―ゲットにならないと予想される人物がタ―ゲットになり、意表を突かれました。事件も無事に解決し、微笑ましい日常が始まり、読後感も良かったです。サスペンスは怖いので嫌いですが、これは面白かったです。
2019-5-9(木)
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