・担当者を呼び訊 ( タズ ) ねる。
ジン、シン
たず(ねる)、と(う)、き(く)、たよ(り)
訊
【解字】形声文字。言+卂。音符の卂(シン)は、素早く刃物で切りつけるの意味。矢継ぎ早に問いただすの意味を表す。
- と-う。たず-ねる。上の者が下の者に問いただす。
- おとずれる。訪問する。
- 取り調べる。罪を調べる。
- 責める。とがめる。
- 告げる。知らせる。
- 言う。述べる。また、その言葉。
- たより。音信。
- うごく。ふるう。
<新漢語林より>
さらに、、
はやく飛ぶ。はやい。→迅
【解字】会意文字。乙+十。乙は彫刻刀を、十は切り傷をかたどる。素早く切りつけるさまから、はやいの意味を表す。
「尋ねる」と「訪ねる」の違いなら楽勝。
でも、「尋ねる」と「訊ねる」の違いはというと結構微妙。
尋・・・ わたしに対して教えてください。(自分がへりくだっている)
訊・・・ 強い口調で聞き出す。(上目線で見下ろしている)
尋は、
探し求める
探求する。
質問する。
訊は、
矢継ぎ早の質問を浴びせることにより、相手に考えるいとまを与えない。
狡猾な事を考えさせない。
なのだから、根本的に意味合いが違ってくる。
書き換えが認められている常用漢字として、
「訊問」 → 「尋問」
「審訊」 → 「審尋」
「訊責」 → 「尋責」?
上の熟語に限って言えば、あくまで尋は訊の書き換えでしかない。
いわゆる代用品のピンチヒッター。
---
次の字を書き換えが認められている常用漢字に改めよ。
・訊問 → ( 尋 )問
これは実際の問題であるが、なんだか「尋」の字の問題のように見える。※「尋」の字は4級の漢字。
漢検協会としては、準1級で「訊」という字を習得してもらうには是が非でも「訊」を書かせたいはず。
でも、「訊」のつく熟語では「尋」の書き換えが認められているからジレンマがあると思う。
「訊」に似た字で、迅速の「迅」という字がある。
訊は、言葉が早い。
迅は、動作が早い。
※「迅」の字は2級の漢字。
「被告にたずねる」
「警察にたずねられる」
という文章題で、「尋ねる」 はないだろう。